猫五郎の写真日記

なんか、写真よりも文章がメインになってます。しかも、くどい。要改善。でもなかなかねぇ。

2021/04/10 f=2,500mm F4 巨大ニュートンとの格闘

2021-04-11 16:32:48 | 天体望遠鏡

緊急事態宣言が解除されました。
状況的には新型コロナウイルスの第一波と第二波を軽く飛び越え、第三波をも凌ぐ大波になりそうな第4波が進行中です。
が、緊急事態宣言は解除されています。
山梨に行ってきました。

この週末は正直、天気が期待できなかった。
GPV天気予報を何度見てもカラッと晴れる感じではない。
運が良くても、薄雲越しの撮影になりそう。
でも、それで大いに結構でした。
実はこの夜、撮影する気はまったく無し。
調整作業をするつもりだったので、星さえ見えてくれればよかったのです。

巨大ニュートンでオートガイドを始めました。
友人がオートガイドができるようにArduinoのコントローラーを作り替えてくれました。
喜び勇んだものの、これがなかなかうまくいかない。
うまく行くこともあるのですが、安定した成果が上がらない。
オートガイドのプログラム自体は、間違っていないはず。
赤道儀も、プログラムの指示通りに動いているように思います。
だけど、うまくいかない。
天頂に向けると、ガイド星でお手玉するように、ガイド星を中心に行ったり来たりしてしまいます。

焦点距離が2,500mmと長いので、PHD2でのデフォルトプログラムでは動作が粗雑になりすぎるのかと考え、友人が赤道儀のコントローラーであるArduinoのプログラムをいじり、キャリブレーション・ステップでの動作をデフォルトの1/4に設定してくれました。

また、天頂方向を撮影する場合、バランスが良すぎるとかえってオートガイドの動作が暴れるのではないかと考え、望遠鏡とカウンターウェイトのバランスをわざと崩してみました。
まずはウェイトを外側に移して、ウェイト側にバランスを崩してみました。


最初に狙ったのはそのとき天頂付近にあり、子午線を超えたばかりのM51 子持ち銀河。
ISO 1600
露出時間 900秒


等倍
これは素晴らしい。
900秒露出で点像が得られるならもう無敵です。



M51 子持ち銀河
ISO 6400
露出時間 300秒
1枚のみのコンポジット合成なし
目標天体を画像の中心にして撮影


この巨大ニュートンで、もうなんでも撮影できます!
無敵!



と、淡い夢を見ましたが、現実はそんなに甘くありませんでした。
次の瞬間。
なんだ、これは?
これはオートガイドの問題ではない。
この赤道儀の問題でしょう。
ピリオディックモーションの一種??
困った。


このあと、曇ってしまいました。
この夜は雲がひっきりなしに通り過ぎるし、空のほとんどは曇った状態だったので、雲間から星が見えると望遠鏡をそちらに向けることを繰り返していました。
オートガイドをしている間に雲がかかってしまうこと多々。


M57 リング星雲が東の空に上がって来ました。
望遠鏡を東の空に向けるために、望遠鏡を赤道儀の西側に振り、ウェイトを赤道儀の東側に配置しました。
西の空にあったM51の撮影がうまく行った時は、赤道儀の西側にあったウェイト側が重くなるようにバランスを崩していました。
ので、それに習い、東の空にあるM57を狙うにあたり、赤道儀の東側に配置したウェイトを赤道儀側に引き寄せて、赤道儀の西側に配置された望遠鏡側が重くなるようにバランスを崩してみました。


M57 リング星雲
ISO 1,600 露出時間 180秒
撮って出しです。

一見、問題なさそうに見えます。
この写真をA3で印刷してそこら辺に展示しても、良さそう。
通りがかりの皆さん、素直に「うわぁ〜!綺麗!」「素敵な写真ですね!」って言ってくれるんだと思います。
気にしているのは写真を撮った本人だけ。



これが等倍画像。
1枚の写真としては十分に見れるレベルなんです。
等倍で見なければいいのかもしれません。
でも、見てしまうと許容できないんですねぇ。
修正できるものは修正したくなる。



オートガイドの設定やらウェイトの位置やら、色々やってみたけど星が丸くならない。

ふと思って、1秒露出で撮影してみました。
なんと、星が丸く写らない原因は、ピントがいつの間にかズレていたことでした。
これが原因とあってはオートガイドの調整ではどうにもならない。


ピントを合わせたところ、星が丸くなりました。


この後、結局、曇ってしまって、何もできず。

このほか、気づかされたことがありました。
目標天体の導入が若干ズレたときに、ステラショットの微動(「設定」の隣の「望遠鏡」画面にある南北東西方向の▲ボタン)で目標天体を画面の中央にもってくると、そのあとPHD2によるオートガイドが正常動作しなくなることに気づきました。
PHD2をon camera接続した場合、赤道儀の動作はカメラのマイコンが指示を出すようです。
ステラショット2はon cameraとは別の指示系統でパルスモーターに微動指示を出しているらしく、使用するとPHD2の指示を上書きしてしまうようです。
ステラショットによる微動をおこなったあとは、PHD2のキャリブレーションステップの幅が大幅に大きくなり、オートガイドがうまく行かなくなるようです。
その場合は、パソコンもガイドカメラも再起動をかけないとダメなようです。


現時点では、もしかしたら、望遠鏡とウェイトのバランスを、西側が重くなるようにバランスを崩してやると、うまく行くのではないか?という感触を持ち始めています。

検証を繰り返し、オートガイドが安定的に動作するように、赤道儀やらPHD2の設定やら、追い込んで行きたいです。
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2 コメント

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Unknown ((^0^)コメト)
2021-04-12 18:53:26
猫五郎さんこんばんは

あーこれ以上に期待する★像はシビアなのか?と思いますが、
天文台でもある程度以上は見逃して宜しい。。としているようで、
望遠鏡メーカもあまり気にして出荷しないのだそうです。(^0^;

それも其の筈、どんだけ追い込んでも誤差は付き物ですから、
満足の行く調整などあり得ないとも思います。
調整で苦労するなら、いっそ短時間で決着する条件を整える
べきか?と思いますが、限界を信じないならさーてどこ迄やりまっか?
今少し追い込んでみて解決。。と思いますんで、頑張ってチョ!(^0^8
返信する
Unknown (猫五郎)
2021-04-14 08:26:44
(^0^)コメトさん

2年間かけてやっとここまできました。

●落ちた床、錆び付いて動かないスライディング・ルーフの修復
●建物の全面塗装
●故障した駆動系の修理(モーターの交換、擦り減って凸凹になったギアの修理などなど)
●総重量1トン近い望遠鏡+赤道儀の極軸合わせ
●Arduinoコントローラーによる赤道儀の制御システム構築

そして、とうとう、オートガイド!

赤道儀も錆びついた状態から、まさかこんな日が来ようとは ^_^
信じがたい。

こう書き出してみると、僕はほとんど何もやってません^_^;
僕は嬉々としてこの望遠鏡を使ってるだけです。
僕が使ってみて、うまくいかないところをS氏が次々と解決してゆく、と。

オートガイド、まだ始めたばかりです。
どこまで追い込めるか、これからが楽しみです。

ノータッチ・ガイドでかなり使えるレベルになっているので、オートガイドは、欲張りともいえますが、オートガイドできるならそんなに嬉しいことはないです。

今回成功した900秒露出に耐える精度までは必要ないですが、せめて180秒に耐えてくれると撮影できるものが大幅に増えます。

これからが楽しみです^_^
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