トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

MT4で負けないトラリピを実践

2019-04-08 12:35:32 | 投資

 前ブログにて、本来比較的負け難いトラリピ運用を、少しMT4上で工夫をすればより安全・確実な手法に改善させることができることを述べました。本日は、実際にこれをリアルで運用してみたいと思います。

 低額・低レバレッジの運用ですから、実際は4~5通貨ペアを対象としますが、ここではUERUSDでの運用を公開して一般の評価を待ちたいと思います。 

一、基本方針

① 自分のパソコンだけで行う自動取引(半自動)です

 トラップ幅は日足の平均高低差ATR(期間14)の1/2程度とします。EURUSDのATRは現在57.5ピップスとなっているので、トラップ幅は30ピップス程度に設定。日足の高値と安値の半分程度をトラップ幅及び利確幅とする理由は、1日1回程度の利確が期待できることと、MT4でのEA運用を手動で行うことが可能となるからです。EAを運用するには、通常外部コンピュータ(VPS)をレンタルする必要がありますが、トラップ幅が日足ATRの半分程度であれば、1日に2~4回パソコンのスイッチをオンにするだけで十分です。コストのかかる外部コンピュータの利用は必要ありません。

② 順張りの逆指値注文で臨みます

 逆指値注文と言いますと、現値より高い価格の買い注文や現値より低い価格での売り注文のことを意味しますが、このMT4方式はそのような概念を超えています。MT4では将来の一定価格より高い価格での売り注文や、将来の一定価格より低い価格での売り注文も可能なのです。したがって、そのような一定価格に達するまでは、逆指値注文(待機注文)が出されることはありません。この点が、一般のトラリピやサイクル注文とは決定的に異なるところです。ドル円で言えば、現在の価格は111.70ですが、「将来113.00になれば112.50の売り注文を出せ」という逆指値注文が出すことができるのです。いわば待機注文の待機注文が可能となります。実際、相場が113まで上昇した場合には、112.50の逆指値売り注文が出されます。仮に相場がどんどん上昇して115になったとしても112.50の売り注文は待機注文として残るだけで決してポジションとなることはありません。通常の指値売り注文であれば、大きな含み損を抱え込むことになります。 

二、売りか買いか

 無責任に申し上げれば、MT4による特殊逆指値順張りで臨めばどちらをとっても大損につながることはありませんが、今回はEURUSDの売りトラリピとします。ファンダメンタルでユーロが先行き弱いことは衆目の一致するところであることに加えて、次に示す二つのチャートをその根拠としました。

① 一目均衡表(週足)

 

② ペンタゴンチャート(日足)

 一目均衡表はいわゆる三役陰転の状態であり、当分弱含み推移とみて間違いありません。戻り売りが基本戦略となるでしょう。ペンタゴンチャートは、現足はペンタゴンの中心を通過したところです。今後はこれまでの対角線に沿って下げ続ける見方が主流ですが、逆の対角線にも差し掛かっているのでこれに沿って上昇するとする見方もあり得ます。一目の基準線は1.1398、ペンタゴンの上辺もほぼ同位置にあるので、ここを最上段とするトラップを仕掛けることとします。 

三、EA設定およびチャートへの展開

① 設定画面

 

② トラリピ設定後のチャート

 

③ 逆指値注文の明細

 

④ トラリピ設定の詳細

設定開始:2019.04.08_10.40

開始時の現在価格:1.12173

MAGIC: マジックナンバーは自動設定、同一通貨ペアで複数のEAを作動させる場合は、MAGICを変更する必要あり。

Lots: ここでは€1000、複数ペアで運用するので少額での運用が基本。

Positions:1.1398を最高価格(OpenPrice)とする20本のトラップ。

売り逆指値注文:SellTrapとStopOrderOnly(逆指値)をtrueとする。

OpenPrice:売りの最高値注文 1.1398、買いの場合は最安値となる。

TrapIntvl(トラップ幅):32ピップス、日足ATRのおおよそ半分。

TakeProfitPips: 30ピップス、スプレッドにより注文のみ実行されて、利確ができない状態になることを避けるため、トラップ幅より2ピップス小さい。

TrapTriggerPips:今回は20ピップスに設定、現在の逆指値注文の最高値は1.11740であるが、もう一段上の注文1.12060は未だ出されていない。現在価格がさらに32ピップス高くなった1.12380以上の値を付けた瞬間に発注される。

OrderRangePips:200ピップスに限定。注文数は最大20まで可能であるが、現値より大きく離れた注文を出す必要はないから、現値より200ピップス以内の注文のみに限定される。レンジの範囲に入ればEAが自動的に判断して発注する。

TrailingStop:EAにはトレイリングストップの機能もあるが、今回は使っていない。手動(半自動)で行う場合は、この機能は不要である。

⑤ 自己のパソコンのみでの運用

 自己のパソコンで上記設定を終了した後、パソコンのスイッチを切った場合のことを考えてみます。パソコンを閉じた後に相場が下げ1.1174の注文が約定しました。1.1174の売り注文はIFD注文に他なりませんから、相場が1.1144まで下がれば業者のサーバーが自動的に利益確定をしてくれます。パソコンのスイッチを切っておいても何の問題もありません。問題は、1.1144を付けた相場がその後急反発しトラリピ開始時点の1.12173まで回復したとしましょう。しかし、パソコンのスイッチを切っているので、本来再度発注されるべき1.1174の注文は出されておりません。本当に実害が生ずるのは、相場が再び1.1144まで下げてしまったときです。この場合は、1トラップ分の利益の逸失が生じてしまいます。 

 でも、よく考えてみると、EURUSDの1日平均高低差(ATR14)が60ピップスの状況で相場が短時間のうちに129ピップスを往復するようなことはあり得ないといってよいでしょう。前にも述べましたが、パソコンを一日3~4回オンにしてやることで十分なのです。もし、再度発注されていないトラップがあれば、EAが瞬時に発見して注文を発してくれるからです。MT4 EAによる半自動をお勧めする理由です。 

終わりに 

 設定後相場がどちらに動こうと心配はいりません。見通し通り、相場がどんどん下げてくれれば、次々と利確をしてくれますし、逆にどんどん上がっても20ピップス下に逆指値売り注文を出すだけで、決してポシションを取ることはありません。どこかで反転し、再び相場が下げ始めた暁には、逆指値注文が順次約定し、下げのトレンド相場を順張りで謳歌することになるでしょう。 

 ことがすべて期待通りにはいかないでしょうが、リスクへの対応策はすべて準備しましたので、自信をもって相場に向かうことができます。



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