< 月光菩薩の頭部 >
「仏像を巡って」の連載を始めます。
毎回、仏像の写真と簡単な説明を載せます。
日本を中心に中国、インド、韓国、中央アジア、東南アジアを巡ります。
< 奈良、薬師寺の薬師三尊像: 8世紀初め、青銅鋳物製 >
私の好きな仏像
この仏像は最初、光背のような金色に輝いていた。
中央の像は如来で、仏陀を現しています。
両側の像は菩薩で、修行中の仏陀に次ぐ人です。
如来や菩薩には幾多の名前があり、大乗仏教の経典により異なります。
この三尊像は日本に仏像が伝わってから約1世紀後に作られたものです。
この後、鎌倉時代、13世紀まで作風は発展して行きます。
私は、この左側の月光菩薩が好きです。
実は、私には左右の月光・日光菩薩の違いはわからないのです。
「月の光」の名前に惹かれたのです。
< 同上の薬師三尊像、斜め前から >
< 月光菩薩、高さ2.5m >
黒光りする艶やかな肌、柔らかな身のこなし、洗練された衣装と装身具、ふくよかな顔が印象的です。
私は、伏し目がちで切れ長の目、微かに笑みを湛える口元に惹かれます。
< 上記三尊像が納められている薬師寺、金堂 >
この寺は、天武天皇の命により造営されたものです。
連載のはじめに
仏像はインドで誕生し、アジア各地に広まった。
仏像の誕生からアジア各地への展開、変遷を見ていきます。
紀元前1500年頃から紀元1200年頃までを扱います。
毎回の記事は、歴史を追うのではなく、一つの話題毎に見て行きます。
< 仏像の地域 >
連載で目指すこと
仏像の作風の変化が、何を意味するかを探ります。
このことがわかれば、世界の神像誕生の経緯も理解出来るのではないだろうか。
神像の歴史と彫像の歴史は不可分なので、3万年前からの世界各地も扱うことになる。
仏像や神像の変遷から、人類の偶像化と象徴化、超自然的なものへの意識が見えてくるかもしれません。
皆さんと一緒に遙か昔へと知的冒険に旅立ちたいと想います。
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