問わず語りの...

流れに任せて

映画『動乱』

2022-09-12 10:27:09 | 映画
昭和55年、1980年公開。主演、高倉健、吉永小百合。
 
 
2.26事件の首謀者、宮城大尉(架空の人物)を主人公に、激動の時代に生きた男女の「愛」を描く。
 
 
 
監督は名匠・森谷司郎。きめ細かい心情描写は流石で、彼ら青年将校たちが何故に事件を起こしたか、そしてそんな、ある意味「身勝手」な男たちに翻弄される女性たちの哀しみとを、情感豊かに描いています。
 
 
 
 
彼ら青年将校たちの怒り、苦しみ、哀しみ。
 
 
 
事件を起こした彼らの心情に、思わず共感、同情したくなる。
 
 
 
映画だからそれはそれで良いし、よく出来た映画だと思う。
 
 
 
でもね
 
 
 
忘れちゃいけないのは
 
 
 
彼らは
 
 
 
「テロリスト」
 
 
 
 
なんです。
 
 
 
もちろん時代背景というのはあるし、現代の価値観だけで歴史上の事件を語るなど、大変傲慢なこと、不遜なことだとは思う。
 
 
 
これはあくまで「歴史上」の出来事だということ、その心情は理解出来るけれど、彼らの行動そのものは、現代に生きる人間としては
 
 
 
肯定するわけには
 
 
 
いかない。
 
 
 
そこはね、忘れちゃいけないんですよ。
 
 
 
 
絶対。
 
 
 
 
 
 
まあ、実際に事件を起こした青年将校たちの思想的背景だとか、影響を与えた人物だとか
 
 
 
そういうことは一切描かれていない。まっ、それが目的ではないですからね。
 
 
 
描かれているのは、激動の時代に生きた男と女の、哀しき「愛」の物語。
 
 
 
そこに涙すればいい。
 
 
 
最近、ある殺人犯に対し、一部では同情の声が上がっており、助命嘆願を求める人たちもいるそうな。
 
 
 
あくまで一部だとは思いますが、この法治国家日本で、殺人犯が、テロリストが許されてはいけない。
 
 
 
こんな当たり前のことがわからんとは
 
 
 
暗澹たる思いがします。
 
 
 
 
 
ラストシ―ン、銃殺刑に処せられた宮城大尉。
 
 
 
額を撃ち抜かれ、一度目を閉じるのですが、
 
 
すぐに、目を「クワッ!」と見開きます。
 
 
 
その眼光の鋭さ。
 
 
 
テロリストの無念、怨念がそこに込められているように思いました。
 
 
 
この無念、この怨念が
 
 
 
あの○島○紀○に憑依したのだろうか?
 
 
 
なんてことを、考えてしまった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
コメント
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