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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第2節 北海道コンサドーレ札幌vsヴィッセル神戸

2023-02-28 16:01:02 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

自分の地元である札幌は今季どうなっているのか、という僅かばかり残っている帰巣本能を下に視聴。

前年はミハイロ・ペトロヴィッチ監督(以下ミシャ)就任以降、初と言ってもいい残留争いを強いられる破目となった札幌。
終盤に8戦5勝(1敗2分)という帳尻合わせ駆け込みぶりで、最終的な順位は10位に落ち着いたものの、サッカーの内容も年々劣化していっている節があり。
そんな中で6年目のシーズンを戦う事となったミシャ氏ですが、果たしてここから劇的なV字型回復を臨めるかどうか。

ホーム開幕戦という節目の試合ながら、いきなりの前半1分に満たないうちから、パスミスで相手の神戸にチャンスメイク。
汰木左サイドをドリブル→手前からクロス→大迫フリック→武藤ボレーシュート(枠外)と流れるようにフィニッシュに持ち込まれ、早くも暗雲漂う札幌ドーム。

その後は、前年からの特徴である「右ウイングバックの金子に良い形でボールを持たせる」その後は金子が何とかするサッカーで何とかペースを握らんとする札幌。
2分にGKクソンユンが金子に向かってロングフィードを送り、跳ね返りをダイレクトで繋いだ末に金子にボールが渡り。
金子は中央へ向かってドリブルののち左へパス、受けた菅がミドルシュート(ブロック)と、こちらも最初の攻撃をフィニッシュに結び付ける事に成功します。
近年はプレッシング・トランジションの激烈ぶりが際立っているJ1リーグ、この試合でも例外では無く、神戸の素早い寄せと囲みに対し満足にボールを握る事が出来ない札幌。
よって消極的ながらも、フィード一本から何とか攻撃に繋がんとする姿勢は納得できるものであり。
5分には岡村が最終ライン裏へロングパス、抜け出して受けた青木がシュートを放ち、見事ゴールネットを揺らしたもののオフサイドでノーゴール。

しかしその姿勢がエラーを招く事となります。
9分の札幌、最終ラインで神戸のプレスを何とかかわし続け、GKクソンユンが左へフィード。
これが綺麗に福森に渡ったものの、福森はボールキープを優先している間に神戸の寄せを受け、戻りながら宮澤とのパス交換を強いられた末に武藤に奪われる事態となり。
そしてショートカウンターを浴び、大迫のエリア内右からのシュートがゴールに突き刺さる、実にあっけなく映る失点が生み出され。
早々に先制点は神戸に入る事となりました。

ミシャ氏のチームらしからぬ、あっさりとしたビルドアップの失敗を披露してしまった札幌。
チーム力の向上は果たされていないのでは……という疑問が浮かぶ中試合は再開されます。
直後の10分、札幌の攻撃は右サイドから田中駿が斜めの縦パスを送り、青木ポストプレイ→宮澤→菅ロビング(すべてダイレクト)と、ダイレクトパスの連続でエリア内までボールを運び。(荒野が走り込むもGK前川キャッチ)
相手のプレッシングの激しさを前提としてのボール運びは、この場面のようにダイレクトプレイを交える事が必須条件であり。
しかしそれはボールコントロールが難しくなるものでもあり、普段から道筋を示していない、即興のアイデアでやるしか無い状況ならば尚更です。
この攻撃は結局フィニッシュまでいけず、以降は特に見栄えする運び方も無く時間を費やしてしまったこの日の札幌。
良く言われる「選手に自由を与え、選手自身が状況状況で考えて……」という不可解な方法論、そんなドツボに嵌ってしまっているのでしょうか。

一方優勢に運ぶ神戸も、攻撃面ではロングボール中心で、かつGK前川のフィードが直接タッチを割るシーンが目立つ状況では今一つ。
大迫をターゲットにするか、彼を囮として他選手(主に佐々木)が裏抜けを図るかの二択といった感じで、以前の「バルサ化」のイメージは何処にも見受けられず。

何とか誤魔化しつつ、チャンスに辿り着くしか方法が無いといった札幌。
14分には再びクソンユン→福森へのフィードから始まり、左サイドでの繋ぎから福森のサイドチェンジで金子にボールが渡ると、細かいタッチでの切り込みで右ポケットを突いてクロス。
ディフェンスに当たりこぼれた所を青木が拾って継続、そして後方から走り込んだ宮澤がシュートするも、ふかしてしまい枠外に。
前半で最も可能性があったのはこのシーンだったでしょうか。

次第に札幌サイドも神戸の激しいサッカーに応戦体勢を採り、何度も激しい奪い合いが発生。
しかし前回観た千葉vs山形と決定的に違うのは、お互い攻撃の形がままならない状況故に、奪い合いに活路を見出すしかないといった感じの試合絵図だったでしょうか。

こうした状況では、ビハインド故に札幌の方にフラストレーションが溜まりがちとなり。
30分過ぎ辺りから、ハイボールの競り合いで何度も反則を犯してしまい、その度に主審の判定にも不満を抱く素振りを見せる札幌選手。
39分にはとうとう、山川に対しチャージした荒野が反則・警告を受ける等、一向に逆転への雰囲気は高まらず。
スタンドのサポーターも、神戸が最終ラインでボールを持つたびにブーイングを浴びせる等、それに加担してしまった節がありました。

その隙に乗じたい神戸、42分には再び札幌の反則(田中駿が汰木の入れ替わりを倒してしまう)で、左サイドからフリーキックの好機。
キッカー汰木はファーサイドへ高いクロスを送り、エリア外へこぼれた所を山口がダイレクトで対角線のミドルパス。
これをエリア内左で収めた武藤がシュートにいく決定機となるも、ボールはミートせず力弱くポストを叩き、それをGKクソンユンが抑えてゴールはなりません。
結局神戸サイドも止めを刺せなかったという展開で、0-1のまま前半を終えました。

この日は荒野の1トップというスタートの布陣だった札幌。
それにより前線のプレッシングも荒野が神戸のボランチを切り、最終ラインには浅野・青木の2人が前に出てプレッシャーを掛けるという、いかにもアンバランスさが伺えるような方法を採っており。
しかしハーフタイムにベンチが動き、キムゴンヒを投入(馬場と交代)して1トップに据えます。(荒野は馬場が抜けたボランチへシフト)

反撃体制を整えて迎えた後半、その2分に好機が到来。
一旦途切れた攻撃を右サイドで田中駿が縦パスをカットして継続、キムゴンヒのエリア内右へのダイレクトパスを浅野が受け、そのまま奥に切り込んでマイナスのクロス。
ディフェンスに当たった所を同サイドで金子がシュートとほぼ良い流れを作りましたが、シュートはゴール上へ外れてしまい同点ならず。

その後も攻め続ける札幌。
1失点目の逆起点となってしまった福森は、左足のフィードに拘りを見せる事が逆に愚直さを醸し出している節がありましたが、7分には宮澤のパスを右足ダイレクトで最終ライン裏へフィードを送る変節ぶりを見せ。
いくらスペシャリストといえど、プレーの幅を広げなければ現代サッカーでは通用しないといった暗示のシーンだったでしょうか。

それでも次第に息切れし神戸ペースに移り変わったのは、地力で劣るためか、ないしは神戸に目下リーグ戦6連敗中というジンクスの所為なのか。
トップに入ったキムゴンヒも、サイズの割には先程のパスのシーン宜しく足下でのプレーに巧さが見られるタイプであり、ロングボール攻勢で優位に立つという事も出来ず。
それ故ビルドアップに活路を見出すしかないのですが、11分には田中駿のコントロールミスを汰木に拾われて危機を招き、大迫のエリア内への突撃からのこぼれ球を武藤がシュート。(枠外)
13分にはまたもパスミスを大迫が掻っ攫いアタッキングサードから攻撃開始する神戸、ラストパスを受けた汰木がシュート(枠外)と、神戸のプレッシングを前に決壊寸前にまで追い込まれます。

そして14分、GK前川のロングフィードを大迫が(ヘッドで合わせた末に)収めるという、キムゴンヒ1トップの札幌に対し見せ付けるかのようなプレーから絶好機を作る神戸。
そして彼のミドルパスを受けた佐々木がエリア内を突いて右足でシュート、GKクソンユンに足でセーブされるも、跳ね返りをすかさず左足で再度シュートに持っていった佐々木。
ゴールネットを揺らし、貴重な追加点を齎します。

その後の17分に神戸・吉田孝行監督も動き(といっても、得点前に準備はしていた模様)、汰木と飯野に代えてジェアン・パトリッキと菊池を投入。
守備固めとカウンター要員を補充します。(菊池がセンターバックに入り、山川が右サイドバックへシフト)
もはや前への圧を強めるしかない札幌、その直後に左→右へのサイドチェンジから、金子奥からクロス→青木ヘディングシュート(枠外)と何とかゴールを狙い。
しかしその必死さを嘲笑うかのように、神戸のショートカウンターは衰える事無く。
20分に大迫のプレスバックでボール奪取して中央から直線的にボールを運び、武藤のラストパスからパトリッキがシュート。
ボールは岡村のブロックに当たりゴールバーを直撃と、冷や汗を掻く札幌。
しかもこの流れで大迫にチャージされて痛んだ荒野が続行不可能となり、交代を余儀なくされる事となります。(小林と交代、同時に宮澤→中村へと交代)

ボランチ2枚を同時に代える事を余儀なくされた札幌、以降システムも変則的なものとなり。
守備時は小林1ボランチの5-3-2へと変え、ウイングバック(金子・菅)のどちらが最終ラインに降りるかが不透明といったシステムに。
さらに26分に浅野→中島へと交代した事で、2トップ色を強めてイレギュラーなこの布陣を補強しに掛かります。(次第に菅の方が降りる事が定着)
一方の神戸もその間に、24分に大迫・佐々木→大﨑・泉へと2枚替え。
齊藤が大迫の居たFWへシフトするという、あくまで運動量の担保を重視した策を採ります。

一向に神戸のプレスに難儀し、得点の機運が高まらない札幌。
それを尻目に幾度も際どい好機を演出したのは神戸で、34分には左コーナーキックから、キッカー初瀬のファーサイドへのクロスがエリア内へこぼれ。
すかさず大﨑がゴール前へ送り、中央で泉が合わせたものミートしきれず、ボールはゴールに向かわずGKクソンユンの正面へ。
37分には齊藤のボール奪取から持ち運んで右からクロス、ニアサイドで武藤がフリックに近い形でのヘディングシュート、GKクソンユンが辛うじて弾いた末に左ポストを叩き。

札幌は反撃の狼煙どころか、まだまだやられそうという試合展開。(43分に菅→スパチョークへと交代、これで4-4-2へとシフトか)
そしてその通りの結果が叩き出されたのが44分で、既に集中力も喪失していたのか、左サイドからのスローインを齊藤と見せかけてパトリッキがハーフレーンで受けた事で勝負あった感があり。
こぼれ球となるも武藤がエリア内へと繋ぎ、走り込んで受けた山口がシュートして仕上げ。
決定的な3点目を挙げた神戸。

直後に武藤→扇原へと交代し、扇原がそのままFWに入る事で前線も守備重視の布陣を敷く神戸。(パトリッキが齊藤と入れ替わってFWに回る)
少ない残り時間で、札幌はスパチョークの推進力を押し出して攻め上がり、何とか1点を取りにいく体制に。

その中で神戸は初瀬が足を攣らせてしまい、交代も出来ない中で扇原とポジションを入れ替える策を採ります。
しかしこれが綻びとなり、札幌は金子が右サイドを抉る攻撃を仕掛けた所、それを防ぎにいった扇原が金子を倒してしまい反則。
その場はエリア内という事で札幌にPKが与えられ、金子がドリブルしたボールはゴールラインを割るのが濃厚だっただけに、まさに余計な反則となってしまった神戸。
そしてこのPKは金子が自ら蹴りにいき、左隅を狙ったシュートはGK前川が横っ飛びで触れるもゴールイン。
1点を返した札幌ですが、反撃もここまで。
その後神戸がキックオフから泉が右サイド奥へと運んで時間を使った末に、試合終了の時を迎えました。

内容的にも完敗といった札幌。
神戸のやり口(シーズン前から吉田監督はデュエル・トランジション重視のサッカーを標榜に掲げていた)や、近年のJリーグのトレンドから考えても、その対応力の乏しさに危機を抱くような試合であり。
瀬戸際に立たされたかのようなミシャ氏のサッカーですが、打開策は生み出されるのでしょうか。


DAZN観戦 2023年J1リーグ第1節 セレッソ大阪vsアルビレックス新潟

2023-02-20 16:01:10 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

今年もやってきた開幕戦。
しかし前日、フライデーナイトゲームとしてマリノスvs川崎が先んじて開催されたとあり、高揚感は既に体験済み(各サポーターを除く)といった所でしょうか。

セレッソは前年も上位をキープ(5位)と、一昔前の「優勝争い→J2降格」というサイクルからは完全に脱した感があり。
それでも危機的要因は常に付きまとうものであり、一昨年シーズン途中に敢行した小菊昭雄監督就任は、土台の部分つまりユースを揺るがす事象となり得。
トップチームが安定感を保つ傍ら、小菊氏の居なくなったユースチームは前年プレミアリーグから降格という一敗地に塗れる事となりました。
今季は開幕直前に、香川が海外から復帰というビッグニュースが舞い込んできたものの、一歩間違えれば頭でっかちの状況に陥りかねないシーズン。
開幕戦の相手は、前年J2優勝を果たして昇格してきた新潟。

正GKキムジンヒョンが離脱中とあり、傍らから見ると最後尾からの組み立てという面で若干不安を覚えるセレッソ。
この日GKに入った清水、立ち上がりこそフィードが直接タッチを割るミスとなるも、続く前半2分にはロングフィードをレオ・セアラが落としてそこから好機に繋げ。(右サイド手前からジョルディ・クルークスがクロス)

しかし相手は昇格組とはいえ、後方からの組み立てという面では既に一級品に磨かれたクラブである新潟。
そのビルドアップをどう阻みにいくかという課題を常時突き付けられる事となったこの日のセレッソ。
セアラ・北野の2トップとはいえ、常時縦関係のようなこの日の特徴。
守備時はセアラが第一プレッシャーを掛け、北野は新潟ボランチの前で構え、パスを出された所に寄せていくスタイル。
攻撃時では、北野が降りてポストワークを務める傍らでセアラは常時最前線という具合に、ハッキリとした役割分担が主となりました。

5分の新潟のファーストシュート(高のボール奪取から繋ぎ、島田のミドルシュート・ゴール上へ外れ)然り、入りは新潟の繋ぎに対し苦戦が見られたセレッソ。
それでも6分に新潟が左サイドで繋がんとした所に圧縮して人数を掛け、北野が奪ってショートカウンター。
その北野がスルーパスを受けてエリア内右を突く好機となります。(シュート気味に速いクロスを入れるもブロック)
プレッシングで有効打を与えると、以降新潟は逃げのロングパスが目立ち始めリズムを作れず。
特に右へと開いてパスを受けた舞行龍ジェームズに対し、北野が中央からチェイスを掛けるやあっさりとロングボールを蹴る舞行龍というシーンが以降定番化する事となります。

後は攻撃の流れを作りたいセレッソ。
右サイドでは新加入のクルークス・左サイドでは山中というクロッサー(とは言いつつもクルークスの方は逆足ですが)が揃う布陣ながら、それが逆に手前からのクロスに終始して攻撃時間が短くなりがちといった立ち上がり。
しかし手前からクロスを供給する体勢を取るクルークスに対し、サイドバックの毎熊がハーフレーンでオーバーラップするという姿勢を見せ始めると攻撃は流動化していきます。
21分、右ワイドで受けたクルークスがエリア内右へスルーパスを送り、走り込んだ毎熊がグラウンダーでクロス。
新潟・舞行龍が足を延ばして触れるも、コースが変わった所を為田が合わせシュート。
決まったと思われた流れでしたが、走り込みながらの為田のシュートはふかしてしまい先制はなりません。

J1さながらの寄せの速さ・強さに苦しみ、劣勢を強いられる新潟。
しかし続く22分、GKからの組み立てでここも千葉がロングパスを選択するも、ターゲットの三戸が落としたボールを中央で谷口が拾い。
するとスルーパスを受けた伊藤が左ハーフレーンを持ち上がり、エリア手前まで前進して右へ横パスを送ると、走り込んだ谷口がシュート。
ゴール左へと突き刺し、ピンチの後にチャンスありという格言を先制点に結び付けました。
この場面もロングボールを選択せざるを得なく、中央にこぼれたのも三戸の働きあってのものでしたが、相手の寄せの速さを逆手に取ったのは見事。

先手を取られたセレッソ、以降は左サイドでの組み立てを目立たせ。
26分にクルークスから右サイドで前進すると見せかけ、中央から原川のロングパスで一気に左サイド奥へ。
その後新潟の自陣深めでのスローインとなるも、投げられたボールを直接カットして好機、エリア内左で受けたセアラがシュート。
ブロックののちクリアされるも、中央で拾った毎熊がミドルシュートを放ち、ゴール上へ僅かに外れと新潟ゴールを脅かし。

J1らしい実力を見せ付けたのち、迎えた28分でした。
再び左サイドから攻め上がり、為田のスルーパスから走り込んだ山中がクロス。
これは逆サイドに流れるも、拾ったクルークスから再度クロスが上がると、ファーサイドでヘディングで合わせたのは為田。
今度は見事に決めきり、汚名返上とばかりに同点弾を生み出しました。

振り出しとなり、先制点以降消極的だった新潟も再びやらねばならない展開に。
34分には敵陣右サイドで高がボール奪取、パスを受けた谷口がエリア内を突きシュートを放つもGK清水がセーブ。
その後もポゼッション・ハイプレスから好機を作らんとしますが、繋ぎの部分でミスが目立つ事となります。
36分にパスミスで奪われて攻守交替、クルークスのスルーパスを経て右サイド奥で組み立てるセレッソ。
ここはシュートには持ち込めずも、41分には舞行龍のトラップミスをセアラに掻っ攫われ、あろう事かGKと一対一に持ち込まれる事態に。
ここはセアラもエリア内でコントロールを誤り、GK小島がブロックしてシュートを阻み、何とか凌ぎます。

結局バタバタした印象を残すのみとなった同点以降の新潟。
そんな相手の隙を突きたいセレッソ、44分に再び敵陣でのボール奪取から、北野のミドルシュートを炸裂させるもGK小島のファインセーブに遭い決められず。
1-1のまま前半終了となります。
全体としては、新潟はやはりJ2時代のようにはいかず、ポゼッションは貫くものの攻撃機会は減少する事となり。(前半で新潟11度、セレッソ22度・自分の集計です)

共に交代は無くハーフタイムを過ごし、迎えた後半戦。
やり返したい新潟に対し、あくまで大人のサッカーを貫くセレッソ。
後半2分、最終ラインからのビルドアップを阻みにいく新潟ですが、それをセレッソが上回り。
右サイドからの毎熊のパスの直前で、中央で伊藤に付かれていた原川が一瞬前に出て外し、そしてパスを受ける巧みな動きで剥がしを見せます。
その後縦パス→セアラポストプレイを経て、左サイドで山中を走らせるスルーパスを送るも繋がらず。

格上らしい振る舞いで相手の気勢を削ぎにいったセレッソですが、個人の気勢まではコントロールできなかったでしょうか。
5分に北野が新潟・舞行龍のチャージを受け、痛んで倒れ込んでしまい。
この場面では下がって受けた北野に対し食い付いた舞行龍、その後必死でルーズボールを追い掛けた両者により起こったものであり。
いかにも舞行龍らしい気勢の激しさが生んでしまった感じでしたが、その傍らでマテイ・ヨニッチも痛みを見せてしまうセレッソ。(原因は不明)
北野は無事に起き上がるも、スパイクを脱いだヨニッチは一旦ピッチ外で治療を受ける事となります。

そのヨニッチは9分にピッチへ復帰。
数的優位の間も有効打を放てなかった新潟ですが、10分にカウンターで好機。
セレッソが攻め込むもエリア内へのパスが繋がらず、拾った舞行龍からミドルパス、谷口ポストプレイ→高→三戸と繋いで三戸のドリブルに繋げ。
そして藤原のクロスがブロックされてコーナーキックと、ようやくこの日初のCKをゲットした新潟。(セレッソはこの時点で2本)

これを機に押し返しを見せる新潟。
元来ベクトルが前に向きがちな舞行龍は、15分に敵陣右サイドでこぼれ球を拾うとそのまま攻撃参加、島田のスルーパスに走り込んで最奥からクロスを入れるというセンターバックらしからぬ姿も見せ。

前半はセレッソのプレッシングを受けるうちに、次第に伊藤がボランチの位置に降りてきて出口役となる動きを採り始め。
しかしそれが伊藤をチェックするセレッソ・奥埜の前進をも誘発する事となり、その奥埜にパスカットされ阻まれるというシーンが目立っていた新潟のビルドアップ。
伊藤がトップ下の位置で我慢しつつ、他選手で運ぶという流れをどれだけ作れるかがカギといった展開で、この時間帯はそれが果たせていたでしょうか。

円滑なパスワークの流れを築いた新潟、18分には敵陣でMF陣の繋ぎを経て高がエリア内へ縦パス。
小見が受けるもクリアされ、さらにこぼれた所を拾った三戸がミドルシュートを放ちましたがGK清水のセーブに阻まれ。
20分にも再び高の敵陣でのボール奪取から好機、エリア内左で小見がマイナスのカットインを経て中央からシュート(GK清水キャッチ)とフィニッシュを重ねます。
押され始めたセレッソも、続く21分に北野のスルーパスで毎熊が抜け出し、エリア内右からシュート(右サイドネット外)と脅かしを見せ。
フィニッシュの応酬という空気になった所で、双方ベンチが動き。
セレッソは北野→加藤へと交代、新潟は谷口・小見→鈴木孝司・松田詠太郎へと交代します。(三戸が左サイドハーフへシフト)

2トップの一角が代わったセレッソですが、加藤がポストワークを務めるというセアラとの関係性は変わらず。
それを強引に変えるかのように、25分に再び動くセレッソベンチ。
香川の投入に踏み切りセアラと交代(同時に原川→鈴木徳真へと交代)、香川がトップ下を務める4-2-3-1へとシフトします。

既に新潟の前へのベクトルを受けながらも、セレッソサイドのビルドアップが冴え始めるという時間帯へと移行しており、ヨニッチのパス出しを軸として右サイドで攻め上がり。
新潟サイドの激烈なポゼッション程見栄えはしないとはいえ、相手に容易に奪わせない程度の繋ぐ能力は備わっているセレッソ。

そうして新潟の気勢を削いだうえで迎えた30分、右サイドから一旦GKまで戻ったのち、清水のフィードで手薄な左サイドへ。
これをワイドの山中が落とし、さらに為田が落としたボールを受けた香川、スルーパスで(為田に)食い付いた舞行龍の裏を綺麗に取って好機となります。
そして山中の低いクロスが上がり、ニアサイドの加藤には合わずも、クリアが小さくなった所を奥埜が後方から走り込んでシュート。
ゴール左へと突き刺さり、貫禄ともいうべき勝ち越し点を挙げたセレッソ。

新潟は食い付いた舞行龍がセレッソの為田・香川の2人と対峙するような形を強いられた時点で勝負ありといった感じで、追い掛ける立場となり。
32分に伊藤が敵陣でパスカットしてそのまま持ち上がり、エリア手前で右へ展開。
そして松田詠の奥からのマイナスのクロスに合わせシュートしたものの、枠外となり同点ならず。
中心的存在として苦境を跳ね返さんとする伊藤。
直後に藤原・島田→新井・秋山へと2枚替えした新潟ベンチ。

中盤で密度を高めつつ、何とか好機を窺う新潟。
そして左サイドから持ち上がりクロスに繋げ、CKを獲得したのが34分。
この右CK、キッカー伊藤のクロスを中央ややニア寄りで合わせたのは千葉。
ヨニッチとの競り合いを制したヘディングシュートがゴール右へと吸い込まれ、GK清水のセーブも及ばずゴール。
起死回生というべきセットプレーからの一撃で、再び同点とします。

36分にセレッソは最後の交代、クルークス・山中→中原・舩木へと2枚替え。
しかしその直後に新潟がパスミスを拾っての好機を作り(三戸がエリア内左からシュート・枠外)、追い付いた方の勢いは止まらない、という流れになりつつあり。
しかし39分にセレッソが毎熊のパスカットからCKを得ると、新潟ベンチも最後の交代。
堀米に代えてトーマス・デンを投入、最終ラインに高さを補充する形を採ります。(新井が左SBへとシフト、全体の布陣は変わらず)

相手の一撃を防がんと最善の策を採った、というような新潟のベンチワーク。
それが奏功したか、以降セレッソを抑え込んで勝ち越しを狙うという流れを固定化させます。
45分には最後方からのビルドアップで、千葉が新井とのワンツーでプレッシングをかわして前進。
そして降りてパスを受けた鈴木孝がスルーパス、三戸が裏を取るもGK清水の跳び出しでクリアされ実らず。
劣勢は否めなくなってきたセレッソ、アディショナルタイムでは新潟・鈴木孝に反則を犯した毎熊が、異議により警告を受ける等イライラを隠せない展開に。

そしてそのAT、決定機を迎える新潟。
左サイド手前から三戸のクロスが上がると、中央の鈴木孝の奥で、松田詠がフリーでボレーシュート。
しかしGK清水のセーブに阻まれ、値千金の勝ち越し弾とはなりませんでした。
その後セレッソも毎熊のボレーシュートが生まれる(枠外)も、お互い決められずに試合終了の時を迎え。
2-2で勝ち点1を分け合う結果となりました。

スコアが示す通り、手応えと課題は半々といった感じの新潟のJ1復帰初戦。
今後は相手の強度次第でどうにもならなくなる日もあるでしょうが、その時にも軸となるスタイルはブレる事無く挑んで貰いたいものです。