NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第44話、「審判の日」。
ゾクゾクしたよね。
鎌倉幕府第3代将軍・源実朝暗殺へ向かって、もう実朝は暗殺されるしかなくなってしまう展開を、45分かけてしっかりと構築して次回へと繋げていくという
連続ドラマ、それも1年かけて描かれる「大河ドラマ」ならではの展開に
もう、仰け反りそうですよ(笑)わかる?(笑)
以下ネタバレあり。
三浦義村は暗躍するも、気づかれたと知るやあっさりと手を引く変わり身の早さはいつもの通り。
公暁は三浦の翻心を受けて、自分と側近たちだけで結構する単独犯行を決意。
で、北条義時は、というと
初めのうちこそ、実朝を守ろうと思っていましたが、実朝の「本心」を知ってすっかりその気を失くしてしまう。
実朝はいづれ鎌倉を離れ、京へ移るつもりだ。
頼朝以来、必死に守り続けてきた鎌倉を、この将軍様はあっさりと捨てるつもりなのだ。
それを知った義時のセリフ「愛想が尽きた」。これは恐ろしいセリフです。つまり、「殺されてしまえ!」という意味ですから。
こんな恐ろしいセリフを…三谷さんは残酷だ。
すべては実朝が良い人過ぎるからなんですよね。良い人過ぎて理想を追い過ぎて、
結果、みんなから見捨てられるようなことになってしまう…。
残酷過ぎるよ、三谷さん。
先代将軍・源頼家が北条に殺されたことを知った実朝は、頼家の忘れ形見、公暁に「お前の気持ちは痛いほどよくわかる」とかって言っちゃうんですよ。言わなきゃいいのに。
良い人なのよ実朝は、でも「お坊ちゃん」育ちで、イマイチ人の心の複雑さが解ってない。
だから、安易に「解ってる」なんてことを言っちゃう。
この言葉が、公暁の怒り、恨みを余計にあおってしまうかたちになる。
もはや実朝
万事休す。
源実朝暗殺の黒幕は誰か?ということに関しては、大体3つほど説があるようです。
・三浦義村黒幕説。
・公暁単独犯説。
・北条義時黒幕説。
三谷さんはこの3つの説を全部採用しちゃった!この3つの説を上手く配置してクライマックスへと持っていく展開を作り上げてしまった。
なんてこった!上手すぎるよ三谷さん!
これで実朝は完全に万事休す。もはや暗殺を逃れる術はほぼない…。
この顔(笑)
生田斗真くんは、この後源仲章がどういう運命をたどるのか、当然知ってますよね。脚本読んでるんだから。
知っているからこその、この演技。得意の絶頂にある男が、その後に見舞われる悲劇。
源仲章って、この作品では珍しい、純然たる「悪役」ですからね。斗真くんはその悪役を実に楽し気に演じてくれてます。
観ていると憎たらしくなるけど、でも楽しくてしょうがない。
そんな仲章とも、次週でお別れです。
寂しくなるね。
それにしても、トウ、だよねえ。
善児みたいにトウを活躍させないのは、ある意味三谷さんの「優しさ」なのかな、なんてことをフと思う、今日この頃。
トウの人生も哀しい、だからこそどうか
生き残っていてくれよ…。
ホント、憎いわ~。
役者さんの選び方も絶妙ですし、その役者の良いところを発揮できるような書き方をするんですよ。だから余計に魅力的になる。
山本耕史演じる三浦義村。あれだけ裏切りまくっているのに、ただの悪人にはなっていないでしょ。あれは山本さんの演技力もあるけど、山本耕史の役者としての面白さを際立たせるような書き方を、三谷さんがしているからなんですよね。
ホント、三谷幸喜、憎いわ~。
毎回ゾクゾクドキドキしながら拝見しています。
個人的に、実朝を残しておいて欲しかった……。(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
あの俳優さん好きだなぁ。(笑)