迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

月は朧に叫ぶ稲妻。

2024-06-14 23:55:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送の新内節「花井お梅」を、富士松小照の浄瑠璃で樂しむ。學生時代、TVを通して初めて聴いた新内節がこの「花井お梅」であり、浄瑠璃はやはり富士松小照だった。新内節はいかにも江戸生まれらしい粋な調子の三味線音曲で、本外題を「梅雨衣酔月情話(つゆごろもすいげつじょうわ)」と云ふこの曲は、明治二十年(1887年)六月九日に隅田川の濱町河岸で實際に起きた藝者が箱屋(藝者の身の回りを世話する男衆)を刺し . . . 本文を読む
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