第2話 寄宿塾その2「「スイッチ」なんか、はいるんやん」
目次はこちらから。
少しずつ感想のメールも頂いて。
今までで、一番反響のある
インタビューになっています。
ありがとうございます。
きっと鳥取に届いているんだなー。
よかったら感想お待ちいています。
arinomamaki@gmail.com
今井たら竜介。
寄宿塾での「ひろしアワー」の話しから。
今日は少し長めです。時間あるときに。どうぞ。
シュート
ひとつちょっと。
「みんなにとっての自由ってなにかな?」
っていうのをみんなに聞いたりして。
たら
へえーー!!
シュート
「好きになんでもできる」とか
わーって意見をもらって。
じゃあ「これを読んでみない?」って
本を読んだりするやんか。例えば
「靴をそろえる自由」っていうのがあって。
たら
そんな自由があるんですか?
シュート
自由って、
ひとりにとっての自由もあるし
集団にとっての自由もあって。
暮らして行く中で、
気持ちよく暮らす自由ってどうなんかなー?
みんなが、靴を好き勝手、自由に脱いでいると、
自分がいざ履こうと思ったときに。
すごく不自由な状態になってる。
好き勝手に靴を脱ぐことは自由なんかな~?
って時間がちょっとあって。
たら
ええ。
シュート
「俺らは自由だけど、
好き勝手に生活しているんじゃなくて
共同生活で、みんなが気持ちいい状態で
生活していけたらより楽しいじゃなかな?」
なんて、振り返るような、気付きをしていったやんか。
ひろさん、答えは言わへんから
たら
「どう思う?」ってことを沢山ひろしアワーで。
シュート
そう。そういう時間が毎日、だいたい、
15分から20分くらいあるんよ。
でそういうとき、寝てる子もおるんよ。
たら
来たい子だけくるんですか?
シュート
一応みんなくるんよ。
来るけど、寝ているって状態もあって。
たら
はははは。
シュート
「今日は眠たいね。じゃあ目を閉じながら聞いててね」
っておおらかな感じなんだけど。
そういうのをずっと繰り返して行くと。
子どもらのなんていうかな、
「スイッチ」がはいる投げかけがあったりとか。
たら
「スイッチ」
シュート
なんかはいるんやん。
例えば馬って、絶対うそをつかない。
嫌なことは嫌って言うし、
人のことを認めたときはそれをやるし、
(馬の耳が乗り手の方向に向いてると集中している証拠なんだって。
「この人、信じてくれてるし、ちゃんと聞いとかな、あかん!!」
ことばを使わなくたって、会話はできるんです。)
たら
そうですね。
シュート
「この人はここの責任者やから言うこと聞いとこ」とか。
「この人、子どもだから、なにもせぇへん」とかじゃなくて。
馬って、自分自身が力をつければ絶対応えてくれるから。
あの、嘘初かない。だから朝のエサも
なんの疑いも無く信じきってる。
で、「それを、みんなに任せたい」って
たら
ああ、子ども達に。朝のエサを。
シュート
そうそう。「責任」が人を育てると思うやんか。
子どもでも。「あ、俺任されてるやん!!」って。
「俺らが行かんかったらエサあげる人おらんやん。」とか。
気付きがあるんよ。例えば蹄も状態が
悪かったりしたら、ヒロさんが削蹄する。
たら
それも「スイッチ」ですね。
シュート
「この馬はここがちょっと悪いねぇ。
じゃあもう少し馬房掃除の回数を増やそうか」
「ちょっとオガクズを厚めにいれようか」とか。
そういうやりとりをしていると。
「え、どうやったら治るん?」
「きれいにしたほうがいいん?」
聞いてくるやんか。「馬房掃除しろ」なんて言わへんねん。
もうそれだけで、子どもらが一生懸命馬房掃除するやんか。
やらされてるんじゃなくて。馬の足のことを考えたりとか、
いつも乗せてくれてる馬がそういう状態やってわかると
自然と一生懸命やるようになって。
朝も起きてくる。で、
からだ動かすとエネルギー湧いてくる。
たら
はい。
シュート
で、エネルギー湧いてくると、
だんだん馬乗るのも上手くなるやんか。
子ども達が。で、引き馬とかも、
中高生の寄宿生がやってたやんか。
たら
へー!!
シュート
中高生の子ども達が幼稚園の子どもたちに、
頼られて、馬に乗せてあげてたり。
キャンプにも寄宿生の子らおるんやけど。
たら
お世話をする、お姉さん、
お兄さんの係も担ってたんですね。
シュート
キャンプの子たちって
大阪とか遠方からくるから、
常時馬に乗れる子どもらじゃないんよ。
でキャンプッ子の一つのあこがれは
「馬に乗れる寄宿生ってめっちゃかっこいい!!」とか。
気付いたら引き馬とかポニトレとか
この牧場では出来ることが多いやんか。
たら
はい。
シュート
そのうち「将来は寄宿生になりたい!!」
って子どもらが一杯でてきたんよ。
たら
へえ!!
シュート
自分らは不登校してここに来てんのに、
昼夜逆転して、自信もなくしてたのに。
たら
しょうがないから来ているポジションなのに
憧れをもってもらえる存在に変わって行った。
シュート
そう。そういう状態が彼らのいろんな自信を取り戻す。
とにかく自信と誇りを取り戻す。
いろんな学校や家庭での関係のなかで自信をなくしてて、
自信さえ取り戻したら自らなにかやりたくなる。
たら
はい。
シュート
活力、気力とかでてくるから。
そんときにスタッフがおったら。適切に声をかけたり。
たら
見てくれて、認めてくれる人がいるっていいですね。
シュート
この牧場もヒロさんが体調を崩してから、
寄宿塾って家族として受け入れてたから、
責任もって受け入れられないから。
一旦お休みしたいって、
今休んでいる状態なんやけど。
たら
それは、ヒロさん体調崩す前は
ずっと続いていたことなんですか?
シュート
そうそう。この牧場も寄宿生と一緒に作ったんよ。
これも、これも。一緒に。
たら
いやー、これは思い出しますね。
「こいつと作ったなぁ」って。
シュート
で裏っかわに名前とか書いたら、それ見に行くやんか。
そういうのが、いいなって。あの馬房も、壁も、
大工さんに頼んでんねんけど、寄宿生も一緒に作って。
たら
シュートさんもここで覚えたんですか?大工しごと。
シュート
そうそうそう。やりながら。
で、プロも一緒にやる。ほんものに触れさせる。
ってこともヒロさんずっとこだわってたやんか。
音楽もほんものの生の演奏とか、大工仕事を間近で見るとか。
たら
素人にはできないところを見せる。
「憧れる大人」が周りにいるっていう状況を作る。
シュート
そうそう。将来やりたいこと無かった子らが、
それで大工になったやつもおるし。
中学卒業して弟子入りして、今も続けてる。
たら
はい。
シュート
大人になって帰って来てくれて。あの馬房の透明な扉。
たら
はいはい。見えます。
この扉
シュート
あれがなかってん、昔。
雨風きたら入ってくるからって話しをしてたら
「俺やるわ」って作ってくれたんよ。
たら
そうやって帰って来てくれる子もおるんですね。
シュート
そうそう。
帰って来てくれるね。
第二のふるさとやから、あいつらにとったら。
ヒロさんの葬式も勢揃いしたんよ。
たら
そのこどもたちは1年単位なんですか?
シュート
決まってない、4年おる子もおるし、数ヶ月で帰る子もおるし。
巣立ってったこは50人を越えるくらいかな。
一番多くても6人くらいしか、受け入れてなかったから。
たら
6人兄弟ってことか。
シュート
そうそうそう笑、
で優ちゃん(ヒロさんの奥様)とか、
スタッフ会わせたら十何人。
それが一つのテーブルを囲んで
一緒にごはんを食べる大家族みたいな。
それがこのカレッジでの寄宿塾のかたちだった。
たら
それが自分たちにとって調度いい人数だったんでしょうね。
シュート
そうやね。
カウンセラーもウッドデッキを作っていました。
「これ俺たちが作ったんだぜ。」
社会にでて、仲間をつくって。
自慢しに戻ってきて欲しいなー。
今日はここまで。
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よんでくれてありがとうございます。
どうしようもない不登校児が
ほかの子どもの憧れの的になり、
自分自身も憧れる大人に出会って
仕事を見つけて巣立って行く。
短くまとめると誰にでもできそうだけど。
とても簡単なことではないように思えます。
ポニーが担う役割、
しっかり見ている大人の役割
もっと聞いておけばよかったな。
また行くぜ。
大人が子どもを。子どもはポニーを
信じきっていたんだろうな、きっと。
すごくいい循環。
目次はこちらから。
少しずつ感想のメールも頂いて。
今までで、一番反響のある
インタビューになっています。
ありがとうございます。
きっと鳥取に届いているんだなー。
よかったら感想お待ちいています。
arinomamaki@gmail.com
今井たら竜介。
寄宿塾での「ひろしアワー」の話しから。
今日は少し長めです。時間あるときに。どうぞ。
シュート
ひとつちょっと。
「みんなにとっての自由ってなにかな?」
っていうのをみんなに聞いたりして。
たら
へえーー!!
シュート
「好きになんでもできる」とか
わーって意見をもらって。
じゃあ「これを読んでみない?」って
本を読んだりするやんか。例えば
「靴をそろえる自由」っていうのがあって。
たら
そんな自由があるんですか?
シュート
自由って、
ひとりにとっての自由もあるし
集団にとっての自由もあって。
暮らして行く中で、
気持ちよく暮らす自由ってどうなんかなー?
みんなが、靴を好き勝手、自由に脱いでいると、
自分がいざ履こうと思ったときに。
すごく不自由な状態になってる。
好き勝手に靴を脱ぐことは自由なんかな~?
って時間がちょっとあって。
たら
ええ。
シュート
「俺らは自由だけど、
好き勝手に生活しているんじゃなくて
共同生活で、みんなが気持ちいい状態で
生活していけたらより楽しいじゃなかな?」
なんて、振り返るような、気付きをしていったやんか。
ひろさん、答えは言わへんから
たら
「どう思う?」ってことを沢山ひろしアワーで。
シュート
そう。そういう時間が毎日、だいたい、
15分から20分くらいあるんよ。
でそういうとき、寝てる子もおるんよ。
たら
来たい子だけくるんですか?
シュート
一応みんなくるんよ。
来るけど、寝ているって状態もあって。
たら
はははは。
シュート
「今日は眠たいね。じゃあ目を閉じながら聞いててね」
っておおらかな感じなんだけど。
そういうのをずっと繰り返して行くと。
子どもらのなんていうかな、
「スイッチ」がはいる投げかけがあったりとか。
たら
「スイッチ」
シュート
なんかはいるんやん。
例えば馬って、絶対うそをつかない。
嫌なことは嫌って言うし、
人のことを認めたときはそれをやるし、
(馬の耳が乗り手の方向に向いてると集中している証拠なんだって。
「この人、信じてくれてるし、ちゃんと聞いとかな、あかん!!」
ことばを使わなくたって、会話はできるんです。)
たら
そうですね。
シュート
「この人はここの責任者やから言うこと聞いとこ」とか。
「この人、子どもだから、なにもせぇへん」とかじゃなくて。
馬って、自分自身が力をつければ絶対応えてくれるから。
あの、嘘初かない。だから朝のエサも
なんの疑いも無く信じきってる。
で、「それを、みんなに任せたい」って
たら
ああ、子ども達に。朝のエサを。
シュート
そうそう。「責任」が人を育てると思うやんか。
子どもでも。「あ、俺任されてるやん!!」って。
「俺らが行かんかったらエサあげる人おらんやん。」とか。
気付きがあるんよ。例えば蹄も状態が
悪かったりしたら、ヒロさんが削蹄する。
たら
それも「スイッチ」ですね。
シュート
「この馬はここがちょっと悪いねぇ。
じゃあもう少し馬房掃除の回数を増やそうか」
「ちょっとオガクズを厚めにいれようか」とか。
そういうやりとりをしていると。
「え、どうやったら治るん?」
「きれいにしたほうがいいん?」
聞いてくるやんか。「馬房掃除しろ」なんて言わへんねん。
もうそれだけで、子どもらが一生懸命馬房掃除するやんか。
やらされてるんじゃなくて。馬の足のことを考えたりとか、
いつも乗せてくれてる馬がそういう状態やってわかると
自然と一生懸命やるようになって。
朝も起きてくる。で、
からだ動かすとエネルギー湧いてくる。
たら
はい。
シュート
で、エネルギー湧いてくると、
だんだん馬乗るのも上手くなるやんか。
子ども達が。で、引き馬とかも、
中高生の寄宿生がやってたやんか。
たら
へー!!
シュート
中高生の子ども達が幼稚園の子どもたちに、
頼られて、馬に乗せてあげてたり。
キャンプにも寄宿生の子らおるんやけど。
たら
お世話をする、お姉さん、
お兄さんの係も担ってたんですね。
シュート
キャンプの子たちって
大阪とか遠方からくるから、
常時馬に乗れる子どもらじゃないんよ。
でキャンプッ子の一つのあこがれは
「馬に乗れる寄宿生ってめっちゃかっこいい!!」とか。
気付いたら引き馬とかポニトレとか
この牧場では出来ることが多いやんか。
たら
はい。
シュート
そのうち「将来は寄宿生になりたい!!」
って子どもらが一杯でてきたんよ。
たら
へえ!!
シュート
自分らは不登校してここに来てんのに、
昼夜逆転して、自信もなくしてたのに。
たら
しょうがないから来ているポジションなのに
憧れをもってもらえる存在に変わって行った。
シュート
そう。そういう状態が彼らのいろんな自信を取り戻す。
とにかく自信と誇りを取り戻す。
いろんな学校や家庭での関係のなかで自信をなくしてて、
自信さえ取り戻したら自らなにかやりたくなる。
たら
はい。
シュート
活力、気力とかでてくるから。
そんときにスタッフがおったら。適切に声をかけたり。
たら
見てくれて、認めてくれる人がいるっていいですね。
シュート
この牧場もヒロさんが体調を崩してから、
寄宿塾って家族として受け入れてたから、
責任もって受け入れられないから。
一旦お休みしたいって、
今休んでいる状態なんやけど。
たら
それは、ヒロさん体調崩す前は
ずっと続いていたことなんですか?
シュート
そうそう。この牧場も寄宿生と一緒に作ったんよ。
これも、これも。一緒に。
たら
いやー、これは思い出しますね。
「こいつと作ったなぁ」って。
シュート
で裏っかわに名前とか書いたら、それ見に行くやんか。
そういうのが、いいなって。あの馬房も、壁も、
大工さんに頼んでんねんけど、寄宿生も一緒に作って。
たら
シュートさんもここで覚えたんですか?大工しごと。
シュート
そうそうそう。やりながら。
で、プロも一緒にやる。ほんものに触れさせる。
ってこともヒロさんずっとこだわってたやんか。
音楽もほんものの生の演奏とか、大工仕事を間近で見るとか。
たら
素人にはできないところを見せる。
「憧れる大人」が周りにいるっていう状況を作る。
シュート
そうそう。将来やりたいこと無かった子らが、
それで大工になったやつもおるし。
中学卒業して弟子入りして、今も続けてる。
たら
はい。
シュート
大人になって帰って来てくれて。あの馬房の透明な扉。
たら
はいはい。見えます。
この扉
シュート
あれがなかってん、昔。
雨風きたら入ってくるからって話しをしてたら
「俺やるわ」って作ってくれたんよ。
たら
そうやって帰って来てくれる子もおるんですね。
シュート
そうそう。
帰って来てくれるね。
第二のふるさとやから、あいつらにとったら。
ヒロさんの葬式も勢揃いしたんよ。
たら
そのこどもたちは1年単位なんですか?
シュート
決まってない、4年おる子もおるし、数ヶ月で帰る子もおるし。
巣立ってったこは50人を越えるくらいかな。
一番多くても6人くらいしか、受け入れてなかったから。
たら
6人兄弟ってことか。
シュート
そうそうそう笑、
で優ちゃん(ヒロさんの奥様)とか、
スタッフ会わせたら十何人。
それが一つのテーブルを囲んで
一緒にごはんを食べる大家族みたいな。
それがこのカレッジでの寄宿塾のかたちだった。
たら
それが自分たちにとって調度いい人数だったんでしょうね。
シュート
そうやね。
カウンセラーもウッドデッキを作っていました。
「これ俺たちが作ったんだぜ。」
社会にでて、仲間をつくって。
自慢しに戻ってきて欲しいなー。
今日はここまで。
前へ /次へ
よんでくれてありがとうございます。
どうしようもない不登校児が
ほかの子どもの憧れの的になり、
自分自身も憧れる大人に出会って
仕事を見つけて巣立って行く。
短くまとめると誰にでもできそうだけど。
とても簡単なことではないように思えます。
ポニーが担う役割、
しっかり見ている大人の役割
もっと聞いておけばよかったな。
また行くぜ。
大人が子どもを。子どもはポニーを
信じきっていたんだろうな、きっと。
すごくいい循環。