問わず語りの...

流れに任せて

映画『大怪獣のあとしまつ』

2022-02-07 05:35:07 | 怪獣、特撮

 

 

SNS辺りでかなり炎上しているみたいですが、観て思いました。

 

これは炎上するわ、納得。

 

まっ、一言でいえば、怪獣映画、特撮映画に対する「愛情」がない、「リスペクト」がないんです。

それでコメディ・タッチとかって、そんなん笑えるわけがない。リスペクト、愛情がないということは、怪獣映画の「ツボ」を心得ていないということ、そういう人が下手に笑わせようとしても、それは揶揄にしかならない、ただただ

馬鹿にしているようにしか見えないんですよ。

そんなもん、特撮ファン、怪獣ファンが一緒になって笑ってくれるわけがない。

 

「空想科学読本」という一連のシリーズがあります。著者の柳田理科雄(字あってる?)先生は、特撮作品の中で描かれている様々なことを、科学的に検証するということを、このシリーズで書き続けています。それは一見、特撮ものを揶揄しているようにも思われますが、実はそうではありません。そこには特撮ものに対する、深くて強い愛情があるんです。だから、柳田先生の書くことには素直に笑うことができる、だからこそ長年に亘ってシリーズが刊行され続けているのです。

愛情があるかないか、リスペクトがあるかないか、それは読めばわかるし、観ればわかります。

ローランド・エメリッヒや北村龍平には、怪獣映画に対する、ゴジラに対する愛情もリスペクトもなかった。だからろくでもない映画しか作れなかった。

庵野秀明、金子修介、手塚昌明などの方々には、深い愛情と強いリスペクトがあった。だから面白いものが作れた。

この理論は私のなかでの真理です。数多の作品がそれを証明している。

 

それはともかく、三木聡監督は少なくともこの作品を見る限り、怪獣映画を撮る資質はないと思われます。

それなりの実績を作ってきた方ではあるのでしょう。よく知りませんが、出演されている俳優さんたちの顔ぶれをみても、監督として慕われ、信頼されているのはわかります。題材さえハマれば、その才能を遺憾なく発揮できる方なのでしょう。

でも、この作品ではそれは感じられない。感じられるのは、特撮ものへの無理解のみ。

 

ラストシーンなど、なんですかあれは!特撮ファンから見たら、あんな噴飯もののシーンはありませんよ!最初からやれよって話っしょ!

主人公の秘密なんてほとんど映画の最初からばれてます。それをあそこまで引きずる無意味さ。そしてあのラストシーンに感じるのは

「特撮なんてこんなもんっしょ?」という、監督の見下した感覚。私にはその馬鹿にした笑い顔が目に浮かぶようでしたよ。

 

笑えないし、愉しめない。実際あの映画で笑える人はどれだけいるのでしょうかね?特撮ファンの気持ちを逆なでし、一般の観客には理解できないであろうギャグセンス。

 

劇場内で笑い声など、一度として上がりませんでしたよ。劇場にきているのは特撮ファンだけではないはず。山田涼介目当ての方々や、宣伝に誘われてなんとなく足を運んだ方々もおられたでしょう。それらの方々誰一人として笑っていない。

これはもう、コメディ映画としても、完全なる失敗作では?

 

申し訳ないですけど、こんな「クズ」映画観たの、久しぶりです。

 

三木監督、あなたにはもっと相応しい場所があるはず。これからはどうぞちらでご活躍ください。

三木監督にお願いいたします。どうか二度と、特撮映画、怪獣映画に関わらないでいただきたい。切に、切に

お願い申し上げます。

 

以上。

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6 コメント

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Unknown (チャメ子)
2022-02-08 17:05:42
愛は勿論、リスペクトも無し。おまけに“こんなもんやろ!?“って…。アカンやつやん‼️
特撮ファン並びに怪獣ファンにお謝りなさいっ!!!メッ!!
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Unknown (玲玲)
2022-02-08 19:44:39
最近YouTubeでセブンの必殺技シーンとかばかり観てるから薫風亭さんの記事を楽しみにしてましたが、そうなんだ、ってビックリして、監督ググったら時効警察の人かーと。
でもいい歳のオッサンなんですね、それでリスペクト無いのって素材として使っただけの話なのか。残念。
最近エンタメだなぁ、って思うことがあまり無いな。
あっ、鬼滅は久しぶりに鳥肌立ちましたよ。
ありちゃんに是非特撮講座して欲しいですよ、私、ゾフィーの存在をやっと知って、自分の浅さに驚愕しましたもん。
メトロン星人の人形が今の円谷の服着てるのしか売ってなくて、ありちゃん、本物のメトロン星人欲しいって言いました。
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Unknown (薫兄者)
2022-02-08 21:14:44
チャメさん、ホント、「メ!」だね。
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Unknown (薫兄者)
2022-02-08 21:28:30
玲さん、玲さん、玲さん、玲さん、玲さん、
ゾフィー、ゾフィー、ゾフィー、ゾフィー、ゾフィー、
知らなかったのね、知らなかったのね、知らなかったのね、知らなかったのね、知らなかったのね、

あーうざい!エコー止めます(笑)私くらいの世代だと、ゾフィーはエコーのかかった声で喋るということで、これは定番のギャグなんですけど、知らないよねえ。いや、いいんですいいんですいいんですいいんですいいんです。
メトロン星人とはありちゃん、良いセンスしてますね。実相寺昭雄監督が撮った作品の中でも傑作といっていい。ラストのナレーションには強烈な風刺が込められていますね。ありちゃんにはまだわからないかもしれないけど、大人になってあらためて見たときに、きっとその深さに感銘を受けると思います。
うんうん、ありちゃん良いね良いね良いね良いね良いね......ええ加減にせい!(笑)
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Unknown (みき枝)
2022-02-09 17:06:29
す、すみません、すみません。
薫兄者のブログ上というの知りつつ、玲ちゃんに伝言させてください。

「鬼滅。。」 第10話。
もはや神回を通り越し、ガチで10年は語り継がれるのでは、と震えてしまう作品(これはアニメーションなの?)でしたね。
有り難う!ゆうほうてぶるさん!
吾峠先生!
来週の第11話、遊郭編最終回、楽しみに、しかし寂しく待ちます(涙)

薫兄者、勝手に、兄者のご興味無い作品について、書いてしまい申し訳ありません。
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Unknown (玲玲)
2022-02-09 22:25:39
みきえはーん。噂は聞いてるよ、鬼滅の。私はまだ大好きな天元さんの第一話しか見れてなくて、1話終わってエンディングに音楽かかって、カッコいい!と。ありちゃんが鬼が怖くてウルトラマン観たくてまだ観れてないです。
ネタバレだけど、天元さんはあっさり引退するところが好きなんですよ、飄々としていて。ちゃんと守るものも決まっていて、鬼に家族を殺された訳じゃないし、恨みとかもそんなに無い、他の柱みたいに、死んでも鬼舞辻を!ってそれが悪い訳じゃないけど、ちゃんと引き際が出来てて。
人に話したら、私は逆のタイプで無理してでもなんとかしようとするからじゃない?なーんて言われた。
まぁ、それは置いておいて、早く見たい、一気に見たい。
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