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DAZN観戦 2020年J2リーグ第16節 アルビレックス新潟vsV・ファーレン長崎

2020-09-03 17:03:30 | サッカー視聴記(2020年以前)

※前回の新潟の記事はこちら(12節・岡山戦)
※前回の長崎の記事はこちら(9節・ヴェルディ戦)

この夏積極的に動いた新潟フロント。
前回述べた荻原・中島の他、湘南から福田を獲得。
福田も中島同様ボランチの選手で、着実に基礎を固める補強を敢行して夏を終えた……と思いきや、ビッグニュースが舞い込む事となります。
レンタルながら鄭大世(チョンテセ)の獲得がそれで、大ベテランの域に達しつつあるながらも、ストライカーとしての実績は抜群。
J2では清水でチームメイトだった(1年のみですが)ピーター・ウタカ(京都)が大活躍しており、果たしてこのビッグストライカーが新潟に何を齎してくれるのか。
早速この日からベンチ入りとなった鄭、ジョーカーとして首位・長崎に睨みを利かせる事となります。

補強により中盤の層は厚くなり、ボランチには福田・中島の他に秋山と島田を織り交ぜて起用しつつ、あぶれた者をサイドハーフに転用するという過密日程ならではの采配が見られている現状の新潟。
荻原は左サイドバックに定着し、本間と左サイドの崩しを担当する役回りとなりました。
尚、長崎は当初スタメンに入っていた澤田が、練習中に故障したのか開始時に氣田と入れ替わり。

お互いポゼッションサッカーを目指すチーム同士だけあって、前半はポゼッションの握り合いで支配率も半分ぐらいを分け合う内容に。
立ち上がりは新潟が若干押し気味で進み、先制シュートも放ちます(中島が敵陣でパスカット→エリア手前左からシュートもサイドネット)が印象としては今一つ。
逆に長崎は前半7分、大竹のボール奪取からビクトル・イバルボがエリア内に持ち込み、切り返してからシュート。(GK小島セーブ)
11分には秋野のロングパスを、ゴール正面でピタリと収めた氣田がシュート(GK小島セーブ)と、新潟ゴールを脅かす場面を作ります。

そうしていくうちに、次第にポゼッションも長崎が握っていく展開に移っていきます。
10~20分過ぎぐらいまでは長崎の攻撃機会数が膨らみ続け、その後新潟が若干持ち直しを見せた所で飲水タイムへ入ります。

そんな中一つ気になったのが、14分の長崎のコーナーキック。
右サイドからでキッカー・秋野のクロスは低いクロスでしたが、ニアサイドに居たイバルボが外へと流れ、その空いたスペースにボールが通ったシーン。
幸いその先に長崎の選手はおらずクリアされたものの、イバルボが囮役を務めたシーンが印象的でした。

新潟で目立っていたのは荻原の仕掛けで、26分には中央でのボール支配から、本間のパスを受けたのちドリブルで前進し奥からクロスを上げる場面が。
浦和在籍時は自身でシュートを狙いに行く動きが目立っていました(悪目立ちともいう)が、この日は突破力をチームにしっかり還元する働きを見せていました。
彼の単騎突撃に期待してか、本間も中央寄りでのプレーが多く、それが後半の怒涛の攻めに繋がっていきます。

飲水タイムの後は、再び新潟がポゼッションを高めるという試合開始直後と似た展開に。
そして長崎サイドが34分に氣田がエリア内左からシュート(ブロック)、35分にはフリーキックから、クリアボールを毎熊がボレーシュート(枠外)とシュートを放ち続けるのもそっくり同じ。

4-4-2のミラーゲームなうえ、ビルドアップの形もほぼ同じ(2センターバックにボランチ1人が降りて来る)とあっては、中々じっくりパスを回す展開にはならず。
サイドでの突破力に期待するか、縦パスがいつもより早めのタイミングで入る、裏へのロングパスが普段より多めという印象でした。

そんな中、43分に先制点が生まれる事に。
長崎が左からのスローインの後、カイオ・セザールが右へとサイドチェンジして右サイドから攻撃。
毎熊の突破からエリア内右へと進入し、クロスがブロックされてCKへ。
するとキッカー大竹のニアサイドへのクロスが、跳んだイバルボの頭を超えた所を新潟・渡邊に当たってゴールに吸い込まれてしまいます。
オウンゴールという形となって長崎が1点を先制。

その後新潟は敵陣でロングスロー攻勢を掛ける(どちらのサイドも新井が務める)も、生まれたのは荻原の枠外シュートのみとなり、0-1のまま前半が終了。

後半を迎えるに辺り、早速新潟は勝負手を打ちます。
秋山→鄭へと交代を敢行し、中島が右SH→ボランチ・渡邊がFW→右SHへとシフト。
早くも出番となった鄭、当然同点に追い付くためのジョーカーとしての投入だったでしょう。

しかし、後半最初のチャンス(後半2分)を長崎がモノにします。
右サイドで毎熊が拾った後、秋野を経由して中央最後尾へと戻されたのち、二見の展開から左サイドでの攻撃。
亀川か氣田が奥に進入すると思わせ、戻しを受けた秋野が手前からクロスを上げると、中で待っていたのは大竹。
決して長身とはいえない大竹でしたが、エリア内でヘディングシュートを放ってゴール。(SBの荻原がマークにいくも競れず)
尚イバルボはこの時エリアから右サイドに位置しており、CBが完全に「誰に付けばいいのか」という状態になっていました。
前半にイバルボをあえて囮にしていた伏線が生きた格好だったでしょうか。

その後は鄭というフィニッシャーを投入した新潟が攻勢に出ます。
6分、中島の縦パスから本間がポストプレイで横に叩き、渡邊がダイレクトでシュートするもGK徳重がキャッチ。
13分には舞行龍ジェームズの縦パスを受けた荻原、左ハーフレーンをドリブルで突き進み、エリア手前からシュートしますがこれもGK徳重がキャッチします。

フィニッシュまで持ち込めるようにはなった新潟ですが得点は出来ず。(鄭は16分にエリア手前から初シュート)
逆に14分長崎に好機、秋野の縦パスを受けた大竹がさらにスルーパス、マウロがカットに入るも畑に通りそのままGKと一対一に。
しかしGK小島が距離を詰めるのが早く、畑のシュート(股狙い?)は小島に足でセーブされてしまいます。
クリアボールを亀川が落として攻撃続行、再び畑がエリア内でボールを持ってシュートするも、これもGK小島がセーブ。
さらに18分にはカウンター、イバルボのヒールパスを交えつつ自陣から前進、ここでも大竹がスルーパスを通してエリア内でカイオが受けるチャンス。
そしてカイオもヒールパスを見せ、受けた亀川がシュートを放つもGK小島のセーブで防いだ新潟。
この3つのどれかが決まっていれば試合は終わっていたでしょう。

守備から良い流れを掴みたい新潟は19分、左サイド奥からのスローインの好機。
奥で本間と荻原のパス交換ののち、荻原が長崎・畑にこぼされるも、こぼれ球を中島が拾ってミドルシュート。
GK徳重がセーブしたボールを、鄭が詰めにいき長崎・二見との競り合いを制してシュート。
流れを変えるゴールを生み、役割を果たした鄭。
余談ですが、この日の長崎のCBである角田は、鄭が清水に入団した年からのチームメイトで2018年オフに移籍。
そして二見が鄭2年目からのチームメイトで前年オフに移籍と、共に前所属清水というゆかりを持つコンビと相対する事となった鄭。
月日が経つのは残酷、という事を考えさせてくれます。

この得点で完全に流れは新潟に。
前半2本のみだったシュートをガンガン放ち、同点を狙いに行きます。
22分には中島の縦パスを受けたファビオ、エリア内へのスルーパスを送り、そこに走り込んだ鄭がシュート。(GK徳重セーブ)
25分には渡邊の縦パスをポストプレイにいく鄭、ボールはエリア内へと浮き上がり、ファビオがヘディングシュートにいったボールはループ軌道でGK徳重の頭上を越します。
しかし後方で二見が間一髪でクリアしてゴールならず。
前半とは打って変わって、紙一重のシーンが続きます。

やや遅い飲水タイムを挟み、長崎サイドは押され気味の展開を立て直すべく、交代カードを切っていきます。
27分に氣田→ルアン。
角田が足を攣らせた直後の31分に、角田・亀川→徳永・米田と交代。
しかし角田に続き、34分には二見がエリア内での混戦で足を痛め屈み込むシーンが。(暫くして復帰)
新潟の圧力によるダメージは半端無く、流れを変えられず。

その新潟、圧をさらに強めるべく38分に中島→ロメロ・フランクへと交代。
積極的に前方に加わるロメロがボランチの位置に入った事で、さらなる攻勢に出ます。
42分、荻原の左サイドのドリブルから、彼のパスを受けた本間がエリア手前やや左の位置からシュート。
枠外に終わったものの、ここから大攻勢が幕を開ける事に。
43分、最後方から舞行龍が形を作って左サイドへ送り、荻原のクロスが上がるとファビオがヘディングシュート。(GK徳重セーブ)
45分は福田の自陣からのロビング、ファビオが競ったこぼれ球を本間が拾い、エリア内に出されたボール(DFに当たってこぼれる)をロメロが拾ってシュート。(GK徳重セーブ)
際どいシュートを連続して放つものの、GK徳重のセーブで破る事は出来ず。
そのままアディショナルタイムに突入し、長崎サイドがコーナー付近で時間を稼ぐシーンも生まれ、これまでかという思いが過り始めます。

しかしそれを振り払うゴールがとうとう生まれます。
左サイドでこぼれ球を渡邊が拾い奥へスルーパス(長崎・畑のクリア?)、ロメロが走り込んでグラウンダーでクロスを入れると、本間が中央で受けて切り返した後のシュート。
GK徳重はセーブしきれず、手を弾いてついにゴールに吸い込まれて同点に。
ロメロの前進ぶりに留まらず、左サイドで拾った右SHの渡邊・エリア内で受けてフィニッシュに持ち込んだ左SHの本間と、まさに形振り構わずといった格好で奪った執念のゴールでした。

最後は長崎が直接FKのチャンスを得るも、ルアンのシュートがブロックされた所でタイムアップの笛が。
「2点差は危険なスコア」を肌で感じた長崎サイド、勝てなかった事で首位陥落の危機となりましたが、幸い2位の北九州も引き分け(こちらも2点差から、という試合でしたね)。
逆に新加入選手をチーム力に組み込む事に成功した新潟、首位相手に価値ある引き分けといえるでしょう。


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