よしだたくろう
の名を轟かせ販売セールスが
当時のアルバムにして、
シングル盤並に売れて行った
脅威のアルバム。
レコード店にも入荷待ち状態があったという
伝説のアルバム。
ステレオの普及とフォークの市民権
確立といった
追い風と
自身の大ヒット「結婚しようよ」
に続く「旅の宿」が収録された
アルバムでもあり
いわゆるフォークのプリンス
貴公子とまで言われた
あの頃のよしだたくろうさん。
「結婚しようよ」という歌が巷に流れ
小学生
中学年頃の僕が
スーパーの有線放送で聞いた記憶のある
「結婚しようよ」も
どこか軽やかで歌謡曲にない
自由な言葉と身近な語り言葉が
耳馴染みよく
小学生でもほのぼの聴き入ることが
出来たくらいだから
でも、はたして、
その歌が
かの、よしだたくろうさんだと知るのは
も少し後だったわけだけど……
アルバム「元気です」自体を
手に入れるまで、まだ……
4年後になる。
吉田拓郎ファンになってから
中学に上がり少ない小遣いを貯めて
徐々に買い集めた
名盤 「元気です」
知ってる曲
初めて聞く曲
お得感満載の15曲入り。
A面 1曲目
「春だったね」
オルガンの軽快なリードの主旋律
C Am C Am のあのイントロ
跳ねる感じでアルバム全体の印象を
決定付ける
第1曲目から
フォーキーだけどGroove感もあり
なんていっても
あの字余り……
音符に歌詞をねじ込んむかんじ
それまで音符ひとつに
1文字が普通の曲作りのところ
ひとつの音符に言葉は2個3個
とよしだたくろうさんの
作品には存在する。
特に「春だったね」はそうだし、
本人曰くボブ・ディランを意識したと
言われるくらい
確かにディラン風。
パックインミュージックのパーソナリティ
をやられてた時
歌詞募集し、その時のリスナーさんからの
歌詞に曲をつけた
「春だったね」
確かに歌詞が良かった。
歌詞に曲がついていたような
いい歌詞である。
その後 スタンダード・ナンバー的に
「落陽」とに分する
拓郎ファンに愛される曲である。
2曲目 「せんこう花火」
短すぎて
え?もう終わりって感じ
当時初めて聞いた感想は
何が言いたいのか?
難解な文学小説を読んだ後のような……
🎶せんこう花火が欲しいんです。
その次が
🎶海へ行こうと思います。
ときて、
🎶誰かせんこう花火をください
と尋ねて
🎶ひとりぼっちの私に
と自分の置かれた立場を説明
ぅぅぅぅ〜ん
わからん……
まま時は過ぎた。
3曲目 「加川良の手紙」
三拍子の曲
ほのぼのと
手紙の内容をダラダラと歌ってる印象。
何なん?
って思ったのが第一印象
アルバムって自由やなぁ
やりたいことをやる
そんな印象だったし、
それがいっぱい詰め込まれてる。
実際加川良さんが書いた手紙?なのか
歌詞なのかを
当時コンサートで一緒に回ってたりしていて、
楽屋で加川良さんのこの歌詞を拝借して
もらって、
歌にしたというエピソード。
だからタイトルも 「加川良の手紙」となった。
4曲目 「親切」
この辺になると
よしだたくろう節 全開になる
詩の内容が
かなり尖っていて
聞いてて、いいぞ!なんかエネルギーを
発散出来る同期できる感覚が
この歌にはあった。
大人しめなフォークではなく
紛れもなく
ロックに近い。
5曲目 「夏休み」
名曲は5番目に隠されていた。
唱歌的な今で言えば
日本の原風景的な
まだこのアルバムを聞いていた頃は
そこまで懐かしさはなかったまでも
今 に至れば
この夏休みって歌は
遠い幼い頃の記憶として
大切に歌にパッケージされて
誰しも共感できる思い出の歌になっている。
6曲目 「馬」
この歌も短い。(笑)
オチャラケ拓郎。
馬の夢を見た
そのまま歌にしたということ。
漫画的な……
当時黒鉄ヒロシさんと親交があったようで、漫画的と言えばそんな感じの歌。
当時コンサートでもレパートリーでよく歌われていた。
7曲目 「たどり着いたらいつも雨降り」
モップスに提供した歌はロックに仕上がり
自身のアルバムでは
フォーキーなアレンジ
どちらもいい感じなのだが
元歌が
「好きになったよ女の子」
をこれもパックインミュージックで
心の中で傘をさして裸足で歩いてる自分が見える
というフレーズをひらめき
後にモップスから曲の依頼があり
歌詞を作り替えて
「たどり着いたらいつも雨降り」の作品として出来上がったとか……
気だるい やるせない
若い時にあるあの感情が
当時思春期の多感なガキだった僕にも
共感できた
歌の歌詞だった。
B面
1曲目
8曲目 「高円寺」
コードが2つで
その繰り返し 多重録音で輪唱のように
拓郎さんの声がおっかけてくる
何気ない電車の中での
出来事を
リズミカルであり
単調なカッティングの曲
でありながら
なんか気になる歌。
これもコンサートでよく歌われていた。
ギター弾き語りで向かうところ敵無し
的な圧倒感を持ってた。
9曲目 「こっちを向いてくれ」
これも三拍子のバラード
岡本おさみさんの詩が
可愛い感じがして
僕は好き。
拓郎さんのファルセットも聴けて……
やさしいラブソング。
10曲目 「まにあうかもしれない」
初期の頃の岡本おさみさん作品でも
抽象的でありながら
それぞれ聞き手に鼓舞させたり、
勇気づけしたり
共感を呼んだ歌でもある。
🎶僕は僕なりに自由に振舞ってきたし、
僕なりに生きてきたんだと思う
自分を振り返り
さらに変化していきたい願望
間に合うんだと
言い聞かせながら
メッセージを頂いた
勇気の曲。
拓郎さんも好きでよく歌っていたように
思う。
11曲目 「リンゴ」
コード進行が
かぐや姫の 「あの人の手紙」
とよく似ていて
同時に練習できて当時笑った覚えがある。
岡本おさみさんの詩には
情景によくよく
男女のやり取りを投影させる
場面が出てくる
リンゴを切って食べるまでの
何気ない情景にも
歌になる。
なんでも歌にしてしまう
12曲目 「また会おう」
もう 拓郎さんのシャウトが
当時聞いてて
少し 嫌だった。
なんか無理矢理感が
馴染めず
また、歌詞も岡本おさみさん
あいつの背中に斧を打ち込み
なんて表現が
怖くて……
嫌だった歌
よく飛ばして聞いていた。
13曲目 「旅の宿」
アルバムバージョンが大ヒット
ギターの完コピに手こずった名曲は
この歌なくしては
拓郎ファンに
あらずと思うほど
抒情派フォークとしても
説得力を持つ
岡本おさみ
よしだたくろう
作品の中でも秀逸な作品だ。
14曲目 「祭りのあと」
よしだたくろうオンステージ第2集 に収めらてる
初期の作品
「ゆうべの夢」の曲を流用。
こちらはバラードに曲調を変えて
リユース。大人の歌で
詩の世界もまだ理解不足だった。
苦いお酒を初めて飲んだ時の様な
これが大人の仲間入りかぁ
みたいな
そんな感覚で聞いた難しい歌だった。
15曲目 「ガラスの言葉」
六文銭の及川恒平さんの絵本的な詩にEで始まる弾き語りには心地いい歌。
これも完コピには時間がかかった。
初期のコンサートでたまにやってた歌
アルバムは静かに少しホンワカして終わる。
レコードから
ラジカセに録音して
簡単に手軽に聞けるようになっていた当時
A面とB面の曲数のバランスが合わずに
どうしてもB面の方が多くなり
テープの時間数を60分テープにしないとダメだった。A面は45分に入るけど
B面は入らない
やたらテープのA面に空きがでて困った
ことを思い出す。
いちいちレコードだと針を乗せたり下ろしたり自動で戻っても面をひっくり返したりが面倒で
その点カセットテープは手軽で便利だった。
何回も聞くにはカセットテープは
当時の宝物だった。
拓郎さんのアルバムのコンプリートまで
あと2枚
よしだたくろう オンステージ第1集 ともだち
と
第2集を残すのみだった。
よしだたくろうを知る
興味はマニア化となりうるところまで
きていた僕だった。
当時帰れ帰れと
アンチ拓郎ファンからの逆風の中で発売された「元気です」
そんな状況を理解するのも遅れてからだった。
リアルタイムで聴いてなかった分
当時をしのぶ形で
思いは拡大し神格化していった。
ライナーノーツに記されてる当時のよしだたくろうさん言葉が
せつない。
帰れと言った方も
言われた方もその時から敵味方
自由だった歌がそんな締め付けと定義に縛られるのなら
フォークなんて嫌だと
でも
元気です。と
言葉を結んでいた。