おはようございます!あるくべきのふみです!朝晩寒いけど、日中暖かいですね。ちょうど良い時間帯にしっかり歩き氷冷しましょう♪
女性の疾患として、よく聞かれるのが、甲状腺疾患です。最近お話した産後の方から、橋本病で妊娠出産したという話を聞き、まとめてみました。
橋本病は慢性甲状腺炎ともいい、その名の通り、甲状腺に慢性の炎症が起こる病気です。
通常、炎症は、体に侵入してきた細菌やウイルスなどに対して体が起こす防御反応で、発熱、はれ、痛みなどの症状が出ることをいいます。
しかし、橋本病は、細菌やウイルスの感染とは関係なく、甲状腺に対する自己抗体ができて、その自己抗体が甲状腺だけを徐々に破壊していく、自己免疫疾患です。
血液の中に自己抗体が存在していても、甲状腺が本来の甲状腺機能が保たれている限りは、特に症状では出てきません。
甲状腺機能が正常値の橋本病は、全体の70%を占めます。橋本病の炎症には、通常の炎症にともなう発熱や痛みなどはありません。つまり、病気があることに気づかないままに過ごしている人は多いと考えられます。
しかし、甲状腺ホルモンは新陳代謝を活発にするホルモンで、妊娠の維持、子どもの成長にも重要なホルモンなので、女性の妊娠出産に大きな影響があります。
甲状腺ホルモンが多すぎたり少なすぎたりする甲状腺機能異常になると、流産や早産、妊娠高血圧症候群などのリスクが高くなります。また、胎児にも影響が出る可能性があります。
出産後は、橋本病やバセドウ病が一時的に悪化することがあります。また、無痛性甲状腺炎が起こることもあり、全産後女性の20人に1人が、出産後、何らかの甲状腺機能異常が起こるといわれています。
この状態を、産後の肥立ちが悪いとか、育児ノイローゼとかんちがいしている人も多いようですが、もし症状がある人は、甲状腺機能の検査をしたほうが良いと思います。
甲状腺機能異常が起こる理由としては、もともと甲状腺の異常があった場合、妊娠・出産というストレスによって母体の免疫系が乱れ、甲状腺の細胞が破壊されて、甲状腺ホルモンが漏れ出てしまうためです。
甲状腺の細胞は、物理的に破壊されてしまうそうです。
その結果、甲状腺機能が約3カ月間一時的に上昇しますが、その後、甲状腺機能が低下して、多くは自然に機能が改善します。
さらに遅れて、出産後5~8カ月に発生する甲状腺ホルモン上昇は、バセドウ病の可能性が高く、抗甲状腺薬が必要となるそうです。
甲状腺機能の亢進と低下の話は勉強していても、実際にこんなに産前産後に関係している疾患だったとは、改めて知りました。日々勉強です!