トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

MetaTrader (MT4)はコンピュータ言語習得の一里塚

2022-12-14 13:52:15 | 投資

 「好きこそものの上手なれ」という格言はコンピュータ言語を学ぶ際にもそのまま当てはまる。

 高級言語の基礎と言われるCやC++の教科書を買ってきて勉学を志す人は多い。しかし、大方はものの数ページ読み始めたところでお手上げ状態となり、そのうちその本は書棚の奥深くにしまい込まれる運命となる。文科系出身者の筆者においても同様で、全ての試みは徒労に終わってしまった。

 職場では財務に所属していた経験から、FXトレードには取引自由化と同時に参入、週日の夜はFX取引に明け暮れていた。当時は、日本にもFX業者が次々と誕生し、各社は積極的にセミナーを開催し顧客獲得に精出していたものだ。

 FX取引を行っていると世界の政治・経済の動きが為替レートの動きに刻一刻と反映される。政治経済音痴はたちどころに解消されることとなる。たとえ、職場を離れ年金生活に入った人でもFXに携わっていると、まだまだ現役感覚は抜けきらない。脳若返り止メリットNo.1である。

 海外業者の情報も入ってくる。海外での取引プラットフォーム(取引システム)をみると、大方の業者がMetaTrader4 (MT4)というシステムを採用していることを知ることになる。都合の良いことに、そのシステムは無料でデモ口座を一般に開放しており、ありとあらゆる分析指標をそのチャート上に描画させることができる。日本の業者では、各業者が提供する分析指標は区々かつ限定的であるため不便極まりなかったものが、一つの画面であらゆる分析ができるので、大いに助かったものだ。加えて、MT4が提供するエディター上でプログラムを書くことができれば、チャート上で相場分析指標はおろか自動売買プログラムまで作成・運用できるといった代物である。当時は、理解していなかったが、MT4のプログラム言語(MQL4)はC++の子供のようなもので、分析指標や自動売買のプログラム(EA)を自作することができれば、CやC++の基礎は自然にマスターしてしまうことになる。

 EAを自作したい一心で、豊嶋久道先生の「メタトレーダー入門」を買ってきて挌闘を始めたものだ。五里霧中、でも好きこそものの上手を目指して必死に食らいついていた。最初の「移動平均線の指標作成」例を突破するまでに6ケ月近くかかっている。コンピュータの得意とする条件分岐(if構文)や繰り返し(ループ)を習得するまで漕ぎつければしめたものだ。分からないところは、豊嶋先生のサイトに質問を入れると丁寧にお答えをいただいた。ネットには多くの分析指標(インジケータ)や自動売買プログラム(EA)が公開されているから、それを少しいじって自分なりに改良することもできる。豊嶋先生はそのブログで、「MT4のプログラム作成には、C言語の基礎を弁えている方が良い」と述べられていたが、筆者の考えはその逆である。全くの素人には、EAを作成している間に自然とC言語の基礎が身につく方がより現実的でありがたい。

 そのあとは弾みがついてどんどん前に進むことができる。中級クラスになると、自分で関数の作成も可能となり、その先には独自のライブラリー作成も視野に入ってくる。

 近所の書店に立ち寄るとおびただしい数のコンピュータ言語教本が目に入る。C以外の書物を手に取ってページをめくっていても以前のような違和感はなくなっている。CやC++と似通ったところが多いので、必要とあればいつでも利用できそうな感覚である。必要に駆られてMT4(MQL4)から学び始めた副次的効果である。

 現在、最も身近に感じるのはパソコンやスマホで使われているコンピュータ言語だ。こちらは、見てくれはとても複雑であるが、中身は高級言語に比較してとてもシンプルである。つまり、職人的に決まり事を覚えていくプロセスの連続である。ウェブデザイナーに美的感覚を有しかつ忍耐力のある女性が多いのもうなずける。

 Web Designの勉強方法にも工夫を要する。自前のブログサイトや企業サイトを立ち上げたいとの思いで、書籍を購入することは当初は避けた方がよい。自分の手を動かしつつ学ぶプロセスを経ることが避けられない。筆者も重宝した動画サイトがあるので、これについては稿を改める。