横浜産貿ホールで、「勇気の証言─ホロコースト展」を観る。
ナチスのユダヤ人迫害、その犠牲者の一人となったアンネ・フランク、一方で6000人のユダヤ人を救った日本人外交官杉原千畝──
来場者は展示パネルの一枚一枚を食ひ入るやうに見つめ、なかには鼻をハンカチで抑へてすする人も見受けられた。
人権といふこと、
そして、
『なぜ人は人を攻めるのか』
といふ重い命題を、いまなお生々しい証拠物品と一枚一枚の写真が、来場者に深く問ひかけてくる。
そのあとで訪れた大倉山記念館の「日本精神文化曼荼羅の魅力」展の解説文に、かういう一文があった。
『人間は心の中に敵を持っている』──
命題の答へ、その端緒が掴めたと思った。