浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

続く土地強制収用

2005年07月16日 | Weblog
 パレスチナ自治政府内務省が発表した統計によると、今年2月の「停戦合意」以降、3月から6月末までの4ヶ月間で、パレスチナ側に46人の死者、462人の負傷者が確認され、1,249人がイスラエル軍又は警察に連行されています。  その間、イスラエル軍による軍事占領や封鎖は日常的に続けられ、「隔離壁」の建設も続いています。発表された数字を見ると、隔離壁の建設関連でイスラエルに強制収用されたパレスチナ農民の . . . 本文を読む

憎悪の連鎖の再開か

2005年07月16日 | Weblog
 イスラエル軍は15日、攻撃型ヘリコプター「アパッチ」を使い、ガザ地区と西岸地区をミサイル攻撃、これまでに分かっただけでも6人を殺害、10名以上を負傷させています。  これは、14日に行なわれた、パレスチナ急進派からの入植地攻撃に対する「報復」で、あくまでも「限定的攻撃」とイスラエル軍は発表しています。しかし、その入植地攻撃も、イスラエル軍のパレスチナ武装グループ活動家の拘束と殺害に対する「報復」 . . . 本文を読む

ブッシュ政権 対テロ国連決議案提出

2005年07月14日 | Weblog
 ロンドンの同時多発テロの残酷な映像が消え去らぬ中、米政府は13日、国連安全保障理事会に「アル・カーイダ」などの急進派組織に対する対策の強化を求める決議案を提出しました。  安保理は「9.11」後、オサマ・ビン・ラーディン氏率いるアル・カーイダやそれを「かくまう」アフガニスタンのタリバーン政権に対する武器取引禁止や旅行制限を取り決め、海外資産の凍結を各国に呼びかけました。  米政府はそれらの措置が . . . 本文を読む

イスラエルで自爆攻撃 多くの死傷者

2005年07月13日 | Weblog
 イスラエルのナターニアの商店街で12日夜、18歳のパレスチナ人が身体に巻きつけた爆弾を爆発させました。これまでに分かっているだけでも3人のイスラエル人が死亡、多くの負傷者が出ています。ナターニアは地中海沿岸に位置する都市で、ヨーロッパ風のレストランや店が立ち並んでいます。これまでにもディスコなどが自爆攻撃されています。  今年2月のイスラエルとパレスチナ両政府による停戦合意は、これまでなんとか保 . . . 本文を読む

入植地に武装攻撃

2005年07月07日 | Weblog
 パレスチナのイスラーム急進組織「イスラミック・ジハード」は6日、実行部隊がガザにあるイスラエル入植地「モラグ」に攻撃をかけ、任務を遂行したと発表しました。声明の中で、同グループは、任務の内容というか作戦の目的は明らかにしていません。ただ、実行部隊がイスラエル軍の反撃に遭い、1人が死亡、2人が負傷したと認めています。  一方、イスラエル軍は、“テロリスト”の攻撃があったものの、防護フェンスを超える . . . 本文を読む

平和活動家の狙撃に有事判決

2005年07月02日 | Weblog
 2年前のことですから今日ご紹介する事件については皆さんの記憶に残っていないかもしれません。その事件とは2003年4月、ガザのラファで一人の英国人青年がイスラエル狙撃兵の放った銃弾で植物人間になり、9ヶ月後に死亡した事件です。青年の名はトム・ハーンドール。22歳でした。そのトムを殺したイスラエル兵に対してイスラエル軍事法廷は今週になってようやく殺人罪で有罪との判決を下しました。  トムはイスラエル . . . 本文を読む