誰にだってきっと
一生懸命で
熱くて、
のめり込んでいた
時代はある。
恋人時代…というより
蜜月時代とでも呼ぼうか…
恋人=女ではなく
恋人と比喩するものは
時にはギターだったり
バンド仲間であったり、
あの時は
はしゃいでいた時代だったし、
明日がどちらに向かうかも
知らなかったし、
会えば ライブの話
曲作りの話
仕事と趣味の両立が
絶妙なバランスで
保てた時代
僕たちの蜜月時代。
恋人時代だった。
女性とあって感じるときめき
と同じかそれ以上の
ワクワク感を持つ事ができた
仲間との集まり。
飲みに行き
馬鹿話をし、次のライブの話し、
夢のような時間だった。
明日の活力の源だった。
あんなに充実した日々はなかった。
同じ方向を向き
同じ夢を見て
今できる精一杯を
エンジョイしていた。
僕たち三人は
それぞれバランスをとりながら
形を作ろうとしていた。
しかしながら
アイツがどこか
俺とYくんを蔑み自分だけが
抜き差しして浮き上がろうと
していった。
いいとこ取りのカッコつけ男の
奴も
バランスをとっている時は
楽しい奴なのに
どこかで
俺たち二人をとって捨て
踏みにじる態度が顕著になって
きたころ
僕たちのバンドは活動を辞めた。
確かに楽しい時期、時代はあった。
それももう、モノクロのように
色褪せて
今も、僕に笑いかけている