GOGO三国志!

2014年に復活した白井恵理子先生の劉備くんシリーズや長池先生の「破龍」(完結)他三国志作品を応援しています!

長池とも子三国志「破龍」官渡決戦

2006-10-29 20:28:36 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝 破龍 第十三話「官渡決戦」/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/雑誌価格600円(込)

内容とコメントジャンルは少女漫画ながらも最近は本格的な戦記ものになって来た、長池とも子さん版三国志の「プリンセスGOLD11+12月号」掲載分。
タイトルどおり今回はようやく袁紹対曹操の官渡決戦が描かれます。圧倒的優位の袁紹軍に苦戦する曹操。多くの命が失われる戦を止めようと必死の孔明は曹操を優位に立たせ袁紹と停戦交渉をさせる為に呉の孫策の同盟を取り付けるが…。

誰もが知る官渡の戦の話(戦闘描写や関羽の出番などはありませんが)と、その裏で孔明が奔走する話に孫策・周瑜の天下獲りの夢が交錯し、それが一つにまとまった時、曹操と孔明が決裂する出来事が描かれる、その見せ方がすごいです。
曹操と孔明が決裂する事になった決定的な出来事とは…!?
武将については、今回の夏侯惇はちょっと世話焼きな役どころです。

この演出が…
孫策と周瑜の場面。衝撃の展開の前のあのシーンは読み終わった後になると切なくなります。その演出の仕方がおやくそくながらも心憎いです(苦笑)。

袁紹を探せ!
「袁紹の出番は1コマだけ」と頭に入れていたにも関わらず、最初に立ち読みした時、てっきり次回あたりになると思っていた展開が描かれ、ビックリしたあまり袁紹がどこに出ていたかすっかり確認し忘れました(汗)。
雑誌を買った時はちゃんと頭の中で「袁紹」と意識しながら読み直してみましたが、どこにも出て来ない。小さいコマとか気を付けながら読み返したりもしましたが…。曹操や許攸(きょゆう)の出番は多いのに、一体どこ?と思いながら最初から読み直していたら、確かにちゃんと出ていました!でもこの袁紹一言も喋っていません(効果音も無し)。だから大ゴマなのに気付かなかったのかも…。確かに出ていた事にはなりますがちょっと残念です。もしかしたらこれが最後の出番だったかもしれないと思うので。

今回の出来事で「破龍」となった曹操に対し、孔明や劉備、それに呉はどう戦っていくのか今後も楽しみです。

あと、番外編で鄒氏(すうし)の視点での宛城戦の話も是非読んでみたいです!(少女漫画とか様々な事情で実現は難しそうですが…)



長池とも子三国志「破龍」孫策と孔明編

2006-08-23 20:41:26 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝 破龍 第十二話「小覇王・孫策」/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/雑誌価格580円(込)
内容とコメント「プリンセスGOLD9月号」に掲載された少女漫画版三国志。最近は孔明が戦の裏側で奮闘する話が描かれています。
袁紹と曹操の戦を止めさせる事に失敗した孔明は戦を長引かせない為に曹操軍に孫策軍を加勢させようと呉の地を訪れる。果たして同盟は成功するのか…?
雑誌では一年ぶりに登場する孫策。外見も見違えるようで目が細くなるなどかなり大人びて、絵柄も少女漫画仕様になっていますが、気さくな所はそのままです。確かに主君なのに無防備すぎる気も
この時点では既に揚州を平定していたりと、この作品ではその快進撃は終わってしまい、見る事は出来ません。
その代わり孔明すらも惹きつける人物描写に重きを置かれています。
周瑜や大喬・小喬も出て来ました。周瑜は厳しい表情や髪型のせいで外見は曹操とちょっと被ってます 孫策といる孔明の方が周瑜に見えてしまいます。
大喬・小喬はさすがに美人です。(美人が多いのも長池先生三国志の特徴です)
孔明の活躍の場が多く描かれますが孫策と周瑜が夢を語る場面に、行方知れずになっていた孫策のかつての想い人・芳春(ほうしゅん)とのその後も見る事が出来ます。
彼女はかなり重要な役どころを担っています。

という事で、せっかく孫策の再登場なのですがもうすぐ最期を迎えてしまうのかと思うと彼らが活き活きとしている分複雑な気持ちです。
そして、今曹操と孫策(呉)勢力を結び付けようとする孔明が、いずれはこの2つを争わせようとする話の流れが「破龍」ではどう描かれるのか、あの周瑜にどう開戦を迫るのか、或いは周瑜の方が上手なのか、それが今後の楽しみです。

次回予告!
長池先生のHPによると、ようやく次回「官渡の決戦」が描かれるそうです。
またも孔明が活躍するのか、孫策は関わるのか、そしてあの袁紹の出番はあるのか(あるとしたら何割増えるだろう…?)、それとも先生らしい意外な展開があるのか…ものすごく楽しみです!
でも次回は10月発売の11+12月号に掲載
10月が遠く感じます…。




長池とも子三国志「破龍」第3巻

2006-07-15 20:31:31 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝 破龍 第3巻/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/410円(込)
内容とコメント「プリンセスGOLD」に連載中の少女漫画版三国志。三国志の各武将を主人公にその活躍を描いた作品で、今回からは2巻遅れでいよいよ劉備三兄弟が旗揚げします。劉備が黄巾賊との戦いの中関羽、張飛と出会う「桃園結義」、曹操との出会い、疫病の原因を探る事になった「両雄の邂逅(かいこう)」を収録しています。
曹操が主役の話では従兄弟の夏侯惇との絆がテーマの「盲夏侯」、董卓と呂布を離間させようと美女を仕立てて送り込む「美女連環」を収録しています。
今回の見どころの一つは人物の外見や心理の変化です。例えば外見では劉備の顔つきが「桃園結義」と「両雄の邂逅」で微妙に変化していたり、関羽のヒゲだったり。
でも曹操たちの顔は少女漫画なので年代を経ても老けていません。
心理の変化は「盲夏侯」ではサイボーグのような呂布が「美女連環」では普通の人間のようになってしまう所とか、3作品での曹操の印象が違うのも注目しながら読むと判ると思います。
表紙のカバーイラストは表が曹操と劉備(手前)、裏表紙が曹操と貂蝉。貂蝉のイラストはとてもきれいなので単行本でもカラーで見られるのは嬉しいです。あと、貂蝉の微笑カット

各作品のもう少し詳しい内容はこちらをご覧下さい。
第七話「桃園結義」
第八話「両雄の邂逅」
第九話「盲夏侯」
第十話「美女連環」
雑誌掲載時の紹介文です。

と、いう訳で無事に単行本第3巻が出ました。次は第4巻発売、の筈です。
これも決定事項にして欲しいです。
4巻出ないと曹昂出ませんし、(その前に孔明の活躍を挙げるべきです)次回(9月号掲載予定)のあの人物も雑誌でしか見られなくなってしまいます。
次回予告書いてしまっても大丈夫かな~?書きたいです…ともかく発売がとっても待ち遠しいです。官渡の戦いの話の筈なのですが
今まではそれぞれの武将ごとの話だったのですが、いよいよ武将同士が一つの舞台で動いていきますし、予想の付かない展開もあるので今後がますます楽しみです



長池とも子三国志「破龍」孔明と曹操編

2006-06-30 20:16:04 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝 破龍 第十一話「官渡前夜」/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/雑誌価格600円(込)

内容とコメント「プリンセスGOLD7+8月号」に掲載された三国志の少女漫画。今回も曹操が主役の話。董卓暗殺後の混乱の中で力を蓄えた曹操は同じく勢力を広げた袁紹との決戦に備えていた。そんな中、戦で多くの血が流される事を危惧した諸葛亮が停戦を勧めにやって来るが…?

「官渡の戦い」の直前の話と言う事で曹操、袁紹の他、劉表や孫策など各勢力の動きもしっかり描く事で官渡の戦いまでの流れが判りやすくなっています。
それだけでなく侍女の容(よう)や曹操の心情や武人・夏侯惇の信念を絡める事で作品の深みが増しています。毎回「破龍」の見所である人物の描写に今回も引き込まれます。

孔明はあまりにも久しぶりに登場するためか、頭脳の明晰さを物語るエピソードが漫画に出て来ます。絵柄もかっこ良くなっています。…これが単行本1巻のヒョロヒョロ孔明になってしまうのが信じられない程です。

曹操陣営の参謀荀(じゅんいく)荀攸(じゅんゆう)に程(ていいく)や護衛の許チョも登場します。許チョは見せ場もあります。
水鏡先生や袁紹もちょっぴり出ます。

この武将がキラリ!
曹昂(そうこう)。この作品では細面(ほそおもて)の穏やかな表情の青年で、意外な類似点で孔明と曹操を結び付ける他、曹操の決意を固めるなど、実は意外とキーパーソン的な役割を担っています。曹操の心の奥底にいるのは嬉しいのですが、同時に戦禍の原因になっているとも取れる辛い役どころでもあるのがちょっと複雑です。
あと、曹操暗殺を防いだ許チョもかっこ良かったです。

水色孔明~
今回のカラー扉絵の孔明の絵は「崑崙(こんろん)の珠」の時のような絵柄です。絵の色は青系でまとめられ、「三国志烈伝」の文字は藤色、「破龍」の文字は紺→水色へのグラデーション、コピーの文字は赤紫です。水色(青)と紫(ちょっと赤みのある)色の組み合わせがキレイです。
見た目に涼しいイラストです。(夏仕様?)
と、いいつつ縁の下の力持ちは下に挿している黄色(黄土色?)。単純に白に塗る水色や藤色よりやわらかい感じになっています。紫だと高級感をかもし出している気がします。
いつものセピアカラーでまとめた扉絵もごひいきです。





長池とも子三国志「破龍」曹操と夏侯惇

2006-05-23 20:18:45 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝  破龍 第十話「盲夏侯」/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/雑誌価格580円(込)
内容とコメント「プリンセスGOLD2006年6月号」に掲載された少女漫画版三国志で今回は曹操が主役の話。董卓討伐戦を軸に曹操と家族同様に育った夏侯惇の絆が描かれています。
洛陽にいる董卓を討とうと水関(しすいかん)まで進軍した曹操軍はそこで待ち受けていた董卓配下の猛将・呂布の圧倒的な強さに追い込まれる。曹操をかばって一人立ち向かう夏侯惇だが…。
一言も発しないサイボーグ的な印象の呂布や片目を失う夏侯惇の壮絶なシーンなど、今回も先生ならではの描写が展開します。
また、今回は典韋(てんい)や許チョなど、曹操配下の武将が出番が少ないながらも登場しています。
夏侯淵も夏侯惇の代わりを頑張って務めています。
曹操がメインの話なので連合に参加した孫堅軍は残念ながら描かれません。劉備は顔見せ程度に登場します。マイペースながらも、三兄弟の仲の良さが描かれ、少し寂し気な曹操の演出に効果的になっています。張飛の顔がかわいい…。関羽は控えめな表情です。

この武将がキラキラ♪
曹操と夏侯惇。2人の絆をテーマにしたという事で、前半は夏侯惇の視点で、中盤からは曹操視点で描く事で相手がどう映り、自分が戦う理由に繋がっているのかが判りやすくなっています。2人のファンなら読んで損無し、の内容です。
個人的には夏侯惇が不在なのに「行くぞ夏侯惇!!」と言ってしまった後にハッとするシーンや不在(空白)時の夏侯惇がやっていた事にツボを押されました(苦笑)。
ラストも良いです。

この武将が  
袁紹。曹操(正確には夏侯惇)に担ぎ上げられた連合軍の大将として登場します…が、ウエーブのかかった髪(もみあげは縦ロール=巻き毛)に、ファー(毛皮)付きの派手なマントと、外見は少女漫画仕様で設定は目立ちたがりやのお坊ちゃま。その割にはちっとも目立っていないイロモノ(面白?)キャラに描かれていて、先生もHPでおっしゃっていたようにクレームが付きそうです。
その情報を読んだ後であったり、かつ曹操の濃いアイラインにもだいぶ慣れたと思ったので、どんな袁紹像が来ても大丈夫だと思っていたのですが、最初に見た時はかなり引きました(汗)。牡丹のバックと「フフーン」の書きゼリフが特に引きます。
「三国志マガジン」に連載中の「火鳳燎原」や「曹操孟徳正伝」などで色々な袁紹像を見る事が出来、最近密かに袁紹ブームだったのですが、この袁紹もかなり強烈な印象になりました…。本当にこの方が相手だと、「官渡の戦い」はどうなってしまうのか、想像も付きません。楽しみなのは配下の人たちの人物像です。

この武将がキラリ!
気を取り直してごひいき武将です。出来れば曹操と夏侯惇にしたい所ですが、主観的にはやっぱり関羽です。華雄の首を討ち取って戻って来たシーンより、その後の曹操と話す関羽の方が断然かっこ良いです。関羽の戦う理由を聞き、前回で非情な印象の曹操が少し打ち解けるシーン。これを描く事で、後に関羽とのエピソードに繋げるのかも…と、勘ぐってしまいました。
あと、ヒゲが少し伸びてきました(ヒゲ報告)。

この話も7月14日に発売される3巻に収録されるそうなので、各武将のファンの方は楽しみになさって下さい。袁紹ファンの方は覚悟が要りそうです…。

次回予告!
来月の「破龍」はいよいよ強烈袁紹との決戦「官渡の戦い」が描かれます…が、次回予告によると、その前に国の行く末を見極めようと孔明が曹操の元を訪れるそうです。
曹操と孔明の出会いは一体どんな展開になるのでしょうか…?楽しみです。(袁紹置き去り?!)










長池とも子三国志「破龍」劉備と曹操の出会い編

2006-05-04 20:26:04 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝破龍 第九話「両雄の邂逅(かいこう)」/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/雑誌価格580円(込)
内容とコメント「プリンセスGOLD」5月号に掲載された少女漫画版三国志。少女漫画なのに少年漫画っぽい描写の劉備編の、今回は第2回。
黄巾賊討伐に参加し、農民兵ながらも目覚しい活躍を見せた劉備たちは、長引く戦の最中、疫病の流行と黄巾賊の襲撃ですっかり荒れ果てた村を見つけ、そこで同じく黄巾賊討伐に赴いた曹操と出会う。
疫病を治す薬を求める劉備だが、曹操は疫病の蔓延を防ぐ為に村を住民ごと焼き払うと言い放つ。 関羽のとりなしで曹操に1晩だけ猶予をもらった劉備は病の原因と治療法を探すが…?
と、言う事で劉備が曹操と出会う話。この話では2人の人物描写が徹底して対照的になっています。劉備の、口数は多いものの人命を優先する熱さと、曹操の国の大儀の為に家族も切り捨てる冷静さ、疫病の対処の仕方も2人できれいに意見が分かれています。絵やコマ割の仕方(絵の見せ方)でも対照的になっているのが判りやすいです。黄巾の乱鎮圧後に軍馬を従えた曹操に対し、劉備の方は旗印も歩兵もボロボロで疲れきっていたり。
劉備は紅霞(こうか)とのシーンでも熱いです。(男気で生きている人なので)
曹操はクールすぎていつもはけん制役の夏侯惇の熱さが目立ってしまいます。このクールさを見てから「連環の計」を読むとまた違った印象になりそうです。
この武将が???
劉備。熱さやラストの明るい笑顔は良いのですが、口先で曹操から逃れようとするしたたかさがあったり(裏の顔?)、相変わらず掴み所の無い性格のようで、すんなりと感情移入するのは難しいです…。
劉備もそうですが、登場人物の絵が段々かっこ良くなっているのが嬉しいです
長池先生ニュース!
次回は「盲夏侯」。少女漫画だと左目エピソードはどうなってしまうのでしょうか?
その次(現在執筆中)が「官渡前夜」。戦の話も袁紹たちの人物像も気になりますが、もしかしたら先生独自の展開もあるかも?と期待してしまいます。
今は曹操編が進行していますが…個人的には関羽や張飛の活躍も見てみたいです。





長池とも子 三国志・「破龍」劉備登場編

2006-03-03 20:34:40 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝 破龍 第8話「桃園結義」/長池とも子 著/秋田書店/発売中/雑誌価格600円(込)
内容とコメント「プリンセスGOLD3+4月号」に掲載された少女漫画版三国志。
今回は劉備、関羽、張飛が登場し、その出会いから義兄弟になるまでを描いています。
若き劉備は草鞋(わらじ)やむしろを売って暮らしを立てていたが、黄巾賊の暴威で物騒な世の中になると草鞋が売れなくなり、仕方なく別の仕事を探し、金持ちの家で倉庫の見張り番をする事に。
倉庫や隣村を襲う黄巾賊との戦いの中で張飛と関羽に出会い、2人に見込まれた劉備は平和を取り戻す事を誓うのだった…。
…と、書くとまともそうに見える劉備ですが、言動はハッタリが多いです。仕事を得る為の売り言葉だったり、きれいな女性の前では格好つけたり。そんな調子の良い彼も、ちゃんと筋を通した考えを持っています。
張飛の登場シーンは横山光輝さん版「三国志」を思い起こします。さすがに巨大化はしませんが、ちょっと似ています。「ビシッ」や親指を立てる、など、一人での決めゴマも多いです。

今作は戦闘場面の演出が良いです。勇猛な関羽が黄巾賊の策で張飛から引き離され、兵たちに取り囲まれる大ピンチに。それを劉備が救い出すのが最大の見せ場となっています。
この戦闘描写や人の腕が斬り落とされたり、何かでかい事をやってやろうとわくわくする場面が描かれた事もあり、今回は少女漫画には見えない作風になっています。青年誌やビジネス誌の漫画に似た印象です。
個人的には劉備のロバが草鞋が売れず(→今日も飯抜き)涙したり、それでも重い荷を背負って歩く描写が気に入りました。

この敵役がキラキラ♪
黄巾賊。腕の立つ剣客を利き腕を落として倒す強さと、子供をさらう卑怯な手ながら関羽を上手く追い詰める策を立てる頭脳を持ち合わせ、敵ながら感心してしまいます。
彼らが相手だと劉備たちは次回も苦戦しそうです。

この女性がキラキラ♪
紅霞(こうか)。劉備が警備を任される屋敷の娘。思慕していた剣客と、自分が身の危険にさらされても守ろうとした父が命惜しさに裏切った事に失望するも、劉備の言葉に救われ、彼を信じて付いていこうとします。
この人が後の糜夫人(びふじん)になるのでしょうか…?劉備は彼女を邪魔扱いして置いて行こうとするし(最初に会った時はかっこ付けてたのに)、彼女は人間不信でちょっぴり怒り状態(1度に2人も信じていた人に裏切られ、劉備にも断られたので)で、まだまだ恋愛モードにはほど遠いです。
糜夫人兼甘夫人(阿斗=劉禅の母)という事も考えられます。
父への不信感もあったとは言え、家を飛び出して来る無鉄砲さはやはりお嬢様だからでしょうか。

この武将が発展途上
劉備と関羽。劉備は草鞋売りなので剣の扱いは出来ないのですが、重い鎧を着けても機敏に動ける素早さの持ち主。これが今後の戦での活躍に結び付きそうです。
関羽は登場した時、あまりにもあご髯が短かったので一瞬「これが関羽?」と目を疑ってしまいました。背も張飛より低いのですが、これからの成長(?)に期待しています。

次回予告!
次回の「破龍」は劉備が曹操と出会う話。雑誌の予告によると、黄巾党討伐の決戦前夜、とある村で偶然出会う曹操と劉備。しかし、その村には疫病がはびこっていた…という内容。
曹操が劉備をどう見るかも気になりますが、関羽をどう見るのかも気になります。…それは別の機会に描かれるかもしれませんが。2人の活躍も楽しみです!
次号(5月号)は4月15日(土)発売です。

追記 3月8日(水)
長池先生ニュース!
今日、また何気なく長池先生のHP「三国茶屋」を見に行ったら、以前は貂蝉と曹操だったTOP絵が劉備と曹操の絵に替わっていました!
これは次号掲載のカラー扉の原稿と思われます。
額に白い布を巻いた劉備と、金色の兜を被った曹操。劉備は白をまとっている為か、爽やかな印象です。緑のスカーフ(?)も鮮やかです。顔つきも女性受けするように(?)少し美形仕様になっている模様です。
曹操は派手な鎧や兜のイメージ通りで、余裕の笑みを見せています。
二人の後ろに見える白い龍も気になります。













長池とも子 三国志「破龍」・美女連環

2006-02-01 20:47:21 | 長池とも子「破龍」
三国志烈伝 破龍 第七話「連環の計」/長池とも子 著/秋田書店/発売中/雑誌価格580円(込)
内容とコメント「プリンセスGOLD」2月号に掲載された少女漫画版三国志。今回は曹操編で、ヒロインには「三国志」の架空の女性・貂蝉が登場します。
帝を手に入れ、暴虐を極める董卓を討とうと、単身乗り込んで暗殺を謀り、また連合軍に参加して討伐に当たる曹操だがいずれも失敗に終わる。
董卓の暗殺を諦めない曹操は司徒・王允(おういん)に董卓と、董卓を常に側にいて守っている猛将・呂布を、美女を使って仲たがいさせる計略を持ちかける。
「三国志」で誰もが一度は目にする美女連環の話ですが、この作品では王允ではなく曹操が企みます。貂蝉に頭を下げる場面も、彼女を従わせる狙いで曹操が行っています。
また、ここに登場する貂蝉は曹操に想いを寄せるようになり、曹操の天下の為に計略を成功させようと懸命な姿を見せます。
この設定が「女性の視点で描いた三国志」の特徴であり、斬新です。
見事に離間の計を成功させ、呂布に董卓を討たせ、危険を顧みず自分の元に戻ってきた貂蝉に対し、曹操はその口を封じようと刃を向けます…。
貂蝉の、大切な人の為に我が身を犠牲にする事をいとわない健気さも見どころの一つですが、曹操の心の動きにも大注目です。
今回は「連環の計」の話がメインなので、反董卓連合や董卓暗殺の話はわずかに語られるのみです。
夏侯惇もいきなり隻眼になっているで、この漫画だけで「三国志」を楽しまれている方は驚いてしまわれるかも。
この作品では何故か貂蝉にまでモテてしまう曹操ですが、女性だけでなく男性(武将や謀臣)にも慕われる曹操像も見てみたいです。

この女性がキラキラ♪
この漫画のヒロイン・貂蝉。外見は「貂蝉」のイメージを損なわない、それ以上の魔力がある少女の可憐さと大人のつやっぽさを併せ持つ姿です。舞を舞う姿も優雅で、呂布でなくとも見とれます。とてもきれいな人です。
大切な人の為に懸命になる事自体は尊敬に値します。…が、その健気さと運命に切なくなると同時に、夏侯惇が抱いたような脅威も正直覚えてしまいます。それがちょっと彼女に申し訳なく思うのですが。
曹操にふうわりと微笑む表情が清らかで美しいです。
もしかしたら、“○き○”いるかも…?

この武将がトホホ?
呂布。かっこ良い呂布をイメージされている方には評判悪いかもしれないフツーの「オジサン」風の呂布です。でも単純=純粋さはそのままです。
暴虐の限りを尽くしている董卓も長池先生の絵柄のせいか、かわいく見えてしまいます。
それと、今回は曹操が董卓暗殺に失敗し、故郷に逃げた話は大まかに語られるだけなので、陳宮は出番無しです。ちょっとがっかり、です。

この女性がキラリ!
やっぱり華蓮(かれん)さん!です
今回、彼女が側室・卞(べん)夫人である事が明かされ、貂蝉を「傾城の美女」に改造する役割で登場します。
さっぱりした気質はそのままに、貂蝉に対する心遣いを見せ、想像以上に粋で魅力的で大変良かったです。貂蝉にかけるセリフは経験から来たと思われるもので、含蓄があります。
この次は「母」である華蓮さんを見られるのでしょうか?やっぱり肝っ玉母さんかな?
楽しみです♪

この話も良かったです。(実は結末を書きたくてたまらないです)実際に読んで驚いていただきたいです。
今後も楽しみなので、単行本化、諦めませんぞ…(黄承彦‐こうしょうげん‐風)。






長池先生「破龍」第2巻サイン本

2006-01-30 21:02:58 | 長池とも子「破龍」
東京・池袋にある芳林堂書店コミックプラザで、先日お知らせした「破龍」のサイン本を入手しました。
写真だとこんな感じです。


と、言う訳で孔明の絵でした。
写真では見づらいのですが、サインは銀色のマーカーで書かれています。
結構店内をウロウロしてみたのですが、カラー原画のコピーポスターは無いようです。
天井から吊り下げられていた色んな漫画家さんのサイン色紙の中にも見当たりませんでした。ちょっと残念です。
それでも、単行本が新刊コーナーに大量に平積みされていたのは嬉しかったです。

余談ですが、ここの書店には、出版されたのをかなり後で知り、ずっと探し回っていた「GOGO玄徳くん!!」(潮出版社版の第1巻)が置いてあり、即購入した思い出もあるのでした。





長池とも子 三国志「破龍」第2巻

2006-01-16 20:33:41 | 長池とも子「破龍」
~三国志烈伝~破龍 二巻/長池とも子 著/秋田書店/刊行中/410円(込)
内容とコメント「プリンセスGOLD」に掲載された三国志の少女漫画。曹操、孫策、諸葛亮を主役にその生涯やエピソードに女性側の視点や恋愛劇を絡めており、それ以外にも今までに見られない新しい設定や展開が見られるのが特徴です。
今回の第2巻には「北部尉・曹操」「江東の暗雲」「臥龍の恋」と番外編「碧眼の花嫁」が収録されています。

「北部尉・曹操」…義理の兄、幼陽(ようよう)への想いを断ち切れないまま曹操に嫁いだ危娘(きじょう)。幼陽は妻帯し、夫の曹操は新しい女性を側室に迎え、ますます孤独を深める彼女ですが…。

「江東の暗雲」は、初陣する孫策を送り出し、病の母との生活に明け暮れる芳春(ほうしゅん)。まさか孫策が戦地で自分への想いを募らせているとも知らず。ある日、遠く洛陽に名医がいると聞かされ、母の為にその地に向かうが、それは彼女を危険視した孫策の親友・周瑜のはかりごとだった。一方、孫策にも悲劇が…。

「臥龍の恋」は、理由も聞かされず突然家庭教師を辞めてしまった孔明(諸葛亮)を追う名家の子女・黄月英(こうげつえい)は彼の固い決意を悟り、自分の想いを抑え込んでしまうのですが…。

番外編「碧眼の花嫁」は、孫策の父・孫堅(そんけん)が若き頃、後の伴侶となる呉栄(ごえい)と出会う話です。胡人と駆け落ちした母と、父譲りの碧い瞳を持つ少女・栄は母の生家・呉家にそれを不名誉とされ、ひたかくしにされて育ちます。その為自分は誰も関心を持ってくれない厄介者だと思っていたのでした。その美しさにすっかり心を奪われている若者が、捕らわれた彼女を助けに来るまでは…。
内容は雑誌掲載時と同じなので、今回は女性側の視点で作品紹介をして見ました。

この悪役がキラキラ♪
「碧眼の花嫁」の逃亡した水賊や、各作品の悪役。彼らの活躍無しでは、この作品でのハッピーエンドはあり得ませんでした。実際の歴史もこういった人たちの積み重ねの上に成立しているのかもしれませんね。

この演出がキラリ!
「臥龍の恋」のラスト8ページ。この部分は単行本描き下ろしで雑誌掲載時とはかなり異なる内容です。
雑誌では月英も孔明もお互いの気持ちをようやく明かす内容ですが、単行本では孔明には乱世を治める力があると力づけ、快く送り出そうとする月英と、気持ちを明かしてからはかなり積極的な孔明が描かれています。最初に読んでビックリしました。

関連項目(作品ごとのキラリ!武将と女性も書いています)
「破龍」第1巻紹介
「北部尉・曹操」(雑誌掲載時の紹介。以下同じ)
「江東の暗雲」
「臥龍の恋」
「碧眼の花嫁」

もう一つのブログで「破龍」への思い入れ(特に孫策編)や最新回の立ち読み感想を書いています。記事はこちらです。