ヘーゲル『哲学入門』中級 第一段 意識一般 第十一節[感覚的な意識]
A. Das sinnliche Bewusstsein
A. 感覚的な意識
§11
Das einfache sinnliche Bewusstsein ist die unmittelbare Gewissheit von einem äußerlichen Gegenstande. Der Ausdruck für die Unmittelbarkeit eines solchen Gegenstandes ist, dass er ist, und zwar dieser, jetzt der Zeit und hier dem Räume nach, durchaus von allen andern Gegenständen verschieden und vollständig an ihm selbst bestimmt.(※1)
第十一節[感覚的な意識]
単純な感覚的な意識というのは、外にある一つの対象についての直接的な確実性である。一つのそうした対象の直接性についての表現の仕方は、「それはある」であり、そして、確かに「これ」であり、時間からすれば「 今 」であり、空間からすれば「ここ 」である。外にあるその対象は、他のすべての対象とはまったく区別されて、そして、それ自体において完全に規定されている。
※1
「感覚的な意識」はかならず、「今、ここにある、このもの」についての、すなわち個別的なものについての意識であるから、それ自体において完全に規定されている。
この部分は、「精神の現象学」すなわち「意識の経験の学」の中の、
A 意識、
I 感覚的な確信、あるいは、このものと私念
( Die sinnliche Gewißheit; oder das Diese und das Meinen)
の個所の要約になっている。
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