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仏像を巡って19: 像の誕生

2014年06月27日 | 連載中 仏像を巡って

< 1. 女性像、キュクラデス諸島、紀元前2500年頃  >

今まで、仏像の変遷をアジア各地からインドへと逆に辿って来ました。
仏像はインドで誕生し、中国から韓国、日本へと伝わり、それぞれの地で開花しました。
これからは、仏像も含めた世界の神像誕生の不思議を追います。




< 2. 四天王像、韓国 >

この連載の狙い
それは仏像の変化を追うことで、人々と宗教の関わりを探ることでした。
私達日本人は仏像に深い思い入れがあり、特に芸術的な味わいを感じておられることでしょう。
しかしそれは仏教の教説とは必ずしも一体ではありません。
仏像は国や時代により大きく変化し、多様化し、個性化し、さらに他宗教と混淆していきました。
それは本来の釈迦の教えとは別の次元で起こったと言えます。



< 3. 持国天像(四天王)、日本、後9世紀 >

つまり仏像表現は各国の土着文化と宗教運動、社会状況、さらには異国文化の流入によって変化したものでした。
日本において、四天王像の憤怒の形相は、他地域から見れば特異なものでした。
朝鮮半島において、仏教を篤く保護した高句麗も、内乱と異民族侵攻により仏像は大きく影響を受けました。
カンボジヤやタイにおいて、ヒンドゥー教と仏教(大乗、小乗)の主導権争いも仏像に変化と混淆をもたらしました。



< 4. 仏陀像、タイ、後14世紀 >

もう一つの狙い
それは、なぜ尊像の製作が最初、忌避されていたにも関わらず、突如として起こったかと言う疑問を解き明かしたいからです。
これと似たことが世界で同じように起こった。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、ヒンドゥー教、日本の神教などです。
連載「原初美術の誕生」で見たように、人類は3万年前、既に宗教的な意味合いを持った数々の像を製作し、使用していました。
しかし多くの場合、それは長続きせず、途切れ、形を変えて突如として姿を現しました。



< 5. ビーナス像、ドイツ、25000年前 >

これからは、この謎を解くヒントを求めて、世界各地の古代を巡り、像誕生の経緯を追います。
おそらく深い真理には至らないでしょうが、何か人類の不思議に出くわせるかもしれません。

次回より、ミステリアスな古代、想像の世界を巡ります。



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