駿 府 は 96 か 町

駿府はちぃっと覇気がないけぇが,御所(ごせ)っぽくていいじゃん【ごせっぽい≒平穏でせいせいしている様】

沙羅双樹の花の色

2012年06月28日 06時06分06秒 | ちょいとお出かけ
▽ 東西500m南北600mの境内地の妙心寺南総門(京都市右京区花園妙心寺町)


▽ 東林院






京都の禅寺のなかで最も広大な面積を持つ妙心寺には
46もの塔頭(たっちゅう)がありますが
その多くは普段公開されていません。

その塔頭のひとつである東林院も通常は非公開なのですが
この寺を有名にしている「沙羅双樹」の花が咲く
6月の一定期間(今年は6月15日~7月1日)は
拝観を受け入れています。

庭は枯山水式を基本として
白砂、石組の部分のほか
苔地と植栽部分から成っていて
かつてはこの庭の中央に
樹齢300年を超える沙羅双樹の大木があり
その枝が庭全体を覆っていたということです。

残念ながら
2004年にこの大木は枯死してしまい
今は樹齢20年ほどのものが
10数本植えられています。

それでも
この花を愛でようと
この時期多くの人がこの寺院を訪れます。








沙羅双樹というと
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色 盛者必衰のことわりをあらはす
 奢れる人も久しからず 唯春の夜の夢のごとし」
という
平家物語の冒頭が思い出されます。

日本で一般に沙羅双樹と言われる花は
釈迦が亡くなるときにいっせいに開花したというインドの沙羅双樹とは違う花ということですが
平家物語の沙羅双樹は日本の沙羅双樹をイメージしているようです。

ナツツバキの異名を持つこの花は
朝、花を付けても
夕にはその花を落とすということで
無常観を具現化したかのような花です。

花をつけた姿ももちろんいいのですが
苔むす庭に散っている多くの花の方にこそ
心が動かされるのも事実のようです。

拝観料が1680円と少々高いので
(抹茶と和菓子がついています)
ちゅうちょする向きもあるかもしれませんが
しばし無常観にふれる価値は十分にあります。



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