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長池とも子三国志「破龍」第4巻

2007-02-18 20:42:51 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝 破龍 第4巻/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/410円(込)

内容とコメントプリンセスGOLDで連載中の少女漫画作品。三国志に著者独自の新解釈を加えた描写が特徴。
これまでは曹操や孔明など、一人一人を主役に、関わった女性の視点で描いていましたが、3巻辺りからはいよいよその主役たちが乱戦を展開していきます。
今回の4巻は強敵を撃退し勢いを増す曹操と、その為に犠牲となる人民の命を守ろうと「官渡の戦い」の裏で一人奔走する諸葛亮。2人の関係とその変化を軸に描かれ、その中で呉の思惑も絡められる、複雑で読み応えのある内容です。

最近は戦続きの為か戦闘描写もしっかりしています。曹操軍の様子も丁寧な背景があるお陰で素人目にも戦況が判りやすいです。(曹操は見栄を張るので特に。)
個人的には投石器による攻城戦が描かれたのが良かったです。
また、乱戦の後荒野と化した地に無数に転がる兵士・兵馬の死骸を描く事で孔明の胸中を読者に効果的に伝えたり、その他、戦の絶えない北の地の荒れた様子に対し、江東の平和で活気ある様子など、背景の絵をしっかり描く事で読者にその国や主君の人物像(北は曹操、南は孫策)が伝わる見せ方もさすがです。

単行本終盤では、落胆した孔明がついに劉備と出会い、再び理想を実現しようと決意する話が描かれます。

巻末には「破龍」年表があります。勢力ごとに分けられているので、今までの話がどの時代でどの国の出来事なのかすぐに判ります。年代が前後した話もあるので、これは便利です。年代順に「破龍」各話を読み直すのもいいかもしれません。

ファンサービス!?
今回は何と袁紹と徐庶の紹介ページが収録されています。
構成は紹介文と描き下ろしカット。「破龍」では派手な格好の割には出番が少なかった袁紹とか、三国志に初めて触れた方にも親切な解説コーナーです。
今後も続けて欲しいです。
袁紹のイラストはちゃんと美形に描かれているのでファンの方も安心です。

もう一つは初登場の趙雲が早くも単行本表紙を飾っています。このイラストは第十五話のカラー扉絵のものです。

この人物がキラリ!
徐庶。曹操も夏侯惇も趙雲もさしおいて今回は何と言っても徐庶です。
久々に登場した時の感想は雑誌紹介時の記事に書いた通りですが、それに加えて今回は紹介ページとして徐庶の経歴と、昔のざんばら頭のイラストの描き下ろしがあるのに感激しました。
徐庶の過去は書物や漫画で語られはするものの、そのシーンそのものが描かれる事が無いのでいつか読んでみたいエピソードの一つです。
若い頃は任侠を気取り、その為におたずね者になるわで、思えばお袋(母親)に随分迷惑をかけてしまったな、と思い改心する「古き良き不良」のイメージを抱きます。
剣さばきも見てみたかったです。

関連項目
4巻収録作品の雑誌掲載時の紹介記事で、もう少し詳しいあらすじを書いています。
第十一話「官渡前夜」
第十二話「小覇王・孫策」
第十三話「官渡決戦」
第十四話「三顧の礼」







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