トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

一括Close、一括DeleteするMT4スクリプトに加えて

2017-07-18 11:40:02 | 投資

 FXトレード戦略の中には、少額且つ多数のポジションや待機注文(指値・逆指値注文)をとるものがある。トラップ取引などはその典型で、ポジヨンの数と待機注文の数を併せると20を超えることはざらである。このような取引で、全ポジションを個別に決済したり、指値・逆指値注文の全部を個別に取り消したりするのはとても厄介であるが、その際にお世話になるのが、Close_AllとかDelete_Allという名称で出回っているスクリプト(Scripts)である。筆者もこのスクリプトを時々使わせていただいていたが、ある時に大変な目に遭って以来、面倒ではあるが、ひとつひとつ地道に決済や削除を行っていた。 

 MT4チャートでは、通常複数通貨ペアの画面をセットで開いているが(初期設定では4画面)、そのような状態で、Close_AllやDelete_Allを使用すると、すべての通貨ペアのポジションが決済されたり、待機注文が取り消されたりしてしまうのだ。ドラッグアンドドロップでUSDJPYのみのポジションの待機注文を取り消すはずであったのに、となりのEURUSDやGBPUSDに係るものまで、全て決済・削除されてしまったのである。 

 他からの要請もあったようで、筆者の関係するMetaGenic社から、各通貨ペア別個に働く全決済、全取消しのスクリプトを開発するようにとの依頼を受けた。さしずめClose_ALL_bySymbol、Delete_All_bySymbolといったところか。実を言うと筆者自らの必要性から、そのような機能のスクリプトは既に作成しており、実際の取引で使っていた。それらをそのまま渡してもよかったのであるが、それだけではただの便利なツールというだけで、実際の取引戦略に積極的に役立つものではない。新たな付加価値が必要だ。そこで次のような機能を持つModify_All_bySymbolをセットに加えることにした。 

Modify_All_bySymbol

 一括決済、一括取消しを多く使用するトレーダーはトラリピ等のトラップ取引をする人が多いであろうことは容易に想像できる。今回新たに開発したスクリプトModify_All_bySymbolは待機注文に係る「注文価格、損切り値、利確値」を通貨ペア毎に一括変更する機能を有する。 

 この機能はトラリピを順張りで行う場合には、大変有利な武器となる。例として、現値が115.00の時、USDJPYの順張り買いトラリピを110.00 ~ 120.00の範囲でトラップ間隔50pips, 利確50pipsで設定したとする。また、逆指値発動の条件は、現値があるトラップの一段下のトラップに達した際に発注されるものとする。(114.50になれば115.00の逆指値買い注文が出される等) 

 ところが、案に相違して相場はほぼ一直線に下落108.00に達してしまった。逆指値注文のみであるから、相場が108.00に達した段階では、下記のような逆指値買い注文出されていることになる。上から順に;

①118.00 ②117.50 ③117.00 ④116.50 ⑤116.00 ⑥115.50以下⑳110.00まで20本の逆指値買い注文が出されている。この例では、話を単純化するために、115.00からの下落では、途中50pips以上の綾戻しもなかったものとしている。また、118.00以上の注文がないのは、EAの注文範囲が現値(115.00)から300pips以内とデフォルトで設定されているからである。 

 ここから先は、トラリピで勝ち続けている人の企業秘密でもある。上記の注文群は一見無駄な注文であろう。実際115.00超の注文は当面不必要であるから、それらの6本の注文は取り消すことにしよう。残った14本の注文をうまく使うことによって、不利な環境を逆手に取ることも可能なのである。 

 相場は、108.00で底を打って戻り始めた。109.00を越えたら本格的な回復相場となるであろうとの確信がある場合に、巧者は14本の逆指値注文を一か所に集中させるのだ。14本が多過ぎると思えば、5本のみとすればよい。上から9本を取り消せばよい。現値(108..00前後)から300pips外の注文であれば、それら注文を取り消してもEAにより自動再発注されることはない。(EAのダイアログボックスを開いて自動売買を止めておけば確実) 

 その際に、Modify_All_bySymbolが大いに役立つ。スクリプトをドラグアンドドロップでUSDJPYに適用すると次のようなダイアログボックスが現れる。(デフォルトではいずれの数値も0.00)

 

新価格を109.00に利確を109.50に設定すれば。上記の14本ないし5本の逆指値注文は、1点に集約させることができる。注文を1本に纏めたわけではないので、注文は未だ別個のままであり、EAはマジックナンバーにより各別にコントロールし続ける。相場が109.00から199.50と思惑通りに動けば、今までの忍耐は一挙に報われることになる。 トラリピEAにトレイリングストップ機能が付いていれば理想的だ。

上記3種のスクリプトは現在MetaGenic社にて準備中。

https://metagenicfx.thebase.in/


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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-11-21 21:25:00
文章の最後の方に「新価格を119.00に利確を119.50に設定すれば。・・・」とありますが、これは109.00、109.50の誤りではないでしょうか?
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Unknown (管理人)
2018-11-21 22:12:29
ご指摘ありがとうございます。
ダイアログボックスの設定も誤っておりましたので、画像を差し替えました。
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