トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

MT4 自動売買(EA)でどこまで勝てる?

2018-04-21 11:10:26 | 投資

 一般のトレーダーにとって自動売買は理想の世界である。もし、必勝のチャートパターンがあり、そのパターンをプログラム化すれば常勝への道に繋がるはずであると。こうして、自動売買システムへのあくなき探索が始まることになる。 

 しかし、この思考過程は根本的に間違っていることに気付くべきである。先ず、必勝パターンなるものは存在しない。もし、そのようなものがあれば、市場には勝者があふれることになり、敗者は存在しなくなる。古今名だたるFXトレーダーであっても、勝率は必ずしも高くなく、むしろ損切りの繰り返しの先にある数少ない利食いのチャンスを最大限に伸ばしている現実に目を向ける必要がある。プロのトレーダーも経験と実績で培ったノウハウに従って市場に参入するのであるが、その知識や確信はたびたび裏切られる。しかし、一定の期間ならしてみれば全体として利益確定額が損切り額を上回るという結果を残しているということだ。 

 ヘッジファンドと称されるFX(運用)投機業者の大半は、今やAIを組み込んだアルゴリズム取引(自動売買)を大々的に利用していることが知られている。トレーダーの持つ経験や知識はプログラム化できるし、市場を24時間ウオッチすることは、コンピュータの最も得意とするところだ。つまりFX取引においては、今やトレーダーという人間は不要となっているのである。しからば、ヘッジファンドが常に高い運用実績を残しているかというと、それがそうでもないというから分からなくなってくる。FXはどのみち人がやってもコンピュータがやっても扱いにくい代物なのである。こうして、MT4のEAに頼ればFXで好結果が残せると単純に考えることは間違いであることが分かってくる。世の中に氾濫している勝率何百パーセントと謳っているEAも先ず疑ってかかるのが賢明だ。元も子も失うことになりかねない。 

 それではEAをいかに使うべきなのか、筆者の見解を述べてみたい。EAによる自動売買の最大のメリットは決められた時間帯で、決められた論理式に従って忠実に売買を行うことである。換言すれば、チャンスを決して逃さないという点にある。コンピュータがチャンスと認識して実行された取引が必ずしも勝ちにつながるとは限らない。しばしば期待は裏切られるから、その際には躊躇なく損切りを実行する。期待通りに相場が動いた際には、その利益を極大化してくれる仕組みもプログラムすることも可能である。 

 結論として、EAによる自動売買を行うメリットは次の2点に纏めることができる。

① 取引の開始、利確、損切りを寸分の狂いもなく実行できること。即ち、市場を絶えずウオッチして単純作業を繰り返すという人間の限界を超えた処理能力が最大のメリットとなる。

② 先述の通り、必勝パターンなるものは存在しないが、比較的勝ちやすい戦術はある。①と②をうまく組み合したプログラムが作成できれば、勝てるEAということであるが、この勝ちやすい戦術というのが曲者だ。 

 よく言われることだが、いかに優秀なEAであっても、数ヶ月もすると機能しなくなるのが普通だ。理由は、「FXメタトレーダー入門」や「同実践プログラミング」の著者、神奈川大学工学部教授・豊嶋久道先生分析のとおり、FXレートの動きは限りなくランダムウオークに近いからだ。しばらくFXの動きに法則性があっても、それはいずれ消失してしまう運命にあるからである。(前ブログで紹介のとおり) 

 ランダムウオークに近いFXの性質を利用した戦術の一つが「トラップリピートイフダン(TrapRepeatIFD)である。当ブログでも数回にわたりその戦術につき紹介しているので参考にしていただきたい。筆者の関係するMetaGenicFXでもMT4 EAに加えてMT5 EAも公開しているので、ご利用をお勧めする。 

 次にFX取引で初心者でもよくトライされるのが、トレンドライン戦術である。トレンドラインを引くのは、チャート分析の基本であるので、誰もが取引経験を有するのであるが、このトレンドラインで自動売買を行っている人は数少ない。MT4チャート上に勝手に引いた上値抵抗線や下値支持線を利用してEAによる自動売買ができるのかと訝しく思われる方も多いが、MT4やMT5はとても柔軟なシステムであるので、このことを可能ならしめている。こちらのEAもMetaGenicFXにて開発・公開したのであるが、目下、改訂中である。トレンドラインを利用した順張り・逆張り対応型に改良し近々公開の予定である。旧版(順張りブレイク型)お求めの方には、MetaGenic社より無料で差し替え分が送付されるということなので、期待していてほしい。 

 最後にプロが勧める戦術の一つに「西山孝四郎氏の順張り戦術」がある。筆者は、セミナー講師の勧める戦術を一般的に取り入れることはないが、西山孝四郎(別ペンネーム石原順)氏の手法は特別で、自分の裁量取引にも利用させていただいている。同氏の利用するインディケータもMT4で100%対応するとともに、より判断しやすいように氏のオリジナルに改良を加えている。同EAも開発完了し現在公開中につき参照されたい。 

 以上、3件の手法とEAを紹介したが、いずれも筆者の実取引でも有効であることが確認されている。西山式は少し性質が違うが、1時間以下の時間足で欧州時間帯から米国時間帯にかけて運用している。レンジ相場になりがちな東京の時間帯では作動させていない。 

 最後に、TrapRepeatIFD及びトレンドライン手法では、VPSを必要としない。手動で充分であることは、過去のブログを参照されたい。西山式順張り手法も夜間5~6時間の短期デイトレなら自己のパソコン上、EAを走らせておくことで自動売買が可能だ。



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