僕と音楽
オヤジと音楽
僕と歌
オヤジと歌
好きな歌を口ずさんでいるとか
歌番組をみるとか
そんなところが一切なかった
オヤジだったが
レコードを買って
プレーヤーで聴いてたレコードの中に
青江美奈の
国際線待合室
というレコードがあったのは
覚えてる
あとは浪曲が好きだったのかな?
それと多分宴会や酒の席で
歌って盛り上がってたのが
「炭坑節」だったのかな?
と思い返させるところが
あった。
僕と弟をつれて会社の行楽に
みかん狩りに行ったことがあった
昼をたべながら飲みながら
みかん畑で皆がいい気分の中で
オヤジの部下らしい人から
「〇〇さん!炭坑節歌ってよ!」と
お声がかかった。
みかん狩りに来る時の行きのバスで
ほどなく飲みすぎて
ほぼ 酔って出来上がってしまった
オヤジは歌うどころか、
気持ちよさそうに
寝てしまっていた
恥ずかしさと昼間からの酒も手伝って子供の前での照れ隠しもあり
僕らの前で歌うことは
ついぞ
一回もなかった。
だけど
会社の人たちの前では
多分、歌ってたのだろうと思う。
リクエストがかかった事を思うと
そんな茶目っ気のあった
オヤジだったのだろうと…
(そっかぁ、炭坑節歌ってたんだぁ…)
その時記憶して
オヤジ=炭坑節というイメージは僕の中で出来上がった。
炭坑労働者によって歌われた民謡だという始まりの
この歌は
盆踊りでもよく聞く歌でもあるし
オヤジも大分の田舎で
苦労して働いていた時に
多分口ずさんでいたのかも
しれないと
思いを馳せてみたりする
少し、調子のいい
メロディーの中にも
辛さや悲しさを吹き飛ばす
芯の強さを感じさせる
先の見えない苦労のたえない
日々を生きていた時代
一息つける
歌によって
気持ちと心に
勇気と希望を持ちえた
ものだったのだろうか…