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視点 : 対立に惑わされない1

2012年07月21日 | 時事問題

前回はマスコミの弊害を考察しました。

今回は世論が二つに分かれて対立する状況を考えます。

男と女、原発賛成派と反対派、左翼と右翼、運動会の紅組と白組などがあります。




人間は対立するもので仕方がない側面もあります。

しかしその背景と構図が分かればばかばかしくなるでしょう。

対立の基本は帰属意識と認知にあり、人類共通ですが多様です。

帰属意識については既に見てきましたし、さらに説明して行くことになります。

認知については、極論すれば、社会現象などを白黒つけるように認識する傾向にあるからと言えます。

この直感の認知システムは不明ですが、さらに東アジア人に特有のものがあります。

それは孔子の説いた中庸で表すことが出来、欧米人に比べ白黒を付けない、決めつけない傾向があります。これには長短があります。

それでは具体例を見て行きます。


実は男女の違いが世界の平和と幸福に大きく関わっているのです。

今でこそ男と女は心理学的にそれぞれに得手不得手の部分があると言えますが、半世紀前は差別だとして言えませんでした。

差別は存在したので明言すると悪用される可能性はありましたが、それでは真の理解には至らないでしょう。

明確なことは男が闘争や主戦論に傾き易く、女は平和や慈愛を強く願います。

インドで饑餓が発生し難い地域を調査すると、その理由は飢饉があっても周囲から援助の手が差し伸べられているからでした。

さらにその理由は援助側地域の女性の教育水準が高く、支援意識の高さにあったのです。

同様な例として原発保有国での賛否の比率があります。

大凡なのですが原発賛成率が高い国は女性の社会進出が低いのです。

例えばドイツとフランス・韓国・日本を較べていただきたい。前者は女性の社会進出が高い国、後者は低い国です。

これ以外にも女性が平和や人権、救援などに活躍した事例は歴史上枚挙にいとまがない。

しかし日本ではこの認識は未だ低く、政治に関わることに抵抗を持っている人がまだ多くいるのではないでしょうか。



原発事故後に原発の賛否が急変しました。

あれだけの被害があったから当然なのですが、ここには対立の哀しい構図があります。

原発に元々反対した人は、その安全を科学的に信頼出来なかった人、科学に否定的で自然派の人などでしょう。

逆に元々賛成した人は、学者や政府の説明を信じた人、科学を信奉する人などでしょう。

この両者の間に多くの人々がおり、それが事故後に大きく左右に揺れることになります。

当然、両極端の一方は力を得て、他方は沈黙せざるを得ないでしょう。

事故後判明したことは、賛成派の根拠が実に信頼出来ない情報に基づいていたことです。

過去20年ほど賛成派を任じた人がインターネット上で如何に反対派に強弁していたことでしょう。

そのバックには著名な学者と政府、大手マスコミがついていたのですから。実にたわいない話です。

今一つは、同様にして明確な根拠を得ずして過敏に反対一辺倒になびいている可能性もあります。

このことが瓦礫処理などに悪影響が出ています。


話が長くなりましたので、次回に左翼と右翼、革新と保守について考察し、まとめにしたいと思います。



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