もしもしっぽがあったなら。

ねぇ、いちよさん、
お客さんの言う事って
話半分くらいで聞いた方がいいよ。

「なんで？」

だってさー、うちらもこの前
イタリアン食べたじゃん？
うわっ、おいしー！！って
めっちゃ褒めて帰ったけど、
家で量が多いだの、遅いだの。
色々言う訳じゃん。
だからさぁ。



「それはそうだね。」

浮かれすぎないっていうか


「いや、それは私も思ってんだよ。
浮かれすぎないって大事だよね！！
それでもさ
「ありがとう、楽しかったー！」
って言ってくれたその
「ことば」に対して、
私は本当に喜んでいます！！
っていうのは伝えたいんだよねー。」

うん、そっか。



「別にそれがほんとじゃなくても、
私はあなたのことばが
ほんとうに嬉しいです。って」



「ありがとうございます！」って
お客さんに言う時って、初心なんて
とっくに忘れて仕事の一部になってる。
自分のなかで媚をうるためのことばに
なってるんだなとちょっと思いました。
なんであんな感情全開で話せるんだろ。
すごいなー。


犬ってさー、飼い主帰ってくると
しっぽ振って喜ぶんだけど、
それって好きになって欲しいから
とかじゃなくて、ただ
「帰ってきてくれてありがとー！！」
って純粋に喜んでるだけで。




いちよさんにしっぽがあったら
毎回ぶんぶん振ってるんだろうな。
自然に「ありがとう」と
言えるようになりたいなと思いました。　



「すごいでしょ？これがほや！」
毎日見てるのになんで
こんなに嬉しそうに話せるんだろ。

「わたしさ、初めてここの海に来たとき
めっちゃくちゃ感動したんだよね、
だから初めて来た人が何に感動するか
だいたいわかっちゃうんだよね。」


時にはどや顔で。
それに自分自身の事も
牡蠣の養殖の仕事も
家族のことも全て好きだし、
自信と誇りを持って生きてる。
そこがすげーかっこいいです。
そう、なんだりかんだり言って
海,自分,会社,やっさん全て好きなの。


僕はいつまで経っても
「あぁ、やんたくなる！！
（やんなっちゃう）
どうせ鮨握れる人なんて
沢山いるし」って思ってるし
今もただ、いちよさんや
からくわの人たちがちょっとは
ウェルカムな感じだから
ここに居られるだけで。

そんなことを来たときから
ずっと思ってます。

それでこの前、東京に帰ったとき、
学生時代の友だちよっちゃんに
整体してもらった帰りに。


「この前来てくれてありがとね。
俺さー今は楽しく仕事できてるけど、
それはもういちよさんのおかげでさー。
他の場所に行ったら全然
自信ないんだよね。「僕には無理だよ」
っていうのがいっつもどこかにあって」



「いつかさ、唐桑にいられなくなる
こともあるかもしれないじゃん。
そん時にたらちゃん（僕のあだな）がさ
自分の価値をわかってて、自信と
誇りを持って仕事できたらいいよね」

そう！そうなの！！
そうなんだよなー。
車の中で涙こらえるの必死だったわ。

仮にずっとここに居たとしても
いちよさんとやっさんの方が
先に死ぬ確率の方が高いし。


「いちよになる！」って思うと
それは絶対なれない。
「どんだけ憧れてても
その誰かにはなれない」
それがこの10年働いてわかった
大切な事のなかの一つなので。

「自分は自分のままで
いいところを取り入れてく」
って考えにしてやっていこうと
思ってます。


（facebookでこれ載せると「いちよに
タグ付けしますか？」ってなる。
へへっ、いちよじゃないんだぜ？）

高村ちゃん。
いろいろあるけど、がんばろー！！



【やっぱりねぇ、俺サイコーに歌えてるよ、
ってぐらいの気持ちで、はじめて伝わる。
それをさ、「ちょっとすいません、
　すいませーん、ごめんねー」
って歌ったら、ふざけんなよってなるし。】
矢沢さん,言ってました。


そっかぁ、そんな気持ちでいたら
ふざけんなよって思われるのか。
でも、そう思っちゃうんだもん！！
どうしましょ。
ノーリがまだぁ、アーハッ！！
たーりないぜ、アーハッ！！