< 1. 褒められた時の脳、fMRIの画像 >
私達の行動や思考を、最も人間らしくしている脳の働きを見ます。
そのことに普段、私達は気づきません。
少し想像して下さい
情動(感情): あなたは目の前のコブラを見たとたん、心臓が激しく鼓動します。しかし、全面にガラスがあることが分かれば、心臓の鼓動はすぐ収まるでしょう。
記憶: あなたは毎日使っているお茶碗の絵柄を思い出せますか。一方、幼い頃の思い出を昨日のように思い出すことがあるはずです。
動機付け: あなたは好きな水着を着る為に、美味しい間食を制限しなければならない。日々、食欲を押さえることはかなりの苦痛が伴います。
< 2. 情動発現の神経伝達物質の分泌 >
これらすべてに情動が関わっています。
人の脳の基本的な情報処理は、1千億個の神経が、一つずつ情報を伝える巨大なネッワークで行われています。
しかし情動が発現されると、脳の広い範囲が一定期間、活性・抑制され、通常の情報処理に影響を与えます。
それは図のように大脳の内側(大脳辺縁系)から神経伝達物質が分泌されたからです。
その主要物質はドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンなどです。
これらは恐怖、悲しみ、喜び、怒り、嫌悪などの情動を生みだします。
その作用はスポーツ選手が男性ホルモンを注射し続けて、闘志に燃え、筋骨隆々になるのと似ています。
< 2. 神経伝達物質が混じり合って複雑な情動が生まれます >
まとめます
1. 脳には恐いもの(蛇など)に強く反応する部位があり、これが即座に感情表現や身体反応を生じます。かつ上位の脳機能がそれを確認している。不安、嫌悪、喜び、共感なども同様です。
2.記憶や注意は、情動(危険、心地よいなど)がその必要性を決めている。
2. 行動や判断には、情動(恐怖・不安を避け、快楽を求める要求など)が関わっています(直感)。
知って欲しいこと
1. あなたは同性愛者のセックスに嫌悪感を抱きますか。
2. あなたはある金持ちが大損したと聞いたら嬉しいですか。
3. あなたは国際試合で、対戦相手国が失敗すると喜びますか。
これらの反応はすべて情動が関わっています。
この情動は遺伝だけでなく、生育環境や社会環境にも影響されています。
問題は、この情動の正体を、自分自身でほとんど認識出来ないことです。
人は思春期を経験して、生活に支障が無い程度に情動を制御出来るようになります。
しかし、他者や他集団、異なるものへの理解・共感はかなり困難なのです。
次回から、別のテーマを扱います。
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