夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

ヘーゲル『哲学入門』序論についての説明 八[行為について]

2019年08月23日 | ヘーゲル『哲学入門』

§8

Das theoretische Vermögen fängt von einem Daseienden, Vor­handenen, Äußerlichen an und macht es zu einer Vorstellung. Das praktische hingegen fängt bei einer innerlichen Bestim­mung an. Diese heißt /Entschluss,/ Vorsatz, Leitung, und macht das Innerliche wirklich äußerlich, gibt diesem ein Dasein. Dies Übergehen von einer innerlichen Bestimmung zur Äußerlichkeit heißt /Handeln./(※1)

§8[行為について1]

理論的な能力は、そこに在る物、手もとに在る物、外に在る物から始めて、そしてそれを表象に作る。これに対して、実行的な能力は内にある規定から始まる。この内なる規定とは、決意(Entschluss)、意図(Vorsatz)、統制(Leitung)と呼ばれるもので、これらは内に在る物を実際に外に現すことによって、これらに定在を与えるものである。内なる規定から外在性へのこの移行は、行為(Handeln)と言われる。

※1

 

前節に引き続き、理論的な能力と実行的な能力の違いについて考察している。理論的な能力は、私たちの外に在る物についての私たちの考え(Vorstellung)を作ることであるが、実行的な能力とは、私たちの内にある規定(einer innerlichen Bestim­mung)に、決意(Entschluss)、意図(Vorsatz)、統制(Leitung)といった意思の内容に外在性を与えること、それらを行為によって外に現す能力である。改めて言うまでもないきわめて常識的なことが述べられている。

 
 

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