金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【ウクライナ情勢⑤】 キエフは市街戦へ突入 NATOは今こそ!

2022-03-01 07:41:35 | ウクライナ情勢

 24日未明に始まったロシアによるウクライナ侵攻。一気に首都制圧という雰囲気もありましたが、ここへきて、ウクライナ軍の反攻や、市民兵による抵抗も始まっている様子で、首都キエフ、および第2の都市ハリコフでは市街戦の様相へ

 この変化は、やはりウクライナのゼレンスキー大統領が、地上波TVやYouTubeで流した映像、「自分はキエフにいる。ウクライナを守るために闘い続ける」と発したメッセージが大きかったと思います。

 ロシアは恐らく「斬首作戦」を採っていると言われ、ウクライナの現政権の指導者たちを殺害するか、捕縛してロシアの収容所に幽閉したあと、親ロシアの傀儡政権を作ることを目指していると思われます。命を危険に晒している現職の大統領が、ポーランドなどの隣国へ逃げずに、首都キエフで闘い続けていることに、ウクライナ軍やキエフ市民の闘争心に火を点けたのだと思います。

 

 一方で、市街戦が続くことで、ウクライナ軍とロシア軍の将兵だけでなく、一般市民の犠牲者が増え続けることも事実。泥沼の内戦に入る前に、「講和のステップ」に入る準備が早急に必要な状況だと言えます。

 ちなみに、ベラルーシで開催された講和会議では「双方持ち帰り」となりましたが、今のままでは、ロシア側に圧倒的に有利な条件以外でロシアが合意するはずがありません。当たり前ですが、パワーとパワーの均衡する状況にならなければ、ちゃんとした講和条件の交渉が出来る場とはなりません。

 

 にもかかわらず、バイデン米大統領「ウクライナへの派兵は、第三次世界大戦を招く」と、相変わらず、軍事介入を拒否するばかりです。少なくとも、ウクライナの周辺部に、10万人単位のNATO側の陸戦隊を駐屯させない限り、ロシアの軍事行動を止める抑止力にはなりません。現在進めているような、ウクライナ市民に対戦車砲を配るだけでは、戦火を止めるどころか、ウクライナ市民の犠牲者を増やすことにもなりかねません。

 バイデンの本音「ウクライナ派兵は、アメリカ国民の民意が持たない」。アフガンですら撤退せざるを得ないタイミングで、ウクライナ派兵なんて、米国民を説得できないと宣言しているようなもの。民主主義のリーダーであるはずのアメリカの大統領が、自らの指導力の無さを声高らかに叫んでいるに等しい

 

 アメリカをリーダーとするNATOは今こそ、パワーにはパワーの存在を見せつけることが必要です。そうすることで、講和会議の土台が初めて出来ることになります。

 プーチンからすれば、バイデンのことを「当初から闘う気がない腰抜けのリーダー」と見做しているから好き勝手やっているのです。ちゃんと『闘う本気』を見せることこそが、相手の動きを止めるキッカケになります。極めてシンプルなチキンゲーム。それこそが外交の要であり、国防の要諦であります。

(続く。明日は SWIFT 締出し効果について!)


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