日本のサラブレッド生産の世界は、社台グループが牛耳る世界であり、社台グループの中でもノーザンファームが、特に大きなシェアを占める『独占企業』の立場にあります。
これは、社台グループを立ち上げた吉田善哉総帥の次男、吉田勝巳氏の卓越した相馬眼と、馬生産・馬育成に関する革新的な推進力が理由。特に、ディープインパクトとキングカメハメハという日本の近代競馬の基礎となる2大種牡馬を生産して、それを自らの傘下で繋養できたことが大きく、2005年以降の生産界は、このノーザンファーム1強時代が到来したと言って良いでしょう。
同じ社台グループの本家筋である社台ファームですら、このノーザンファーム1強体制を崩すことが出来ずに苦戦している中で、敢然と『ノーザンファーム1強時代』に対して闘いを宣言している存在があります。
ご存知、日高生産界の救世主、岡田スタッドの岡田牧雄氏。故 岡田蔚男氏が父親、故 岡田繁幸氏が兄という生産界のサラブレッド。社台がサンデーサイレンスを導入する以前は、岡田牧場は社台グループの最大のライバルでありましたが、サンデーサイレンスの存在が、今の社台グループの圧倒的地位を築く中で、大きな差が開いていってしまいました。
しかし、そんな中でも、社台グループが見切ってしまったステイゴールドを見直して大種牡馬へ押し上げたり、ゴールドシップを人気種牡馬へ育てたりと、社台グループとは一線を画した方針で、その存在感を示し続けています。
そして、ここへ来ての生産馬タイトルホルダーの躍進。岡田牧雄氏は『タイトルホルダーは、けして社台SSへは渡さない』と宣言。種牡馬タイトルホルダーを日高生産界の中心に据える宣言をしました。
ディープインパクトとキングカメハメハが亡くなって、そのあとを継ぐスーパー種牡馬の地位は、エピファネイアか、ロードカナロアか、はたまたキズナか、その趨勢は未だ定まらない状況です。日本の生産界の多くが、社台スタリオンステーションだけで繰り回される時代が続く限り、『ノーザンファーム1強時代』は終わりません。
今は日高で繋養されているゴールドシップやフィエールマン、またダノンプレミアムといった種牡馬に加えて、種牡馬になったタイトルホルダーが、あらためて日高地方から存在感を高めていくことが出来れば、生産界も再び戦国時代へ突入することになります。
日高の生産界が、再び盛り上がることを期待しております。岡田牧雄 総帥‼