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DAZN観戦 2023年J1リーグ第2節 北海道コンサドーレ札幌vsヴィッセル神戸

2023-02-28 16:01:02 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

自分の地元である札幌は今季どうなっているのか、という僅かばかり残っている帰巣本能を下に視聴。

前年はミハイロ・ペトロヴィッチ監督(以下ミシャ)就任以降、初と言ってもいい残留争いを強いられる破目となった札幌。
終盤に8戦5勝(1敗2分)という帳尻合わせ駆け込みぶりで、最終的な順位は10位に落ち着いたものの、サッカーの内容も年々劣化していっている節があり。
そんな中で6年目のシーズンを戦う事となったミシャ氏ですが、果たしてここから劇的なV字型回復を臨めるかどうか。

ホーム開幕戦という節目の試合ながら、いきなりの前半1分に満たないうちから、パスミスで相手の神戸にチャンスメイク。
汰木左サイドをドリブル→手前からクロス→大迫フリック→武藤ボレーシュート(枠外)と流れるようにフィニッシュに持ち込まれ、早くも暗雲漂う札幌ドーム。

その後は、前年からの特徴である「右ウイングバックの金子に良い形でボールを持たせる」その後は金子が何とかするサッカーで何とかペースを握らんとする札幌。
2分にGKクソンユンが金子に向かってロングフィードを送り、跳ね返りをダイレクトで繋いだ末に金子にボールが渡り。
金子は中央へ向かってドリブルののち左へパス、受けた菅がミドルシュート(ブロック)と、こちらも最初の攻撃をフィニッシュに結び付ける事に成功します。
近年はプレッシング・トランジションの激烈ぶりが際立っているJ1リーグ、この試合でも例外では無く、神戸の素早い寄せと囲みに対し満足にボールを握る事が出来ない札幌。
よって消極的ながらも、フィード一本から何とか攻撃に繋がんとする姿勢は納得できるものであり。
5分には岡村が最終ライン裏へロングパス、抜け出して受けた青木がシュートを放ち、見事ゴールネットを揺らしたもののオフサイドでノーゴール。

しかしその姿勢がエラーを招く事となります。
9分の札幌、最終ラインで神戸のプレスを何とかかわし続け、GKクソンユンが左へフィード。
これが綺麗に福森に渡ったものの、福森はボールキープを優先している間に神戸の寄せを受け、戻りながら宮澤とのパス交換を強いられた末に武藤に奪われる事態となり。
そしてショートカウンターを浴び、大迫のエリア内右からのシュートがゴールに突き刺さる、実にあっけなく映る失点が生み出され。
早々に先制点は神戸に入る事となりました。

ミシャ氏のチームらしからぬ、あっさりとしたビルドアップの失敗を披露してしまった札幌。
チーム力の向上は果たされていないのでは……という疑問が浮かぶ中試合は再開されます。
直後の10分、札幌の攻撃は右サイドから田中駿が斜めの縦パスを送り、青木ポストプレイ→宮澤→菅ロビング(すべてダイレクト)と、ダイレクトパスの連続でエリア内までボールを運び。(荒野が走り込むもGK前川キャッチ)
相手のプレッシングの激しさを前提としてのボール運びは、この場面のようにダイレクトプレイを交える事が必須条件であり。
しかしそれはボールコントロールが難しくなるものでもあり、普段から道筋を示していない、即興のアイデアでやるしか無い状況ならば尚更です。
この攻撃は結局フィニッシュまでいけず、以降は特に見栄えする運び方も無く時間を費やしてしまったこの日の札幌。
良く言われる「選手に自由を与え、選手自身が状況状況で考えて……」という不可解な方法論、そんなドツボに嵌ってしまっているのでしょうか。

一方優勢に運ぶ神戸も、攻撃面ではロングボール中心で、かつGK前川のフィードが直接タッチを割るシーンが目立つ状況では今一つ。
大迫をターゲットにするか、彼を囮として他選手(主に佐々木)が裏抜けを図るかの二択といった感じで、以前の「バルサ化」のイメージは何処にも見受けられず。

何とか誤魔化しつつ、チャンスに辿り着くしか方法が無いといった札幌。
14分には再びクソンユン→福森へのフィードから始まり、左サイドでの繋ぎから福森のサイドチェンジで金子にボールが渡ると、細かいタッチでの切り込みで右ポケットを突いてクロス。
ディフェンスに当たりこぼれた所を青木が拾って継続、そして後方から走り込んだ宮澤がシュートするも、ふかしてしまい枠外に。
前半で最も可能性があったのはこのシーンだったでしょうか。

次第に札幌サイドも神戸の激しいサッカーに応戦体勢を採り、何度も激しい奪い合いが発生。
しかし前回観た千葉vs山形と決定的に違うのは、お互い攻撃の形がままならない状況故に、奪い合いに活路を見出すしかないといった感じの試合絵図だったでしょうか。

こうした状況では、ビハインド故に札幌の方にフラストレーションが溜まりがちとなり。
30分過ぎ辺りから、ハイボールの競り合いで何度も反則を犯してしまい、その度に主審の判定にも不満を抱く素振りを見せる札幌選手。
39分にはとうとう、山川に対しチャージした荒野が反則・警告を受ける等、一向に逆転への雰囲気は高まらず。
スタンドのサポーターも、神戸が最終ラインでボールを持つたびにブーイングを浴びせる等、それに加担してしまった節がありました。

その隙に乗じたい神戸、42分には再び札幌の反則(田中駿が汰木の入れ替わりを倒してしまう)で、左サイドからフリーキックの好機。
キッカー汰木はファーサイドへ高いクロスを送り、エリア外へこぼれた所を山口がダイレクトで対角線のミドルパス。
これをエリア内左で収めた武藤がシュートにいく決定機となるも、ボールはミートせず力弱くポストを叩き、それをGKクソンユンが抑えてゴールはなりません。
結局神戸サイドも止めを刺せなかったという展開で、0-1のまま前半を終えました。

この日は荒野の1トップというスタートの布陣だった札幌。
それにより前線のプレッシングも荒野が神戸のボランチを切り、最終ラインには浅野・青木の2人が前に出てプレッシャーを掛けるという、いかにもアンバランスさが伺えるような方法を採っており。
しかしハーフタイムにベンチが動き、キムゴンヒを投入(馬場と交代)して1トップに据えます。(荒野は馬場が抜けたボランチへシフト)

反撃体制を整えて迎えた後半、その2分に好機が到来。
一旦途切れた攻撃を右サイドで田中駿が縦パスをカットして継続、キムゴンヒのエリア内右へのダイレクトパスを浅野が受け、そのまま奥に切り込んでマイナスのクロス。
ディフェンスに当たった所を同サイドで金子がシュートとほぼ良い流れを作りましたが、シュートはゴール上へ外れてしまい同点ならず。

その後も攻め続ける札幌。
1失点目の逆起点となってしまった福森は、左足のフィードに拘りを見せる事が逆に愚直さを醸し出している節がありましたが、7分には宮澤のパスを右足ダイレクトで最終ライン裏へフィードを送る変節ぶりを見せ。
いくらスペシャリストといえど、プレーの幅を広げなければ現代サッカーでは通用しないといった暗示のシーンだったでしょうか。

それでも次第に息切れし神戸ペースに移り変わったのは、地力で劣るためか、ないしは神戸に目下リーグ戦6連敗中というジンクスの所為なのか。
トップに入ったキムゴンヒも、サイズの割には先程のパスのシーン宜しく足下でのプレーに巧さが見られるタイプであり、ロングボール攻勢で優位に立つという事も出来ず。
それ故ビルドアップに活路を見出すしかないのですが、11分には田中駿のコントロールミスを汰木に拾われて危機を招き、大迫のエリア内への突撃からのこぼれ球を武藤がシュート。(枠外)
13分にはまたもパスミスを大迫が掻っ攫いアタッキングサードから攻撃開始する神戸、ラストパスを受けた汰木がシュート(枠外)と、神戸のプレッシングを前に決壊寸前にまで追い込まれます。

そして14分、GK前川のロングフィードを大迫が(ヘッドで合わせた末に)収めるという、キムゴンヒ1トップの札幌に対し見せ付けるかのようなプレーから絶好機を作る神戸。
そして彼のミドルパスを受けた佐々木がエリア内を突いて右足でシュート、GKクソンユンに足でセーブされるも、跳ね返りをすかさず左足で再度シュートに持っていった佐々木。
ゴールネットを揺らし、貴重な追加点を齎します。

その後の17分に神戸・吉田孝行監督も動き(といっても、得点前に準備はしていた模様)、汰木と飯野に代えてジェアン・パトリッキと菊池を投入。
守備固めとカウンター要員を補充します。(菊池がセンターバックに入り、山川が右サイドバックへシフト)
もはや前への圧を強めるしかない札幌、その直後に左→右へのサイドチェンジから、金子奥からクロス→青木ヘディングシュート(枠外)と何とかゴールを狙い。
しかしその必死さを嘲笑うかのように、神戸のショートカウンターは衰える事無く。
20分に大迫のプレスバックでボール奪取して中央から直線的にボールを運び、武藤のラストパスからパトリッキがシュート。
ボールは岡村のブロックに当たりゴールバーを直撃と、冷や汗を掻く札幌。
しかもこの流れで大迫にチャージされて痛んだ荒野が続行不可能となり、交代を余儀なくされる事となります。(小林と交代、同時に宮澤→中村へと交代)

ボランチ2枚を同時に代える事を余儀なくされた札幌、以降システムも変則的なものとなり。
守備時は小林1ボランチの5-3-2へと変え、ウイングバック(金子・菅)のどちらが最終ラインに降りるかが不透明といったシステムに。
さらに26分に浅野→中島へと交代した事で、2トップ色を強めてイレギュラーなこの布陣を補強しに掛かります。(次第に菅の方が降りる事が定着)
一方の神戸もその間に、24分に大迫・佐々木→大﨑・泉へと2枚替え。
齊藤が大迫の居たFWへシフトするという、あくまで運動量の担保を重視した策を採ります。

一向に神戸のプレスに難儀し、得点の機運が高まらない札幌。
それを尻目に幾度も際どい好機を演出したのは神戸で、34分には左コーナーキックから、キッカー初瀬のファーサイドへのクロスがエリア内へこぼれ。
すかさず大﨑がゴール前へ送り、中央で泉が合わせたものミートしきれず、ボールはゴールに向かわずGKクソンユンの正面へ。
37分には齊藤のボール奪取から持ち運んで右からクロス、ニアサイドで武藤がフリックに近い形でのヘディングシュート、GKクソンユンが辛うじて弾いた末に左ポストを叩き。

札幌は反撃の狼煙どころか、まだまだやられそうという試合展開。(43分に菅→スパチョークへと交代、これで4-4-2へとシフトか)
そしてその通りの結果が叩き出されたのが44分で、既に集中力も喪失していたのか、左サイドからのスローインを齊藤と見せかけてパトリッキがハーフレーンで受けた事で勝負あった感があり。
こぼれ球となるも武藤がエリア内へと繋ぎ、走り込んで受けた山口がシュートして仕上げ。
決定的な3点目を挙げた神戸。

直後に武藤→扇原へと交代し、扇原がそのままFWに入る事で前線も守備重視の布陣を敷く神戸。(パトリッキが齊藤と入れ替わってFWに回る)
少ない残り時間で、札幌はスパチョークの推進力を押し出して攻め上がり、何とか1点を取りにいく体制に。

その中で神戸は初瀬が足を攣らせてしまい、交代も出来ない中で扇原とポジションを入れ替える策を採ります。
しかしこれが綻びとなり、札幌は金子が右サイドを抉る攻撃を仕掛けた所、それを防ぎにいった扇原が金子を倒してしまい反則。
その場はエリア内という事で札幌にPKが与えられ、金子がドリブルしたボールはゴールラインを割るのが濃厚だっただけに、まさに余計な反則となってしまった神戸。
そしてこのPKは金子が自ら蹴りにいき、左隅を狙ったシュートはGK前川が横っ飛びで触れるもゴールイン。
1点を返した札幌ですが、反撃もここまで。
その後神戸がキックオフから泉が右サイド奥へと運んで時間を使った末に、試合終了の時を迎えました。

内容的にも完敗といった札幌。
神戸のやり口(シーズン前から吉田監督はデュエル・トランジション重視のサッカーを標榜に掲げていた)や、近年のJリーグのトレンドから考えても、その対応力の乏しさに危機を抱くような試合であり。
瀬戸際に立たされたかのようなミシャ氏のサッカーですが、打開策は生み出されるのでしょうか。


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