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桃の中の虫

 いただき物の桃の中に、虫がいた。
 桃を切って入れたお皿の内側に何かついていたので、桃の皮か何かだろうと思ってフォークで皿の縁によけておいたのが、急に動き出したのでびっくりした。
 1センチメートルに満たないほどの芋虫である。よく見ると桃の切断面に小さな穴があったので、そこから出てきたのだろう。せっかく穴の中で桃を食べていたのにごめんなあ。冷蔵庫で2時間、寒かったなあ。桃と一緒に虫を切らなくてよかった。いや、それ以上に、知らずに食べてしまわなくてよかった。虫にとっても、私にとっても。
 野菜についていた虫などは庭に捨てたりするのだけど、桃についている虫となると、うちの庭には桃に代わる食料がないので、捨てるには忍びない。
 戸棚を開けて何か入れ物を探していたら、虫嫌いの長男が、「ちょっと、飼うとかやめて。庭に捨てて。ベランダじゃなくて庭に。」とできるだけ遠くへ捨てるよう必死の抗議をしてきた。
 そもそも草木のないベランダには捨てないけれど、仮に捨てたとしても、全長8ミリほどしかない芋虫が、這って台所まで戻ってくるか?さらにそこから君の部屋まで行くかよ。
 長男の抗議は無視して、私はプリンのカップに、桃の穴のあいた部分を切り取って入れて、その上に幼虫をのせた。えさの取り替え用にもう一切れ冷蔵庫にしまっておいて、残りの桃は注意深く調べてから、全部食べた。とてもおいしい桃だった。
 桃の上にのせられた幼虫も、桃を食べ始めた。ずいぶんうまそうに食べているように見えた。おいしいねえ。同じ釜の飯、ではないが同じおいしい桃を美味しく食べた仲となり、親しみがわいた。
 何の虫なのかネットで調べてみると、「シンクイムシ」という小さな蛾の幼虫らしい。「昔は、シンクイムシがいると『熟している証拠』だと言って、虫をよけて残りは食べました」
 現代は虫を取り除いても、実の残りは食べないのだろうか?とくに桃みたいな高価な果物はもったいなくて捨てられないし、実際すごくおいしかったですよ?
 しばらくしてプリンケースをみると、虫はもとの穴にほぼ潜ってしまっていた。部屋の壁が全部おいしい桃だなんて夢のような家だ。
 しかし、切った桃は常温でどのくらい持つのだろうか。人間様でも高くてなかなか買えない桃を、こやつのえさのために買ってくるというのは少々辛いものがある。
 できるだけ早く蛾になって、さっさと飛んで行ってくれないかなと思う。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (ヤンちゃん)
2021-09-02 22:14:10
千夏センセ
息子クンをムシして
ムシ飼うてはるんや〜!(笑)
せやけど
シンクイムシって
そのまんまのネーミングで
わかりやすいですね!
私は
野菜や果物に付いてる虫には
『私より先に
美味しいモン食べたな〜!』と
悔しがるタイプなんて
虫食いの部分を除いたら
残りは
美味しく食べちゃうタイプです!
 
 
 
Unknown (与作)
2021-09-03 04:53:45
お久しぶりです、、

桃の虫を飼う?

って千夏さんはその類 お好きですねぇ。
以前も 何かしら幼虫を飼って居られたような、、

これが夏休みの真っただ中ならお子様も研究材料にされたんでしょうが。(お子様はお嫌いでしたか、、笑
 
 
 
やんちゃんさま (千夏)
2021-09-03 08:36:42
ムシしたら頭をかきムシって怒ってましたわ~(ウソ)。

私が子供の頃も、おばあちゃんが「虫はおいしいのを知ってるから、虫がついてたらおいしい証拠」って言ってました。
でも、そう思って虫がついていないところを食べたら、激マズだったこともあります^^;
 
 
 
与作さま (千夏)
2021-09-03 08:42:06
与作さん、おひさしぶりです~!

農家の敵を保護してスミマセン。
でも冷蔵がダメージだったのかわかりませんが、結局死んでいまいました。

私は虫好きなんですが、息子は全然です。とくに長男、こないだGが出て、ちょっとおかしいくらいに逃げてました^^;(もちろん私もGは大嫌いですよ…)
 
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