ぼくらのありのまま記

ぼくらは
こんな大人になりました。

【目次】大堀貴士 「2代目のできることってなんやろう」

2013-12-10 22:59:14 | ありのまま記 目次
鳥取の越路という、山あいで
17年続く小さな牧場、
ハーモニィカレッジ。


2代目理事長、大堀貴士さんに会ってきました。
ここではシュートの名称で親しまれています。


レンタカーを借りて。


景色のいい山道を進みます。

着いたら、今日は
幼稚園児が遊びにきていました。


ギターを弾いているのがシュートさん。


一番高く飛んでいるのがチョロさん。
シュートさんと一緒に10年以上働いている相棒です。


8頭のポニーと4人のスタッフ(内2人は1年間の契約社員)。
カウンセラーと呼ばれる学生ボランティア
(毎年50名くらいが参加)が中心となって、
長期キャンプを開催したり。
日々の生活の中で身近に利用できるポニークラブ、
冬にはスキーキャンプも企画、運営しています。
鳥取や大阪のこどもを中心に
「自然との交流体験」や
「憧れるような大人の背中を見せる」
活動を提供しています。



創立者のヒロさんが3年前に亡くなり、現在は
創立当初から一緒にハーモニィカレッジをつくってきた、
大堀さんが、理事長兼、牧場長を勤めています。

ヒロさん亡き、ハーモニィカレッジに行くことは、
ありのまま記を始めた、動機と関わるので、少し、
話したいと思います。

僕が仕事を辞めて、ありのまま記を書いている理由のひとつとして。
ヒロさんと、もう一人、大切な人の死があります。
(もう一人はバンドマンで、ドラムを叩いていた人なんですが。
そのうち、ありのまま記にもでてくると思います。)

「このまま毎日16時間働いて、休みも、
 週1の日々だったら会いたい人に会えねぇなぁ」

「イカをさばき、毛ガニを剥いている毎日に、
 あの人は何を考えて生きていたんだろう。」

日々のルーティンワークには、全く必要ないような気持ちが、
少しずつ、蓄積し、なにかが滞ってしまいました。
気持ちと、頭と、行動をつないでいる血液みたいなものが、
うまく循環しなくなったような感じです。

とりあえず、気持ちと行動をつながないと。
僕は仕事を辞めて、会いたい人に会いに行こうと決めました。
そして、その人たちが大切にしていることを
いつでも、感じられるようなものを残したい。
そういう考えで、インタビューを始めました。

「会いたい人に会いに行って、本を作ったりするのって、
自殺する人が死ぬ前にやるって大学の授業で習ったんだけど、
たらちゃん死ぬ気じゃないでしょうね!!」
かなり深刻に心配してくれた友だちもいました。

大丈夫です。自殺はしません。
ただ、僕も相手も「命は永遠じゃない。」
ということがわかったのです。
生き急いでいるわけではないけど、
会えなくなる可能性を知りました。
それは自殺には結びつかないので安心してください。
生きることに悲観的になっている訳でもないです。

逆に同じ時間を生きている奇跡を
もっと楽しみたくなったのです。
奇跡のかけらを集めたくなったのです。

それがありのまま記を始めたひとつの動機です。

「明日訪れるかもしれない死を
後悔なく迎えるために」
こう言うとまた死にたいのか?と思われるのかな?笑

とにかく死は特別なことでもないし、
悲観的になる出来事でもないと僕は思っています。


長くなりそうなので、話しをヒロさんに戻します。
ヒロさんは、ハーモニィカレッジを始める前に。
僕が高校の頃から、通っていた、
ハーモニィセンターが運営する
相馬ポニー牧場に勤めていました。

直接はお会いしたことがなかったのですが、
相馬の牧場スタッフから
「ヒロさんていう、すごい人が、いてさー。
お父さんが具合悪くなっちゃって、地元の鳥取に
帰らなくちゃいけなくなったんだけど。
自分の夢も諦めてなくて、相馬みたいな
ポニー牧場始めたんだよ!!ほんとすごい人なんだよー」
そんな話しだけは聞いていて。

「いつか行かないとなぁ」思っている間に、
ヒロさんにはもう会えなくなっていました。
それでも、現在、ヒロさんが始めた
ハーモニィカレッジは続いていることを知りました。


(相馬時代のヒロさんに会っているノリコと
一緒に行ってきました!!)

創立者がいなくなっても、会社が続くということは、
当たり前のようだけど、全然、当たり前じゃなくて、
本当にすごいことだと思います。
少なくとも一人には、「必要」とされていて、
「残さなきゃだめだ!!」
って思ってもらえているってことだから。

もちろん気持ちだけでは続かないですし、
「名前」だけ残して、続いていても、
創立者の考えが全く反映されないかたちに
なってしまうことだってあり得ます。
それは、どんなに大きな企業でも
二人で続けている小さな鮨屋さんでも
変わらないことだと思います。


「創立者亡き、ハーモニィカレッジ。
 なにを、どのように残しているんだろう」

ひとつだけ、質問を用意して、
初めてお会いするシュートさんに話しを伺いました。


結論から言うと。ヒロさんはここにいました。
牧場から、シュートさんのことばから。
たくさん感じられました。


残された者が出来ること。
シュートさんを知らない人も、
読んでいておもしろい話しだと思います。
こんな信頼関係なかなか築けないですから。

全11話、よろしくお願いします。



大堀貴士「2代目のできることってなんやろう」


第1話 寄宿塾、その1「あ、それやったらやりたい!!」
第2話 寄宿塾、その2「「スイッチ」なんか、はいるんやん」
第3話 牧場のあゆみ「10年やったら認められた」
第4話  死者がくれるメッセージ「看取りたいねん!!ここで最期まで。」
第5話 たどり着いた考え「2代目の俺はなにができるんか」
第6話 ヒロさんがくれたことば「正しいと思うことをしない勇気」
第7話 これからのビジョン「若手がそういうのを習って来て欲しい」
第8話 大学4年の決意「これ、最高!!俺、仕事にしたい!!」
第9話 シュートの仕事論「これっだけは胸はっていえるわ。」
第10話 シュートの仕事論2「天職はどこかに落ちているものじゃない」
最終話 ハーモニィカレッジが目指す最高の社会  
    「仕事、ほんまおもろいな!!って言える大人になる」

               

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