問わず語りの...

流れに任せて

北条政子の本当の名前は?

2021-11-28 13:18:58 | 時代劇

来年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、源頼朝亡き後の鎌倉幕府を、13人による合議制で支えた人々を描くドラマ、らしい。目の付け所は面白い、かも。

主人公は北条......誰?ああ、はいはい、北条義時ね、聞いたことある。これを小栗旬くんが演じると。

源頼朝に大泉洋さん。さすが三谷幸喜さん、大泉洋の使い方が面白い。

えーと、平清盛に松平健さん、ふむふむ。後白河法皇に西田敏行さんね。後白河法皇はなんといっても平幹二郎さんが素晴らしかったねえ。

藤原秀衡に田中泯さん!いいね!適当な大物俳優でお茶を濁さない姿勢は好感が持てます。出番はそんなに多くはないだろうけど、三谷さんが平泉をどう描くのか、藤原秀衡をどう描くのか、興味深いです。

源義経には菅田将暉くん、これもいいね。もしも来年、平泉で「春の藤原まつり」が滞りなく開催され、「源義経公東下り行列」に菅田くんが義経役で参加してくれたら、あのタッキー以来の大盛況となること間違いなしなんだけどなあ。どうだろうねえ......。

で、初期の鎌倉幕府を語るに欠かせない人物の一人、北条政子を演じるのは小池栄子さん。なるほどー。

 

ところで、「北条政子」って、これ

いわゆる「本名」ではありません。

日本では古来、偉い人の本名は基本的に公開されず、通称や、位階、官職などで呼ばれることが通例でした。長谷川平蔵の「平蔵」は通称であり、本名は「のぶため」ですが、誰も本名では呼ばない。ていうかそもそも、本名は世間一般には知られていなかった。

大岡越前守忠相など、現代の我々は当たり前のように「忠相」という本名を知っていますが、当時の人はほとんどが知らなかった。みなさん「越前様」と呼んでいた、というのが本当のようです。

まだ男性の場合は、公式記録に本名が記載されることはあったけれども、女性の場合はそういうケースは稀で、誰々の女(むすめ)だとか、そんな風にしか書かれない。記録が残っていないので本名が何だったのかわからない、というケースが多い。清少納言も紫式部も本名ではありませんからね、あれはいわばペンネームですから。

いわゆる「北条政子」さんは将軍の奥方でしたから、「御台所様」「御台様」と呼ばれており、頼朝の死後は出家したので「尼御台様」などと呼ばれていました。誰も「政子様」なんて呼んでない。

そもそもこの「北条政子」、これは朝廷より従三位の官位を賜ったときに、朝廷側の書状に書かれていた名だったようです。なんで「政子」と書かれたか?それは北条時政の子だったので、時政の「政」に「子」をくっつけて「政子」だという、極めて安直なものだったんです。

これに後世、「北条」の姓がくっつけられて、いかにも本名であるかのように伝えられてきたというのが真相のようです。

「北条政子」の本名はわからない。

これが真実。

さて、昔の日本は夫婦別姓だった?という論拠の一つとして、この「北条政子」や「日野富子」が挙げられるようですが、そもそも本名ではないので、論拠にはなり得ない。そもそも昔は

女性が氏、姓、苗字を名乗るという習慣自体がありません。苗字を名乗るのは男性のみ、女性は実家であれ婚家であれ、苗字を名乗ることはなかった。

ただ結婚は家族の一員になることであり、お嫁に来た女性は新たな家族の一員として迎え入れるというのが、日本古来の観念だったようですから、明治以降に「夫婦同姓」を法で定めたのは、日本古来の伝統的観念に則った、極めて自然なかたちだった。

日本は昔、夫婦別姓であったなどという事実はなかった。

 

これもまた、「歴史」の話です。時代劇を通して日本の歴史、伝統的観念を学び考える。

これもまた一興。

 

いやあ、時代劇って、勉強になるねえ。

 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おおおおー (ぐー)
2021-11-28 17:37:03
おかえりなさい、って気分です。
リニューアル(?)再開ですね。やったー!
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Unknown (薫兄者)
2021-11-28 18:48:18
ぐーさん、お久しぶり!ありがとー!
返信する

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