猫と千夏とエトセトラ

ねこ絵描き岡田千夏のねこまんが、ねこイラスト、時々エッセイ

京都、雪の花背

2009年01月26日 | Weblog
 土曜日はこの冬一番の寒さだったそうで、外へ出るとよく晴れた青空に粉雪が舞っていたから、山ではどうなっているかしらと思って、鞍馬の奥の花背のほうへ行ってみた。
 お正月の明けたあたりにも一度みぞれが降ったような日があって、そのときも山では雪景色が見られるかと思って大原へ行ってみたが、家の軒下や日の当たらない北側の屋根、河原の石の陰や稲わらの束ねられた田んぼのところどころに白く残っているだけで、期待していたような雪は見られなかった。
 だから、今回も同じような様子だろうと思っていたし、実際、鞍馬の集落のあたりでは、山の陰になったところに薄く積もっているだけだった。
 集落の一番奥にあるくらま温泉を過ぎた途端、まっすぐに伸びた杉林が両側に迫ってきて、道が暗くなった。木立のあいだや落ち葉や羊歯の上にうっすらと積もっていた雪が、道を行くにつれ次第に厚くなって、しまいには車道の上まで、日の当たらないところには雪が残るようになって、タイヤが滑らないかひやひやした。あたりはすっかり雪景色になっていた。
 峠の気温はマイナス4度。車から降りて、雪に覆われた脇道を歩いて行った。
 新しく雪が降り積もったところは柔らかくて、踏んだらきゅうきゅう音がする。日陰の、杉の葉といっしょに凍りついた雪の上は、歩くとぱりぱり言った。
 晴れた空からちらほらと粉雪が降ってくる。それが杉林の中では、梢を通り抜けたわずかな雪片だけが、まっすぐな幹のあいだをふわふわと静かに飛んでいた。
 キツネかタヌキか、動物の足跡が雪の上についていた。人と一緒にやってきた犬がはしゃいだ足跡をあちこちにつけるのとは違って、山の動物の足跡は、谷の方からやって来て道を横切り、どこへ向うのか、まっすぐに静かについていた。静かな雪の中を、静かに歩いていくけものの姿が想像されるようだった。
 十分に雪道を楽しんで、車に戻ったら、いつのまにか空は灰色になっていて、雪が一斉に舞い降りてきた。


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2 コメント

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スリップするぞォォォッ!! (弟子)
2009-01-28 21:18:21
先日うちのじーさんは自宅からほどない道路でスノータイヤはいてたにもかかわらず激しくスリップして事故したっスよ!
怪我はなーんもしてないけど軽トラは廃車ッ!!
師匠もそーゆーとこへ行く際には「覚悟」したのかッ!?
俺はできないから行かない・・・!!
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びびったッ! (師匠)
2009-01-29 00:45:22
「覚悟」する前に、だいたいそーゆーことになってるとは知らんかったから、フツーのタイヤで行って、びびったよ!
ともあれ、おとっつぁんは怪我がなくてよかったねぇ。しかしスノータイヤでも滑るときは滑るんですな。気をつけます。
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