ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第19節 モンテディオ山形vs大分トリニータ

2024-06-13 16:01:29 | サッカー視聴記(J2)

※前回の山形の記事はこちら(17節・熊本戦、1-0)
※前回の大分の記事はこちら(11節・いわき戦、0-2)

<山形スタメン> ※()内は前節のスタメン

<大分スタメン>

  • 前節(徳島戦、1-2)退場となった小酒井(警告2度)・藤原の2名が出場停止。
  • 保田がU-19代表(モーリスレベロトーナメント@フランス)に参加のため今節から離脱。
  • 羽田の負傷が発表される(4/22付)も、発生日・全治ともに不明。
  • 11節で負傷交代した薩川の詳細が発表されるも、全治は不明。
  • 12節(熊本戦、2-1)で負傷交代した香川は、(6試合欠場の末に)今節復帰してベンチ入り。
  • 新人の松岡が初のベンチ入り。

出遅れた格好ながらも、地道に勝ち点を積んできた大分。
しかし前節は退場者を2人も出した末に敗戦し、さらに保田の代表参加が重なり計3人も出場不能に陥る事態となりました。
ただでさえ負傷による離脱が多い状況だけに、満足にメンバーを組めない一戦となった前半最終戦。
目を惹くのが左サイドバックとして起用されたデルランで、これが今季初スタメンという具合に、彼の適正度が試されるような格好に。

前半3分、敵陣での國分のパスカットから攻め込む山形、イサカがドリブルの体勢に入った所をデルランが激しいショルダーチャージで止め。
しかしこぼれ球を南が繋ぎ、隙を突くように小西のワンタッチの縦パスが通り、受けた氣田のミドルシュート。
GK濱田がセーブして防ぐも、これがこの日のデルランを占うようなシーンとなった感があり。

その後もSBの役を果たさんと、マイボールの際に上がるものの攻撃に流動性を齎せないデルラン。
ロングスロー役もこなしますが、大半はイサカと対峙するディフェンス面に神経を使う事となりました。

それが全体に波及したか、12分に最終ラインでミスを犯す大分。
左サイドでパスミスを拾った氣田、そのままドリブルを仕掛けますがここはペレイラに奪われ。
ホッとしたのも束の間、最後方から作り直さんとした所、GK濱田→安藤へのパスがズレてしまった所にイサカが走り込む大惨事に。
そして右ポケットからシュートを放つイサカ、GK濱田もファーサイドに位置しており反応できずとなりましたが、右ポストを直撃する結果となり命拾いします。

何とか落ち着かせた大分ですが、その後は山形が主導権を握り。
最終ラインからの繋ぎで、高い位置取りをするSBを軸に、そのSBを経由するか直接ウイングにボールを届けるかの二択の攻め。
これに対し大分も前線から阻みにいくものの、サイドハーフが最終ラインまでプレッシャーを掛けると、必然的にサイドが数的不利に陥る事となり。
そんな基盤を作った上でサイド奥を強烈に抉る山形に対し、クロスをブロックして防ぐもそれによりコーナーキックも数多与えるなど、厳しい戦いを強いられます。

22分に山形は右深めからのスローイン、パスワークを経て南がカットインでポケットを突き、グラウンダーでGKと最終ラインの間へクロス。
そして抜け出した後藤優が合わせてネットを揺らし、先制かと思われましたがオフサイドの判定に引っ掛かり。
VTRでも非常に微妙なシーンだっただけに、実際に現場にいる者(主にピッチ脇の渡邉晋監督)からの痛烈な異議が飛び交う事となりましたが判定は覆らず。

大分の攻撃は、前述の通り左サイドは本職ではないデルランのため、必然的に右サイドに偏りを見せ。
野嶽・野村のスルーパス攻勢で奥を突く場面も何度かありましたが、パターンが限られていた事もあり回数は多くなく。

逆に山形は、両サイドをくまなく使っての攻撃で大分を困らせ続け。
34分安部はGKへの戻しを選択して大分をプレッシングで引き込むと、GK後藤雅は左へ縦パスを送り、吉田ドリブル→國分スルーパス→吉田と素早い前進で奥を突き。
そして入れられたグラウンダーのクロスに、中央でイサカが合わせる完璧な流れを描きましたが、イサカの右足はゴールへ面を作れずに左へ逸れてしまい決められず。
39分には下がって受けたイサカが裏へミドルパスを送る役となり、クリアボールを中央へ繋いだイサカ。
それを受けた南がペレイラに倒されて反則となり、良い位置での直接フリーキックに。
國分・小西・安部の3人がボールサイドに立ち、守備側に迷いを押し付けながら國分のシュートが放たれましたが、壁を直撃と実らず。

12分の大分のシーン以降、双方ともにビルドアップに目立ったミスは見られず。
繋ぐ事を第一としたチーム同士の対戦らしい絵図となりましたが、攻撃機会はかなり山形に偏りを見せるという内容となり。
この辺りに、緊急的なメンバー編成となった大分の傷跡を強く感じる事となったでしょうか。
結局優勢だった山形もゴールは奪えず、スコアレスで折り返した前半。

共に交代無く始まった後半。
最初に攻撃機会を得たのはやはり山形で後半2分、デルランのボールタッチが大きくなった所をイサカが奪い、小西が送った裏へのミドルパスに川井が走り込み。
ミスに乗じる形でデルランの裏を突くと、そのままワイドからクロス気味にシュートを放った川井。
GK濱田が弾いた所を、中央で氣田が収めてボレーシュートを放ちましたが、これもペレイラのブロックに阻まれます。

これを境に、懸念だったデルランのSBとしての適性が、今度は守備面で試され続ける事となり。
5分に自陣で反則を受けた山形、すかさず小西がリスタートさせて右サイド裏へのロングパスでまたもデルランの背後を突き。
そして受けたイサカがカットイン、ポケットを突いてシュート(ブロック)と、サイドアタッカーにとってお誂え向きの流れを作り続けます。

押し込まれ続ける厳しい状況の大分。
何とか山形の猛攻を凌ぎ、9分にようやく最初の攻撃機会を得るも、これがアクシデントの呼び水となり。
ロングボールの跳ね返りを確保したのち、右へ展開して野嶽がドリブルで切り込み。
そして奥へ進入するという所で、まさかの筋肉系トラブルを発生させて倒れ込んでしまう野嶽。
左からの攻めに期待出来ない事で、攻撃の一翼を担うとともに負担も膨らんでしまっていたでしょうか、故障者続出の状態のなか更なる被害が生まれてしまいました。
明らかにSBが人員不足という中で、ここで3バック(3-3-2-2)へのシフトを決断する片野坂知宏監督。
木本を投入して右ウイングバックとし、宇津元を左WBに。(アンカーは弓場)
5バックシステムにより、再三付かれていた左サイドの裏を埋めに掛かる采配を敢行します。

しかしその馴染みはあくまで急造という感じで、11分にも後藤優のスルーパスを受けたイサカが奥へ切り込んでクロス。
クリアされるも今度は逆サイドから仕掛け、吉田のクロスの跳ね返りを拾った氣田が左ポケットからシュート(ブロック)と、山形の勢いは止まらず。
何とか流れに抗わんと、15分には敵陣右サイドで野村が反則気味にボール奪取、そのまま持ち運んだ末に長沢へラストパス。
しかしこれがズレてしまうと、川井に拾われて山形のカウンターに突入(シュートには繋がらず)と、専守の運命は変える事が出来ません。

17分の1分間に3度も攻撃機会を作るなど、押し込みを止めない山形。
その2度目に敵陣深めで國分が左→右へのサイドチェンジ、右ポケットに上がったボールをイサカが後方へ落とし。
そして川井がダイレクトでシュートするも、安藤のブロックに阻まれ。
18分にも攻め続け、一旦遮断されるも左サイド深めに追い込んだ末に縦パスを安部がカットして大分に脱出させず。
そしてショートパスの連続で逆の右へと展開し、イサカのクロスをファーサイドで吉田が合わせヘディングシュート。
ゴール上を襲ったこのフィニッシュもGK濱田のセーブに阻まれますが、尚も左CKで継続し、キッカー國分ニアにクロス→安部フリック→イサカヘディングシュートと完璧な流れ。
しかしこれもゴールライン寸前で、身長の低い中川がヘッドでブロックと決死の凌ぎを見せ、防ぎ続ける大分。

ゴールまで後一歩という所で、山形はその流れを保つべくの交代。
20分に國分・氣田→藤本・横山へと2枚替え(後藤優がトップ下に回る)、前線の燃料を補填します。
一方依然として左サイドを突かれる事が止まない大分は、23分に長沢→香川へと交代し、その香川が左WBに。
宇津元をFWに回す事で、守備的な選手を入れてそれをカバーせんとします。

双方の采配が交わり、特に大分の交代の効果が出る前に仕留めたい状況となった山形。
26分に西村のロングパスが右サイドでバウンドし、これを落とした藤本がイサカの浮き球のパスに走り込み、入れたクロスが防がれて右CKに。
キッカー小西がニアにクロス、そして藤本がフリックと先程と同様の手法も、今度は直接ゴールに向かう軌道に。
しかしまたもGK濱田がファインセーブを見せ、どうしても得点出来ません。

一方の大分は直後の27分、山形のプレスを引き込んでのGK濱田のロングフィード。
これにより戻りながらのクリアを強いて、セカンドボールを中川が拾い押し込んだ状態で攻撃スタート。
右ポケットでパスを受けた木本の切り込みで右CKに持ち込むと、キッカー宇津元は意表を突いてグラウンダーでニアへクロス。
アウトスイングにより微妙に戻る軌道を経て、渡邉が合わせた事でボールはゴールの中へ吸い込まれ。
劣勢を跳ね返す先制点か、と思われましたが、シュートの手前でゴールラインを割っており残念ながら無効に終わります。

それでも依然として勢いは山形にあり。(31分に後藤優→狩野に交代)
29分にイサカのドリブルを反則で止めた香川が、33分に横山のボールキープを倒してしまった弓場がそれぞれ警告を受け。
被害も広がる一方ななか、ベンチはさらに動き3枚替えを敢行。
しかしその時にもデルランが足を攣らせてしまう等、劣勢による損害は止まらず。
交代選手を調整する破目となり、結局デルラン・渡邉・宇津元→松岡・伊佐・キムヒョンウへと交代。
香川が最終ラインに回り、松岡は右WBに入って木本が左に回るという具合にポジションチェンジも絡みます。

しかし片野坂監督の苦心の采配が実ったか、ないしは山形サイドの攻め疲れか、この後ようやく流れはほぼ五分に。
40分に空中戦を経てボール確保した野村、キムヒョンウのポストプレイも挟んで中央から切り込み。
そしてラストパスを受けた中川がミドルシュート(吉田がブロック)と、久々に流れの中でのフィニッシュに持ち込み。
疲労感を隠せない山形も、ここからまだフレッシュな左の横山を使い始めて応戦。
42分にその攻撃から持ち込んだ左CK、ショートコーナーを経て川井の手前からのクロスを選択すると、中央で西村が合わせヘディングシュート。(ゴール上へ外れる)

苦境を凌いた大分、その果ての勝ち点3を掴みたいという展開に。
45分にまたも空中戦からボールを確保し左サイドから前進、木本が野村とのパス交換を繰り返したのちのスルーパスで奥に走り込み。
そして上がった低いクロスに、伊佐がヘッドで合わせんとしましたが吉田のクリアに阻まれて撃てず。
その後のCKからもモノに出来ず、とうとう時間はアディショナルタイムに突入します。

山形サイドも、この試合に勝てば大分を順位で上回るだけに是が非でもモノにしたいのは変わらず。
失速を隠せないなか、最後の攻撃で何とかアーリークロス攻勢に持っていき、その末に今季初出場の狩野がエリア内へ切り込む状況が生まれ。
放たれたシュートがブロックされ、こぼれ球に反応しさらにクロスを入れた狩野でしたが、先制点を齎す事は出来ず。

結局スコアレスドローでの決着を告げる笛が鳴り響き。
双方この試合のみならず、前半戦自体が不完全燃焼となりましたが、巻き返す事が出来るか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第19節 愛媛FCvs水戸ホーリーホック

2024-06-11 16:01:02 | サッカー視聴記(J2)

※前回の愛媛の記事はこちら(17節・栃木戦、0-0)
※前回の水戸の記事はこちら(14節・熊本戦、2-0)

<愛媛スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(横浜FC戦、1-2)出場停止のベン・ダンカンはベンチ外のまま。
  • 負傷離脱していたGK辻が復帰しベンチ入り。

<水戸スタメン>

  • 暫定監督だった森直樹氏が正式に監督に就任。(15節以降)
  • 山本(専修大)の来季加入が内定し、同時に特別指定選手となり16節(大分戦、1-1)から登録されて即途中出場。そして今節は初スタメンに。
  • 内田がJFL・高知ユナイテッドSCへ育成型レンタル移籍となり、前節(長崎戦、2-3)をもって登録抹消。
  • ドイツ・ハノーファー96U-23にレンタル中の松田隼風が、レンタル延長で来季も同クラブに在籍。

気が付けば6戦未勝利と、足止めを強いられている愛媛。
この試合が丁度折り返し地点であり、同時にシーズン始めの勢いという要素は全く感じられなくなる時期でしょうか。
昇格組といえど、そうした「勢いのみのチーム」とは一線を成すイメージなので、踏ん張りを見せたい所。
まずは前回述べた、千葉戦の大敗のショックを払拭する勝利が欲しい所ですが果たして。

試合開始と前後して、雨模様へと変わったピッチ上。
立ち上がりはまだ影響もそれほど無く、前半3分にGK徳重のロングフィードのセカンドボールを深澤が拾い、最初に攻撃機会を得た愛媛。
谷本がエリア内へのミドルパスでその深澤を走らせ、落としを経て石浦→窪田とエリア内で繋いだもののシュートは撃てず。
それどころか、深澤が牛澤と頭部同士激突する形となって痛む事案が発生する(深澤は無事に復帰)という具合に踏んだり蹴ったりで終わります。

これが影響したか、その後は水戸の独壇場といった展開に。
4分に寺沼のボール奪取から素早く左へ展開、新井が切り込んでのカットインシュート、ブロックされたこぼれ球からも山本ポストプレイ→後藤田シュート(枠外)と早速フィニッシュを重ね。
その後も寺沼狙いのロングボールを軸としつつ、愛媛のGKからのビルドアップに激しい規制を掛けてペースを掴みます。
10分にはあろう事か、エリア内でGK徳重が寺沼の出足良いプレッシャーを受ける事態となり、蹴り出しをブロックさせるという「綺麗に奪われない」立ち回りが精一杯の状況に。
拾いにいった落合に谷本が素早く寄せ、こぼれ球を長井のシュートに繋げられるも、徳重がこれをキャッチして何とか凌ぐ愛媛。

そんな慌ただしさをさらに突かんとする水戸、12分には中盤で反則を受けると、フリーキックで素早いリスタートを選択。
そしてまたも新井がドリブルからのカットインでシュートレンジに入り、中央寄りでミドルシュートが放たれ、濡れたピッチを利用する軌道(手前でバウンド)となりましたがGK徳重が何とかセーブ。
ホッとしたのも束の間、続く13分にも右サイドから攻める水戸、前田裏へミドルパス→落合走り込んでのポストプレイで目線を変えさせつつ山本が中央へパス。
寺沼のポストプレイを経て、ダイレクトでシュートを放った山本ですがゴール右へと外れ。
あらゆる手段を使い怒涛の攻めを見せるも、先制点は奪えません。

すると16分、愛媛はGK松原のロングフィードを小川が跳ね返して攻撃に移り。
ここから谷本・松田・石浦が浮き球で繋いでいき、石浦の縦パスに対し谷本がやはり浮き球の1タッチパスをエリア内へ送り。
これが山田にブロックされるも、こぼれ球を自ら拾った谷本がシュートに切り替えると、大崎のブロックでコースが変わった事もありボールはゴール左へ突き刺さります。
流れの悪かった愛媛が、「ピンチの後に……」という格言に従うように先制点に辿り着きました。

このゴールで、愛媛はゴールキックからの短い繋ぎでプレッシングをかわす、本来の姿を取り戻し。
しかし18分その形から敵陣に運ぶもカットされ、逆襲に入った水戸に対し寺沼のドリブルを反則で止めてしまった小川が警告を受け。
直後の19分にも新井に対し松田が反則を犯し、連続で途切れた事で中盤からのFKにも拘らず放り込みを選択した水戸。
エリア手前へのロビングを寺沼がフリックで送ってチャンスを作る(クリアされた後も繋いで落合のシュートまで持っていく)という具合に、攻撃の橋頭堡としての存在感は抜群な寺沼。
一方の愛媛も、ロングボールは松田狙いの割合が多かったものの、平凡なサイズ故にそれを主体とするには限界があり。

リズムを取り戻すのは早かった水戸、その後もハイプレス主体に、愛媛に流れを渡さず反撃体制を作り。
愛媛の地上からのビルドアップに対し、降りて出口役となるボランチへ長井が激しく寄せる事で阻むのが基本的な形。
これにより愛媛は、最初の好機よろしくロングボールのセカンドボールを拾う事でしか攻撃がままならなくなり。
相手ボランチを引き込んでのロングパスにより、跳ね返りを出来たスペースで拾い易くなっていたのが幸いだったでしょうか。
30分にその流れから、窪田が左サイド奥に切り込んだ事でコーナーキックに持ち込み。
ショートコーナーで変化を付け、戻しから茂木がミドルシュートを放ち(ゴール上へ外れる)対抗姿勢。
32分には水戸の縦パスを遮断しにいった森下が縦パスを送り返し、中央で受けた窪田が前進を経てミドルシュート(GK松原キャッチ)と、少ない好機をフィニッシュに結び付け。

一方の水戸、33分に山本が中央からミドルシュートを放ち、先程(12分)と同様に雨を利用したGKの手前でバウンドする軌道を描いたもののGK徳重がセーブと結果も同様に。
続く34分にも、大崎が左ワイドの位置から、グラウンダーでクロスと見せかけてゴールを狙う軌道でボールを送る(ゴール左へ逸れる)など、コンディションも味方に付けようと立ち振る舞うも結果は出ず。
その遠目から狙う姿勢により、スペースのある状況でも大崎がアーリークロスを選択する等、時間とともに粗雑さが目に付くようになり。

緻密さを交えたい状況で迎えた45分、愛媛の自陣でのパスミスから攻撃開始、寺沼の右→左へのサイドチェンジにより左サイドでの攻め。
受けた新井が切り込むと、ポケット奥へのスルーパスを選択し、走り込んだ前田がマイナスのクロス。
これを受けた落合が戻した事で、中央で絶好のシュートチャンスを得た長井、念入りに小川のブロックをかわした末にシュートを放ち。
しかしふかしてしまい、作り上げた決定機をモノに出来ません。

結局1-0のまま前半が終わり。
再三攻め立てた水戸がビハインドで、リードしている愛媛サイドも基本ずっと押し込まれるという、双方不穏な展開を強いられたでしょうか。

愛媛のキックオフで後半が始まると、その愛媛は戻しを経てのセンターバックの放り込みと見せかけ、1タッチでの繋ぎを経て(茂木が?)のロングパス。
これを松田が落とし、石浦がワントラップからボレーシュート(枠外)と変化を付けてフィニッシュに持っていくも実らず。
すると水戸も直後のゴールキック、ロングフィード→寺沼ポストプレイと変わらぬ立ち回りから、細かく繋いで新井がドリブルとこちらも定番の手法。
しかし今度は新井自らポケット奥まで切り込みマイナスのクロスを入れ、ニアで落合が合わせシュート。
GK徳重が身体を張ってセーブ、こぼれ球をクリアしてまたも危機を凌いだ愛媛。
ともに初手でフィニッシュに結び付けるも、水戸の優勢ぶりは変わらずという感じでした。

上記の流れを経ての水戸のCKから、カウンターに持ち込んだ愛媛は中央でパスを受けた石浦が大崎に倒されて反則。
直接狙っても良い位置でしたが、素早いリスタートを選択してエリア内を突き、茂木が右奥からクロスを入れるもブロックされて右CKに。
このCKから、クロスのこぼれ球を松田ポストプレイ→石浦ミドルシュート(枠外)と、セットプレーで矢を放ち。
入り然り、状況打破への意気込みは感じられたものの、これにより前半より一層流れの中からの攻撃がままならない流れが固定化してしまった感もあり。

それにより後半も攻勢を掛ける水戸ですが、愛媛はロングボール主体となって「プレス回避できずショートカウンターを浴びる」状況だけは避けるという立ち回りに。
そのため水戸も主体的な攻めが中心となり、前半程苛烈なフィニッシュ攻勢を掛けられません。

12分に愛媛は久々に、最後方からパスを繋いで敵陣に切り込み、1タッチパス主体で松田に渡した末に(長井に)反則を受けて直接FK。
中央ながら先程より遠目という位置でしたが、今度は直接シュートを選択し、茂木のゴール左下を襲ったシュートをGK松原がセーブ。
跳ね返りを窪田が詰めたものの枠を捉えられずと、劣勢を挽回するためセットプレーに舵を切ったという流れながらも、フィニッシュに繋げて抗戦姿勢を保ちます。

前半よりも「ボールを持たされる」感が強まった水戸。
15分に牛澤が右→左へとサイドチェンジ、受けた新井の戻しを経て左ハーフレーンから長井が斜めの縦パスを中央へ。
これをスルーした落合が、奥で寺沼のポストプレイを受け直しにいくもディフェンスに遭うなど、様々な手法を絡めるも守備意識が高まる愛媛に対しては通用せず。
17分にベンチが動く水戸、長井・山本→長尾・甲田へと2枚替え。
その後も大きく展開は変わらず、攻めあぐねて時計が進む事を止められずと、すっかり勢いは喪失する格好となり。
新井が大崎とのワンツーで前進・その末のクロスを寺沼が折り返し(22分)、左ポケットを突いた前田が右足アウトでクロス(23分)など、その後も色々と手段を変えて好機を作るも実りません。

一方守勢は変わらずも、勝利への道筋は太いものとなって来た感のある愛媛。
26分にベンチが動き、谷本・窪田→菊地・パクゴヌへと2枚替え。
例によって右サイドハーフに入るパクゴヌにより、茂木が左SHへ回ります。
これにより、「守備時はパクゴヌが最終ラインに降りての5バック」というシステムに入るかどうかが焦点となり。
しかしパクゴヌは最終ラインには回らず、新井に対するマンツーマンといった風の守備姿勢に。(新井がサイド奥に位置取る際は当然最終ラインに)
これまで再三発揮されてきた新井の突破力の抑制に努める采配だったでしょうか。

しかしそれから間も無い28分、水戸ベンチが動いてその新井を退かせ。(齋藤を投入、同時に落合→草野へと交代)
これにより、普通の4-4-2の体勢での守備に切り替わり。
37分に齋藤が左サイド奥を突き、尾崎とパクゴヌがサンドする状況となりますが、齋藤は単騎突破を仕掛け尾崎を股抜きしてカットインに入るものの防がれ。
今季2試合目の出場となった齋藤、投入されてからプレースキッカー担当となったものの、この状況を打開するにはまだ荷が重いという印象でした。

愛媛は逃げきりに向けて着実にカードを使っていき、39分に茂木・石浦→佐藤・曽田へと2枚替え。
42分には松田(足を攣らせる)→舩橋へ交代。
このベンチワークもあり、ロクに攻撃機会を得られなくなった水戸、最後の交代は44分で前田→梅田。
以降寺沼・梅田の2トップとなり、草野が上がり目のセンターハーフといった立ち位置に。

守備時に気を使う立ち位置を強いられるパクゴヌですが、攻撃時には最前線まで上がってパスを受けるなどその上下動の激しさは健在であり。
しかし45分、そのパクゴヌのグラウンダーのクロスがクリアされると、草野がドリブルに持ち込んで水戸のカウンターが襲来。
ディフェンスに遭うも拾った齋藤がドリブルを継続させ、入れられたグラウンダーのクロスに寺沼が跳び込むも撃てず。

これを境にようやく流れを得た水戸ですが、既に時間もアディショナルタイム。
山田を最前線に上げ、無理矢理にでも得点を狙う体勢を余儀なくされます。
大崎のロングスローも使うなどの強引な放り込みから、梅田や草野がボレーシュートを狙うも、いずれもミート出来ずに終わり。

時間も押し迫り、牛澤が最後方からロングパス、その跳ね返りを甲田がバイシクルの体勢でロビングという具合に放り込みを続ける水戸。
しかしこれを梅田→寺沼とヘッドで繋いでいき、収めた草野がワントラップからのボレーシュート。
今度はミートに成功するも、GK徳重がセーブと最後まで守護神が立ちはだかります。
渾身の一撃も決められなかった水戸、その後セットプレー攻勢でGK松原も最前線に加わりましたが、実る事は無く。

結局1-0のまま試合終了。
7試合ぶりの勝利を挙げた愛媛、これにより前半戦を五分の成績(6勝7分6敗)とした事で、気分良く後半戦を迎えられる状態は整ったでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第19節 徳島ヴォルティスvs横浜FC

2024-06-10 16:01:06 | サッカー視聴記(J2)

※前回の徳島の記事はこちら(15節・栃木戦、1-0)
※前回の横浜FCの記事はこちら(16節・清水戦、2-0)

<徳島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 14節(岡山戦、2-1)で(HTに)負傷交代した柳澤の詳細が発表され、全治約3ヶ月との事。
  • 田向の負傷が発表され、5/15に発生して全治約8週間との事。
  • 負傷離脱していた石尾が17節(いわき戦、1-1)で復帰しベンチ入り。

<横浜FCスタメン>

  • ミシェル・リマがポルトガル2部・UDオリヴェイレンセから完全移籍で加入が決定。登録は7/14以降。
  • 前節(愛媛戦、2-1)負傷交代した伊藤はベンチ外に。
  • ユース所属の秦が2種登録選手となり、今節から登録される。

代表ウィークによりJ1は小休止も、下位カテゴリは無関係とばかりに試合は続き。(しかしルヴァン杯参加のため長崎・富山はリーグ戦が順延に)
そんな日程の事情もあり、徳島のホーム(鳴門大塚スポーツパーク・ポカリスエットスタジアム)で行われたこの試合、徳島の元監督であるダニエル・ポヤトス氏(現ガンバ監督)も客席で観戦する運びとなり。
まさかの御前試合のような環境で、チーム崩壊の状態のままでは無く本当に良かったと痛感する事となったでしょうか。

その建て直しに努めている現監督・増田功作氏。
これが初の監督業なためこれまでのキャリアは今一つ不明でしたが、この日の対戦相手である横浜FCの下で選手・指導者生活を長らく勤めていた人物であり。
その古巣との一戦で前半戦を締めるという状況に、突然の監督就任も運命に導かれてのものだったと言いたくなりますが、その戦果はどうであったか。

試合が始まり、早々に横浜FCが中盤でのフリーキック(前半2分)から、福森が放り込みを選択するという「悪魔の左足」を活かさんと振る舞い。
そのプレッシャーに負けじと、最後方からボール保持で反撃を試みる徳島ですが、前半4分に児玉のボールキープに対し高橋利が詰めてボール奪取。
すかさず自ら持ち運ぶも、森昂に倒されて途切れてしまい(反則無し)ショートカウンター完遂とはいきません。

出鼻を挫かれた格好の徳島は、その後も隙を探しながらボール支配。
助っ人エウシーニョやチアゴのその特異性も、試合数をこなす事により自然に活かされるという形に馴染みつつあるでしょうか。
つまりは上がり目の位置を取りたがるエウシーニョと、下がってボールを受けたがるチアゴ。
その特性が抑えられながらも、要所で取り入れられて好機を作り出すという形。

しかし10分台に入ると、選手の痛むシーンの連続によりブツ切りの流れを強いられます。
12分に空中戦で着地に失敗したカイケが腰を痛めたのを皮切りに、14分にはユーリの前進をスライディングで倒してしまった永木が反則・警告。
これで収まるどころかますます激しくなり、続く15分には青木のチャージを受けたカプリーニが足を痛めて長らく倒れ込む事態に。
2分程掛けて何とか起き上がり、ピッチ外→復帰という流れの中でもまた、室井がエウシーニョのチャージで倒れ込むなど球際のバトルが悪目立ちする事となり。

再度流れを構築したい徳島、19分に自陣でボールを持ったチアゴがドリブルに入り、福森を股抜きで剥がして疾走状態に。
これは敵陣浅めで中野に阻まれて終わり、22分には最終ラインからのロングパスに抜け出すもオフサイドと、その威力を発揮せんとしたチアゴ。

その後暫くの停滞期間を経て、横浜FCは26分、チアゴと同様に際立つ存在の福森がその特異性を放ち始め。
つまりは味方がパスワークに入り、右サイドから前進の姿勢を取ると、逆サイドから張り出してそれに加わらんと動く福森。
結局ここではパスは回って来ず(カプリーニのカットインが永木に止められる)終わりましたが、そのフリーマン気味な動きにより試合展開も(鳴門だけに)渦を巻き始めたでしょうか。

そんな福森に呼応するように、徳島もエウシーニョが高目に位置取る時間が増え始め。
30分に児玉が井上に反則を受け、敵陣でのFKとなるとエウシーニョがこれを素早くリスタートし、チアゴを経由して受けた西野が左奥へ切り込み。
堅守の横浜FCに対し、絡め手で好機を作らんとしましたが、結局遅攻を強いられた末に奪われて実らず。
その後32分、その前向きな姿勢を突かれるかのように、スルーパスを受けた中野嘉を倒してしまったエウシーニョが反則・警告を受け。
これでワイドの位置からのFKと、徐々に福森のお誂え向きな流れとなってきた感がありました。(このFKは、ファーへのクロスをGKスアレスがパンチングで防ぐ)
それでも徳島はそのエウシーニョの姿勢を活かすべく攻め上がり、36分には児玉が井上に引っ張られながらも持ち運び。
そして敵陣中央から杉本がエリア内右へミドルパスを送ると、走り込んでヘディングシュートまで放ったエウシーニョ。(GK市川キャッチ)

ほぼ互角の流れで、双龍が相撃つと言いたくなる展開。
そしてそれにケリを付けるように41分、左スローインから繋ぐ横浜FC、左奥でのキープから戻しを経て中央からパスワークで切り込み。
ユーリのボールキープを挟んで福森のダイレクトパスがエリア内を突くも、それをアフターで児玉が倒したため反則となり。
即ち絶好の位置での直接FKで当然蹴るのは福森と、自らの動きにより得たセットプレーを自ら仕留めにいく流れが出来上がります。
攻防ともに入念な壁形成を経て、放たれた福森のシュート。
壁左端のブラウンノアが外から巻くと踏んだか、キックと同時に外へ位置を変えた所を通される結果となり、ゴール左へと突き刺さりました。
一瞬の攻防も制し、とうとう今季初ゴールを得意の形で挙げた福森。

前半も既に残り少ないなか、徳島はアディショナルタイムに決定機。
それは横浜FCの攻撃からのカウンターで、山根のクロスの跳ね返りを拾った事で発動し、児玉のミドルパスを右で受けたチアゴがワイド遠目からクロス気味にシュート。
これが予想以上に伸びたか、GK市川は腕を伸ばして辛うじてのセーブとなり、ファーへこぼれた所にブラウンノアが走り込んで折り返し。
そして右ポケットに進入していたエウシーニョのシュートがゴール左を襲い、完全に決まったと思われたこのフィニッシュを、山根が寸前で足でブロック。
これをGK市川が弾き返し、尚もエリア内で拾った児玉に対しプレッシャーで撃たせずと、際どいながらも何とか凌いだ横浜FC。
その後のコーナーキックも決まらず、そのまま0-1で前半を折り返す事となり、結果的にこれがビッグプレーとなりました。

共にハーフタイムでの交代無く、始まった後半。
しかしその入りは波乱染みたものとなり、まずは後半2分、横浜FCが左サイド深めまで攻め込むもパスミスを犯した所をチアゴが拾い。
するとそのまま一気にロングシュートを狙い、GK市川が直接エリア内でこれを防ぐという場内を驚かせるものとなり。

その直後に再び攻め込む横浜FCでしたが、その最中にカプリーニが倒れ込んでしまい続行不可能に。
前半に痛めた際の再発という感じで、痛々しく担架で運ばれピッチを後にする事となりました。
早くも動く事を強いられた横浜FCベンチ。(小川を同ポジションで投入)

そんな慌ただしい相手を突きたい徳島ですが、それでも堅守を保つ横浜FCの前に、流れの中で崩すのは至難の業となり。
5分に森縦パス→永木フリックを受けて持ち運ぶチアゴですが、そのままミドルシュートを放つ(ゴール右へ外れる)という具合に、無理目なフィニッシュを目立たせるなどその存在感は功罪半ばする格好に。
リトリートの色を強める横浜FCに対し、その前線五角形の中を(児玉や杉本が)利用して何とか崩さんとしますが、ユーリを始めとした素早いプレッシャーの前にそれはままならず。
11分に横浜FCのCKからカウンターの好機が訪れますが、エウシーニョが左ハーフレーンをドリブルで運び、切り返しからスルーパスを狙い。
しかし走り込むチアゴの手前でカットされるなど、その精度も助っ人頼みの節が強く実りません。

徐々に勢いを失う徳島を尻目に、逆にボール保持の時間を増やす横浜FC。
時間を使いながら、相手の隙を突きあわよくば追加点という一挙両得の立ち回り。
14分敵陣でパスを繋ぎ続け、山根のミドルパスを高橋利が収め、戻しを経て井上が中央からミドルシュート。(ゴール上へ外れる)
こうした振る舞いにより、徳島は前述のカウンター狙いも厳しくなりつつあり。

手詰まり感が強くなった所で、22分に交代カードを切る増田監督。
西野・永木→橋本・高田颯へと2枚替え。
当初は3-4-2-1への変更と思われ、その通りに守備時は5バックを保っていましたが、暫くして青木を左サイドバック・橋本を左サイドハーフとした4-4-2へとシフト。
アンカーの永木が退き、両シャドーだった児玉・杉本がそのままボランチに降りる格好の布陣変更となりました。
一方横浜FCベンチも同時に、中野・室井→中村・村田へと2枚替え。(山根が左ウイングバックへ回る)

両サイドハーフが積極的に仕掛ける事でペースを掴みに掛かる徳島。
28分には右から高田颯がドリブルと見せかけ、ヒールパスでの戻しから逆へと展開した末に、左から橋本のクロス。
これがクリアされて左CKとなり、キッカー・チアゴのクロスからファーサイドで森がヘディングシュートを放つも、ゴール上へ際どく外れて同点ならず。

布陣変更から光明を見出したかに見えた徳島ですが、その直後にチアゴ→渡へと交代。
これにより再度3-3-2-2(3-1-4-2)へと戻し、児玉がアンカー・高田颯が右シャドーに。
これが綺麗に逆に作用してしまい、以降殆ど攻撃機会が無くなり。
横浜FCが攻撃しながら、時計を進めていく流れへと突入します。

そして横浜FCが最後のカードを切ったのが36分。
井上・高橋利→和田・櫻川へと2枚替えすると、ここで徳島サイドが動き。
といっても交代では無く、橋本と高田颯の位置を入れ替えるというポジションチェンジで打開を図りました。

左ワイドで高田颯が仕掛けるという体制に移り、突破口を開かんとする徳島。
37分に高田颯がミドルレンジでカットインに入った所を小川に倒され反則、FKとなりましたが素早くリスタートを選択。
今度はエリア内へカットインする高田颯、防がれて後方から作り直し、左手前から橋本が低いクロス。
渡の足下でのフリックを経て中央のブラウンノアに収まり、一旦こぼされるも渡の折り返しで再度受けたブラウンノアが反転してシュート。
ンドカのブロックで跳ね返るも、カイケのポストプレイからフリーの橋本がシュートと絶好機に繋げ。
しかしこのフィニッシュは大きくふかしてしまい、折角作り上げた好機も仕留められません。

その後40分に横浜FCが好機、GK市川のロングフィードによる空中戦を制し、櫻川がミドルシュートを放つもGKスアレスがセーブ。
これによるCKからもユーリがヘディングシュート(枠外)と脅かした所で、最後の交代を使う徳島ベンチ。
杉本・ブラウンノア→杉森・石尾へ2枚替えし、FWを下げてDFを投入した事で、予想通りカイケがFWに上がるという策に全てを賭ける事となりました。

放り込み・サイド突破・アーリークロスなど、考えられる全てのプレーを使い、何とか同点を目指す徳島。
ATに再度橋本にシュートチャンスが訪れ、左からの高田颯のカットインを経てペナルティアークで受け、横浜FCのブロックをかわした末にシュート。
エリア内の密集の間を縫ったものの、ゴール右へと外れて名誉挽回とはいきませんでした。

襲い掛かる徳島の猛攻も凌ぎ続けた横浜FC。(その最中にGK市川がゴールキックの際の遅延行為で警告)
最後までゴールは割らせずと、自慢の堅守はこの日も健在であり。
0-1のまま試合終了の時を迎え、4連勝を達成する事となりました。
なお、徳島のGKスアレスに試合終了後警告が出たようですが詳細は判らず。(挨拶の前に、エアバトルを演じていた福森とカイケが揉めていたようではあったが)

全体としては、采配面で徳島・増田監督の決死の喰らい付きが印象に残る事となったでしょうか。
何度も布陣変更・ポジションチェンジが行われたその様は、自分を育ててくれたクラブに対する意思表示の表れのようでもあり。
かくして結果はともかく、揺れに揺れた前半戦を締めくくるに相応しい試合となった感はあり、後は何処に目標を選定するかが問われる所です。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第18節 レノファ山口FCvs清水エスパルス

2024-06-05 16:00:50 | サッカー視聴記(J2)

※前回の山口の記事はこちら(14節・山形戦、2-0)
※前回の清水の記事はこちら(16節・横浜FC戦、0-2)

<山口スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 梅木が累積警告により出場停止。
  • 移籍が決定していた水口(JFL・アトレチコ鈴鹿クラブへ育成型レンタル)は、15節(いわき戦、2-1)をもって登録抹消。
  • 16節(藤枝戦、2-1)で負傷交代した相田の詳細が発表され、全治約4週間との事。

<清水スタメン>

  • 川本が群馬へ育成型レンタル移籍となり、前節(水戸戦、2-1)をもって登録抹消。
  • 西澤の負傷が発表され、5/19に発生して全治約3ヶ月との事。
  • 乾が8試合ぶりのスタメン出場。それに伴い、前節から4-4-2→4-2-3-1へと布陣変更。

新潟がJ1へ、大宮がJ3へと場を移しても、オレンジがチームカラー同士の対決は盛んであり。
その代表格?として、(愛媛・清水も含めた)他チームが流動している間もずっとJ2を維持している山口。
成績的にも今季はそれに相応しいものとなっており、こうして難敵・清水をホームに迎えても「何とかしてくれる」というムードを膨らませて挑めたでしょうか。

対する清水は、前回観た際は完敗したとはいえ依然首位をキープ。
レギュラーの矢島のみならず成岡をベンチ入りさせる、古巣対決という色を強くアピールしたのも、そんな強者の立場が齎したものか。

試合が始まり、繰り広げられる20人+GK2人のオレンジの戦士(とはいっても、清水はアウェイ故に白のユニフォーム)によるボール争い。
その中で前半3分、クリアボールを拾いにいった原が新保に倒され、右サイドからのフリーキックを得た清水。
キッカー矢島が上げたクロスに住吉がヘッドで合わせ、右ポケット奥に流れたボールを北川が折り返してチャンス継続。
混戦のなかブラガ→原ポストプレイ→住吉シュートとフィニッシュに結び付けると、ブロックされた跳ね返りを右からさらに乾がシュート。
これを中村がヒールでコースを変えましたが、密集に引っ掛かってこぼれた末に掻き出され。
いきなりの波状攻撃も、結局ゴールは奪えませんでした。

出だしから清水の強者ぶりを味わった山口ですが、「去年とは違う」という事を見せ付けるべくその後奮起。
7分清水がボール保持による攻撃で、サイドチェンジを使いながら前進していき、乾が右からアーリークロス。
これをブロックで防いだ山口、跳ね返りを拾った山本が高橋祐の腕でのチャージを受けながらもボールキープを果たした末にスルーパス、これによりカウンターに持ち込みます。
新保の切り込みを経て中央でパスを受けた吉岡がミドルシュートを放ち、ゴール上へと外れてしまうも、これにより応戦姿勢は整い。

山口の攻撃は、例によって新保が前に出る左肩上がりへの可変が基本姿勢。
既にリーグも中盤でそのシステムは周知となっているはずですが、対する清水サイドの分析ならびに対応はどうだったのか。
左サイド(清水から見て右サイド)でのトライアングルによるパスワークで、あっさり新保を空けてしまう場面が目立つなど、それは甘かった感があり。
12分の山口は右サイドでの攻めで、キムボムヨン→佐藤ポストプレイ→田邉裏へミドルパスという定番の流れのなかで、吉岡がハーフレーンに位置取り山原をピン止め。
これにより空いたワイドにそのパスが送られ、そこに前が走り込む(ラインアウトで繋がらず)という具合に、あまりボールポゼッションに拘らない姿勢ながらも「相手を引き付けて崩す」意識は十分に持ち併せ。
清水は強者の奢り……という訳では無かったでしょうが、その山口の姿勢に対する準備は全体として感じられる事は有りませんでした。

そして13分、清水の自陣でのパスミスから山口の攻撃、左ワイドでボールを持った新保がポケットへパスを送って自らもパス&ゴー。
田邉のキープからのリターンを受けて奥へ切り込む新保により清水ディフェンスの網は破られ、入れられたグラウンダーのクロスを吉岡が合わせます。
シュートはジャストミートせずも、全体の勢いが勝った結果ゴール内へ転がり、先制に成功した山口。

反撃したい清水ですが、その形を作る事無く時間を浪費していき。
サイド攻撃を仕掛けたいものの、最終ライン→サイドバックに出した所に二度追いを掛ける山口のFWにより、数的優位を作る事はままならず。
原が前に出ての右肩上がりの布陣で、高めに位置取る新保の裏を取りたいという意識は見られましたが、原自体が新保のプレッシャーで詰まる事も多く。
またスタメン復帰した乾も、本調子には程遠いのかトラップ際を奪われるシーンが目立ち、攻撃の流動化を果たせません。

そんな清水を余所にペースを掴む山口。
前述のパスワークでの崩しの他、山本をターゲットとしたロングボールも有効打となり、セカンドボールを拾う事で敵陣でサッカーを展開する時間を増やします。

端的にどちらが順位が上なのか判らないといった内容で、その通りに次にスコアが動いたのが27分。
ここも左サイドから河野がハーフレーンに位置取ってのパスワークで崩しを図り、佐藤→新保戻し→田邉縦パスという流れで、マークが外れた河野を経由して中央へ。
そして若月のポストプレイを経て、起点となっていた佐藤が果敢にダイレクトでミドルシュートを放つと、狙いすましたようにゴール左隅へと突き刺さります。
早期に追加点を挙げ、勝利へのムードを高める山口。

一方の清水、この場面も然りショートパスによりボールを上下動させると、構えていたはずのディフェンスがあっさり前に釣られてしまう性質があり。
それを完全に把握されていたという感じで、前に出た瞬間に1タッチパスを通される事はこの後も目立ち。
前年の熊本戦が思い起こされるこの傾向ですが、それを直す事が出来ないのは根深いチーム特性か、あるいは秋葉忠宏監督以下首脳陣の能力の限界か。

これにより、その後も優位性を保つ山口。
何度か受ける清水の攻撃も凌ぎ、球際での激しいデュエルも制して反撃に持ち込むという具合に、組織的にも全体の流れでも上回ったチームは強く。
清水サイドが前掛かりの意識を高めたのもあり、悉くワイドでフリーとなる新保へとボールが渡り、更なる追加点を狙いにいきます。

41分からCKを3度続け、全て左からでキッカー佐藤は全てニアへのクロスを徹底。(いずれもクリアされ実らず)
神経戦といった前半終盤になると、44分には右スローインから空中戦に持ち込みボックス内を突く流れに。
跳ね返りを逆サイドで拾った新保のクロスが入ると、大外で収めた山本がボールキープを経て反転シュート。
強烈なグラウンダーのボールが間を縫うも、GK権田がこれをセーブと、何とか3点目は許さなかった清水。

結局2-0のまま前半が終了。
苦しい状況となった清水、当然の如くハーフタイムで動き矢島・ブラガ→松崎・千葉へと2枚替え。
北川・千葉の2トップとなり、乾が左サイドハーフに回る4-4-2へシフトと調整を図りました。

SHとなったものの、中央寄りに絞ってトップ下のままのように振る舞う乾。
便宜上のミラーマッチから変化させる、という姿勢で崩しに掛かったでしょうか。
その通りに後半2分、中村の縦パスを受けた乾が奪われるも、すぐさま白崎が奪い返して中央でのパスワーク。
距離感の近い繋ぎを経てチャンスエリアに持ち込み、北川の突撃がこぼされた所を中村がミドルシュート(ゴール左へ外れる)と、幸先良い入りとなり。

しかしその兆しも直ぐに途切れ、4分には山本がドリブルに入った所を白崎が倒してしまい反則・警告。
ここから山口が攻撃権を取り返し、5分には田邉のミドルパスで裏を取った新保が奥を突いてクロスと、相変わらずストロングポイントは全開といった感じ。
このクロスは流れるも、拾った吉岡が右からカットインを経てミドルシュート。(枠外)
続く6分には、新保を囮としつつ田邉が左サイドを持ち運び、中央で受けた若月がエリア内へ突撃。
ディフェンスに遭うも、こぼれ球を田邉がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、多少強引ながらもフィニッシュで終わらせ。
この辺りはカウンター防止の思惑が強く出た格好で、勝利への進撃は既に始まっているといった絵図でありました。

それを崩さんと清水ベンチは早めに動き、8分に白崎→宮本に交代。
しかし流れを変える采配にはならず、10分には乾が左ワイドで詰まらされた末に中盤でボールロスト。
田邉の縦パスを受けた山本が中央からミドルシュート(枠外)と、山口の思惑通りに時間を浪費していく流れを止められません。
その山口も13分にベンチが動き、佐藤→板倉へと交代、板倉が右SBに入って前がボランチへシフト。

15分、清水は長いボールポゼッションを経て乾のミドルパスで左奥を突き、山原のクロスをファーサイドで原が合わせにいき。
両SBが最前線という分厚い攻撃もクリアされ、その跳ね返りを宮本がミドルシュートに持っていき、これがエリア内の北川の足下に収まった事で偶然ながらも混戦に。
横パス→宮本スルー→松崎で何とか混戦を抜け出し、松崎のシュートが放たれるもブロックに阻まれ。
その後2本続いたCKも、高橋祐のヘディングシュートが決まらずと、運を味方にする事も出来ない清水。

盤石に見えた山口ですが、20分に若月が足を攣らせて倒れ込み。
スタミナ限界には早いような気がしますが、アグレッシブにいっていた事もあり消耗も激しかったでしょうか。
これで交代を余儀なくされ、若月・山本→野寄・末永へと2枚替えし、河野がFWへ回ります。

この体力面の不安を見せてしまった事で、一転清水の攻勢に。
24分に再びボール保持による前進で、右奥を突いた末にCKに持ち込むと、キッカー山原のクロスをニアサイドで中村がヘディングシュート。
対角線でゴール左へ向かったこのボールを、ゴール前に居た新保がヘッドでブロックして何とか凌ぎます。
しかしその新保も、可変の肝となる存在故に消耗具合が著しく、その後清水に右サイドの跳梁を許す状況が続き。

これにより原が高い位置を取り続けるなど、暗雲振り払うかのように攻め込む清水。
27分には中央からの前進で、中村の縦パスを乾が間で受けるという具合に、徐々に生まれる相手の綻びを突き。
そして右ポケットで浮き球パスを収めた原がシュート、これが巻く軌道でファーサイドを襲うも、ゴールバーを直撃し惜しくも決められず。
遅まきながら、試合開始時での狙い(原が新保の裏を突く)がようやく形となり。

しかしこの状況を山口ベンチが対応しない訳も無く。
31分に最後の交代を敢行、新保・河野→沼田・シルビオへと2枚替え。
これで3-4-2-1へとシフトし、野寄が右ウイングバック・沼田が左WBとなってワイドを締める対策を施します。(センターバックは右から板倉・ヘナン・キムボムヨン)

この交代後、先に好機に持ち込んだのは山口。
32分沼田のボール奪取から敵陣でショートカウンター、シルビオのポストプレイを経て末永がミドルシュート。
最後はフィニッシュで終わらせるというリスク管理は健在でしたが、ブロックされた結果右CKとなると、ファーへクロス→ヘナン折り返しがカットされて清水のカウンターに。
千葉がドリブルで一気に持ち運ぶも、キムボムヨンが反応良くスライディングで奪い、すると反転して山口がカウンター。
カウンターのカウンターという絵図で、スルーパスを右ポケット奥で受けたシルビオの戻しを経て野寄がシュート(枠外)と、ここでもしっかりフィニッシュに繋げ。

清水も最後のカードを使う段階となり、35分に高橋祐・中村→北爪・成岡へと2枚替え。
古巣対戦の成岡投入以上に、これにより原がCBに回る事となったのが目を惹きました。

その後も攻め続ける清水ですが、ブロックの外側で回すか、距離感の近いパスワークで強引に崩しを図るかの2択を強いられ。
37分には中央で乾がボールを持ち後者の状況となった所、前に反則を受けた事で直接FKの好機。
これを山原が直接狙い、壁を越えてゴール左上を襲うフィニッシュとなったものの、ポスト上部を直撃とまたも枠に嫌われる結果となり。

そうして終盤を迎え、押し込んでクロスを上げる状況には持ち込むものの、守備を固める山口を崩しきるのは至難の業であり。
突入したアディショナルタイム、敵陣浅めで北爪が沼田に反則を受けるも、放り込みは選ばずあくまで徹底抗戦する清水。
そして右サイドを前進していき、得たスローインからの繋ぎで右ポケットを取り、成岡のポストプレイを経て松崎のシュートが放たれ。
しかしこの枠内シュートもGK関にセーブされ、どうしても1点を取る事が出来ません。

これによるCKでGK権田が上がり、総攻撃体制を取ったものの実らず。
その後はシルビオが右奥でボールキープに入るなど、着実に時計を進める山口の前に万事休すとなり。
2-0のまま試合終了の笛が吹かれ、首位チームを下したという歓喜に沸く事となった維新みらいふスタジアム。

快勝した山口を尻目に、またも組織面で後れを取っての敗戦を強いられた清水。
迫る暗雲という状況を、次節のダービーマッチ(藤枝戦)で振り払う事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第18節 ジェフユナイテッド千葉vsファジアーノ岡山

2024-06-04 16:01:02 | サッカー視聴記(J2)

※前回の千葉の記事はこちら(13節・いわき戦、0-1)
※前回の岡山の記事はこちら(16節・甲府戦、2-0)

<千葉スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 負傷離脱していた鈴木大が6試合ぶりに復帰しベンチ入り。
  • エドゥアルドが14節(横浜FC戦、1-0)で負傷離脱から復帰するも、15節(甲府戦、2-2)で再び負傷交代し以降ベンチ外。
  • 猪狩(産業能率大)の来季加入が内定し、同時に特別指定選手となり16節(愛媛戦、7-1)から登録される。

<岡山スタメン>

  • JFL・ヴェルスパ大分へ育成型レンタルしていた山田が復帰となる。登録はまだされていない。

前々節・愛媛戦での大勝で、またも得点数を大きく伸ばす事となった千葉。
栃木戦(8-0)と併せて2戦で15得点と、これだけ荒稼ぎをすればリーグトップの数字(37得点)となるのは当然であり。

しかしその2戦があるからこそ、水増しされたかのような錯覚に陥るもので。
そして次の試合である前節(長崎戦、0-1)は無得点で敗戦と、これほどまで綺麗な逆転現象となってしまえば喜劇的でもあります。
やはり昇格のためには、接戦となった試合を拾えるかどうかが問われるもので、こうして乱高下が激しくなれば連勝すら覚束ない。
前年は後半戦の大連勝でプレーオフ圏内に滑り込んだものの、今季も同じ事が出来るかはまだ判らない。
そんな懸念を抱きながらとなった前半戦も残り2試合、挽回の気運を掴めるかどうか。

岡山のキックオフで試合開始となったその刹那、ロングボールに合わせにいったルカオと、それを防がんとした佐々木が交錯。
両者とも痛んで倒れ込み、開始僅か10秒で負傷が危ぶまれるシーンを描く事となり。
ルカオは直ぐに起き上がるも、佐々木は1分程掛けて起き上がりと、体格差がそのままダメージ差という事が表れたのち両者ともピッチ外→復帰。

しかし岡山は怯まず、以降もそのルカオのポストワークを活かす立ち回りを続け。
3分にボールを収めたルカオの前進をメンデスが倒してしまい反則、これで右ハーフレーンからの直接フリーキックとなり、キッカー田上はシュートか縦パスか判別し辛いボールをエリア内へ。
これが壁に当たって右コーナーキックとセットプレーが続き、キッカー早川のクロスをニアで阿部がフリック、これもシュートかどうか区別し辛いボールとなって流れ。
しかしファーサイドで高橋壱がクリアと、何とか凌ぐ千葉ですがさらに岡山の右スローイン。
ポケットへ直接投げ込まれたボールをルカオが収め、そのままバイシクルで裏へ送った所に藤田息が走り込み。
クリアされるもまたもCKと、ひたすらルカオのパワーを活かして押し込みを掛けた岡山。

しかし7分の千葉のゴールキック、短い繋ぎからすぐさま佐々木が低い弾道でロングパスを送ると、収めた横山の縦パスが小森の下へ。
素早い前進を繰り出した千葉に対し、これを田上が反則で阻止してしまい警告を受けるという具合に、パワーを前面に出すが故のツケを支払う格好に。
今度は千葉がエリアからすぐ手前の直接FKで、キッカー田口が直接シュートを狙いましたが壁を直撃して実らず。

岡山がルカオの能力をフルに生かし、千葉が縦に速い攻撃を繰り出すという対抗戦。
こうなると、中々全体の組み立てやペースワークが図り辛い試合展開となり。

そして18分、その流れをモノにしたのは千葉でした。
高橋壱がパスカットしたこぼれ球を拾った横山、中央での前進を経て右へスルーパスと先程と同様に中継役を務めた所に、走り込んだ田中和が奥からクロス。
中央ややファー寄りに上がったこのボールを、田口がバイシクル気味に合わせボレーシュートを放ちます。
すると田上のブロックで軌道が変わり、ゴールバー下を叩いてバウンドした末に上部に突き刺さるという具合に、そのゴールも展開の激しさを象徴するような絵図となりました。

試合が動いた後も岡山は、22分に阿部縦パス→早川フリックによる浮き球を収めたルカオが佐々木に倒されて反則と、変わらぬ立ち回りを貫き。
これによるFKでは、キッカー早川クロス→柳育折り返しを経て、ルカオがボレーにいくも合わずに終わり。

その後の千葉のゴールキック、短い繋ぎから岡山のプレッシングをかわす立ち回りと、リードによる変化を見せ。
GK藤田和から中央を運び、小林縦パス→小森ポストプレイを経て、受けた横山が先制点のシーン同様に右の田中和へスルーパス。
そして田中和から上がったクロスをファーで日高が合わせボレーシュート。(GKブローダーセンキャッチ)
ビルドアップ成功も、敵陣の部分では本質的に変わらない攻め。

これにより、再度縦に速い運びを貫く流れが固まったでしょうか。
徹底的に右の田中和を使う立ち回りで、スローインでも田中和がロングスローを繰り返すという具合に、1分毎に相手エリア内へ運ぶ流れを築きます。

つまりは1-0となった後もどちらも変わらない立ち回りで、ハイテンションぶりが交錯するような状態に。
その所為か29分、またも浮き球を収めて前進するルカオに対する反則で高木俊に警告。
31分にはGKブローダーセンロングフィード→柳貴フリックを収めにいった岩渕が佐々木に倒されて反則・警告と、千葉サイドに立て続けに被害が出る事となりました。

それでも岡山の攻撃は、基本セットプレー頼みの趣があり。
膨らむ反則によるFKや、ルカオの突撃を主としてのCK獲得から、何とかターゲットを活かさんとするも有効打は放てず。
こうなると焦りにより危機も招き、37分には空中戦を経てメンデスがラフに裏へロングパスを送ると、阿部のクリアミスが絡んで横山に繋がる事に。
そして中央からミドルシュート(枠外)と、乱戦模様に拍車が掛かり。
38分にはメンデスの縦パスをフリックした田中和により、裏を取られた末吉が自ら拾わんとした田中和を倒してしまい反則・警告、これにより警告もお互い2度ずつとなります。

相手の混乱が垣間見えるうちに追加点を狙いたい千葉。
42分、前掛かりの相手に対し左サイドから田口が対角線にスルーパスを送ると、これが一気に右ポケットを突くボールとなり田中和が走り込み。
ワントラップからシュートと思いきや逆サイドへクロス気味に流れ、フリーの高木俊が合わせたもののこれは枠に飛ばず。
アディショナルタイム序盤にはまたも左サイドからで、高木俊がカットインで中央に流れてスルーパス、受けたのは当然ながら田中和。
勢いそのままにエリア内へ流れ放たれた田中和のシュート、ブロックされるも拾った横山がミドルシュートと攻め立てるも、GKブローダーセンがキャッチ。
テンションの高さを保ち、果敢に攻め込むも2点目は奪えません。

その後(ATは4分と長め)岡山のCK攻勢が繰り広げられるも、結局1-0のまま前半が終わり。
結局岡山は数多攻撃を浴びながら守護神の好守に助けられるという、前節(仙台戦、4-1)と類似する流れを描く事となりましたが、この日はビハインドなのが相違点。

迎えた後半開始。(ハーフタイムでの交代は無し)
乱戦模様を引き摺るかのように、中々形にならない入りを経て後半3分に最初に好機を作ったのは千葉。
前半とは逆に、左サイドで高木俊を活かすような攻めに舵を振り始め。
今季場数の少ない高木俊により、日高もどう関われば良いのか不透明な面がありましたが、それを解決に掛かったでしょうか。

しかし再び岡山のセットプレー攻勢でそれが途切れ、7分にはスローインからの繋ぎで、縦パスを収めたルカオが反転シュート。(枠外)
直後のゴールキックでは、ロングフィードを収めた横山から田口スルーパス→田中和と、やはり右の田中和を使う攻撃へ転身。
そして右ポケットから上がったクロスをファーで高木俊が合わせにいき、クリアされて左CK。
キッカー高木俊のクロスをニアで田口がフリックし、中央で横山がヘディングシュートに持ち込むもゴール上へ外れ。
独力での突破力に欠ける高木俊故に、やはりこうして右での組み立てに合わせにいく形が理に適うといった所でしょうか。
しかしそうなると縦に速い運びへと傾倒し、結果的に相手の反撃も招く事に。

10分にGKブローダーセンのフィードをカットした田中和、そのままアーリークロスを上げ、ファーで小森がヘディングシュートを放つもGKブローダーセンがキャッチ。
すると今度はスローで右へ投げたブローダーセンから、千葉が戻りきらないうちに柳貴→藤田息縦パス→ルカオポストプレイと素早い運びを経て、竹内のスルーパスで裏を取り。
そして右ポケットからの柳貴の低いクロスを岩渕が走り込んだ末に合わせ、ゴールネットを揺らして仕上げます。
1タッチでの繋ぎの連続(ルカオのみ2タッチ)をモノにし、同点に追い付いた岡山。(キックオフ前に早川→木村へと交代)

一方、何処かで落ち着かせていれば……と悔やむ結果となった千葉。
とは言っても、ハイプレス&カウンター重視のスタイルである以上その切り替えは難しいものであり。

14分の岡山、GKブローダーセンのロングフィードが柳貴を越え、右サイド奥へ流れた所を日高に一旦拾われるも木村が奪い返し。
そして奥でカットインからマイナスのクロス(ニアでカットされる)と、早速投入された木村がその威力を見せ付け。
千葉も15分に高木俊→ドゥドゥに交代し、両翼から推進力を発揮する体制となり。

以降千葉は、中継役の横山が動き回りパスを引き出しに掛かりますが、その横山も早めの勝負に囚われている節があり。
アーリークロスやシュート気味のグラウンダーでのクロスに終始し、中々攻撃権を確保できず。

そんな中で事件は起こり19分、浮き球で裏へ送られたボールに対し、受けにいった小森が田上と激しく激突。
これで田上の反則となり、警告の対象となった結果2枚目により退場処分か下され。
しかし頭部同士の接触で、よりダメージが激しかったのは田上の方で、倒れたままレッドカードを突き出されるという何とも語り難い絵図となってしまいました。(小森は直ぐに起き上がる)
ピッチレベルでも同じらしく、田上のダメージが気になるという状況で、何時もなら退場による異議・反応が見られる所ですがその面は実に大人しく終わり。
無事に起き上がった田上も、大した異議は唱えず素直にピッチを後にする事となりました。

しかし微調整に慌ただしくなる岡山サイド。
岩渕→河野へと交代し、河野が右ウイングバックに入る事で3バックを保つ体制に。(3バックは右=柳貴・中央=柳育・左=阿部)

何とか1-1の状態を保ちたかった岡山ですが、それは直ぐに夢物語となり。
22分の千葉の最初の攻撃で、横山が左サイド奥を取る状況となり、ボールキープを経て日高のクロスが上がり。
そしてファーで田中和が脚で折り返し、中央で受けた小森が、スライディングでブロックに来た柳育を冷静にかわした末のシュートでゴールネットを揺らします。
不利な状況故にどうしても焦りが顔を出してしまう岡山。
それにより千葉サイドもゴール前という直結な部分ながら、ようやく落ち着いた判断が下せたでしょうか。

数的不利で追いかける立場となった岡山。
5-3-1に見せかけて攻撃時では木村が高い位置を取る、3-4-2と言った方が正しいような布陣に掛ける事となり。
一人一人が無理をしなければ苦境は跳ね返せない状況で、その通りのプレーを各個見せ始めます。
26分にはパスに入れ替わる、ルカオのようなプレーを見せた藤田息が田口に倒されて反則。
これで得た右遠目からのFK、キッカー河野はエリア手前中央へ放り込み、木村のフリックでファーへ流れた所に柳育が足から跳び込みましたが合わず。
32分にはロングボールのセカンドボールを拾った木村が右からカットイン、ポケットを突き、クロスがブロックされた後も藤田息・河野が繋ぎ。
同サイドで人数を掛け、何とか崩さんとしましたがこれも実りません。

前後して、29分に最後のカードを切った岡山。
柳貴・竹内→田中雄・齋藤へと交代した事で、4バックへシフトしてルカオ・齋藤が2トップの4-3-2へシフト。

圧力負けしたくない千葉は32分、中盤で小森のボール奪取から素早く前に運ぶと、今度は田中和がスルーパスを出して高橋壱が走り込むという逆の状況に。
そして上がったクロスをファーでドゥドゥが折り返し、GKブローダーセンがパンチングで弾くも高橋壱が拾い継続。
そしてパスを受けた田中和がミドルシュート(ブロック)と、あくまで追加点を狙う姿勢で岡山の流れを切り。
その後35分に小林・田中和・小森→品田・岡庭・呉屋へと3枚替え、運動量の担保を図ります。

どんな形でも好機が欲しい岡山、39分にGKブローダーセンロングフィード→木村を越えた奥でルカオが拾うという、14分と同様の流れから奥に持ち運ぶルカオ。
そして入れられたマイナスのクロスをニアで田中雄が合わせシュートと、細い線を繋いだものの右サイドネット外に終わり惜しくも実らず。

終盤を迎え、有利なはずの千葉にも暗雲が。
41分に横山が足を痛めて(攣らせて?)続行不能となり、最後のカードを切る事に。(林を投入)
しかしその直後GKブローダーセンのロングフィードの跳ね返りを田中雄が拾い、品田をかわしてパスを受けた齋藤に対し、戻った品田がチャージしてしまい反則。
そしてここで、素早くリスタートしようとした田中雄に対し、佐々木がその蹴り出しをクリア。
するとこれが主審(高崎航也氏)に遅延行為と取られる不幸が発生し、警告並びに2枚目による退場処分を受ける事となってしまいました。
どう見ても岡山のリスタートに反応しただけなので、納得し難いのも当然となりましたが、判定は覆らず。

そして仕切り直し、中央やや右寄り・エリアからすぐ手前の岡山の直接FK。
これを田中雄が直接狙い、右から巻いてゴールを狙ったものの外れてしまい同点ならず。
そのままATへ突入し、本格的な10対10の戦いが始まりました。
千葉は高橋壱が佐々木の代わりにセンターバックに回り、右サイドバックに岡庭・右サイドハーフに林が一列ずつ下がって穴を埋める格好に。

スローインを受けにいったルカオがメンデスに倒されて反則となるなど、最後までセットプレーの流れは変わらなかったこの試合。
これによる放り込みを中心に押し込む岡山ですが、千葉もそれが途切れた際、ゴールキックで一気に裏を狙って岡庭のシュートに繋げる(枠外)など背後を脅かし。

その流れに伴い、敵陣まで入り込んでボールを持ったGKブローダーセンが細かいタッチでのドリブル、呉屋を剥がしてからのパスで好機を作り出し。
そんなイレギュラーなシーンを経て、田中雄のミドルパスがエリア内を突きますが、木村・ルカオが跳び込むその手前でGK藤田和が抑えて実りません。

そして7分という目安時間が過ぎ、自陣ボックス付近でボールを奪ったドゥドゥから、スルーパスの連続でボールを受けた林。
そのまま右ポケットに持ち込みシュートチャンスを迎えるも、そこで試合終了の笛が鳴り響き。
ゴールテープを切るかのような絵図で、千葉が勝利に辿り着きました。

冒頭で述べたように接戦を制する事に成功したものの、内容は「当たるも八卦」的なものなのは否めず。
連勝を果たすにはもっとゲームコントロールの術が欲しいという風に映りましたが、今後はどうなるか。

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