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山椒の葉っぱのちっぽけな幼虫

 旅行中に枯れてしまったかに見えた山椒の木であったが、念のため水をやっておいたら、端っこが茶色くなった哀れげな葉を残しつつも、元気を取り戻してくれた。
 その山椒の木の葉っぱに、今朝、アゲハチョウの小さな幼虫がついているのを見つけた。
 黒いでこぼこした体に白い横縞がはいっていて、小鳥の糞にそっくりだ。やっぱり本当は糞かしらと疑ってしまうほど、見事な擬態である。よく見ると、別の葉っぱにも同じようなのがもう一匹いた。こんなに小さい身体で、昨夜の大雨はどうやってしのいだのだろうと思う。
 しばらく前に、息子が「ちょぅちょ、ちょぅちょ」と庭を指すので見ると、きれいなアゲハチョウがひらり、ひらりと日を浴びて舞っていた。狭い庭をひと回りして、青葉の生えそろった百日紅の枝を越え、高い空へ上っていった。こんな町の中にもアゲハチョウがいるものかとうれしく思った。
 庭の山椒の木に卵を産んでいったのは、そのアゲハかどうかわからないけど、広い町中で、よくこの小さな山椒の木を見つけたものだと、不思議である。
 いまや山椒の木は新たな二つの命を乗せているので、今度こそ枯らしてしまわないよう、しっかり注意しなければならない。さっそく水をやろうと窓を開けると、さっきまで葉の上に臥せったようにしていた幼虫が、短い身体で精一杯、ヘビが鎌首をもたげるように、上体を起こしている。窓の開く音に驚いて、威嚇の体勢をとったのかもしれない。どんなにがんばって頭を上げて、身体を大きく見せようとも、体長1センチに満たないおちびちゃんであることに変わりがないのが可愛らしいし、二匹して同じ反応をしているのも面白い。
 息子はまだ小さすぎて、小さな黒い幼虫が、変身を重ねて蝶になっていく過程はよくわからないだろうけれど、毎年アゲハが来てくれるよう、山椒を立派な木に育てたい。
 ひとつ心配なのは、本当に小さな木であるから、彼らが脱皮を繰り返して、立派な体躯の緑色をした幼虫になったときに、じゅうぶんにお腹を満たすだけの葉があるだろうかということである。
 そんな懸念もあるから、人間様の木の芽料理は、当分のあいだおあずけである。
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同じ幼虫でも (のり)
2007-05-31 19:54:20
蛾の幼虫こと毛虫は大嫌いです。
数年前の猛暑の夏だった年に
小さいくせに強烈な奴に触れてしまったんです。
半身に発疹が出て服が触れるだけで痛痒かったです。
皮膚科の先生は発疹を診て図鑑を出してきて
「これですね」と拡大された写真を指差しました。
「正しくそ奴です」と答えると
「こいつは一回の攻撃で目に見えない毛を数万本飛ばすんです」と。
気付かずに触って数万本。
それ以降私は毛虫に過剰反応して、すぐ痒くなってしまいます。
幼少は漆にも被れない強い皮膚だったのになぁ
 
 
 
Unknown (弟子)
2007-05-31 21:53:30
アゲハの幼虫って山椒好きっスよね。あっしが子どものころおじいちゃんちの山椒の木によくアゲハの幼虫がいて恐怖したもんです。さなぎになる前のみどりの新幹線っぽい姿の時の目みたいな模様が怖くって。
 
 
 
のりさんへ (チナツ)
2007-05-31 23:04:13
いますよね~、そういう種類の。
なんていう蛾か知りませんけれど。
以前、職場の庭の木に、その種類の毛虫が大量についていて、同僚の片腕が大変なことになっていました。
それにしても数万本とはすごいですね。
なんか、抜け殻もやばいってききましたけど。
 
 
 
子供のくせに山椒が好きって変わってるよなー (師匠)
2007-05-31 23:07:25
意外と君はあかんたれやの~。
あの新幹線みたいなのの、目がかわいいんやん。ていうか、あれが目じゃなくて、実はもっとちっこい、全然可愛くない本当の目が下にあるっていうことの方が、わしは怖かったぜ~。
ま、ともかく、大きくなるのが楽しみですわ。
 
 
 
追伸 (師匠)
2007-06-01 00:45:51
そんで、アゲハの幼虫って、怒らせると、赤くて臭い角を出すんだったよね?その「臭い」ってとこが、子供心にショックだったなあ~。
 
 
 
はじめまして。 (ばーば)
2007-06-01 02:34:07
1ヶ月ほど前から時々拝見しています。
絵がほのぼのして可愛らしく癒されています。
アゲハの幼虫、子どもが小学生の頃ですが家の山椒の木に居ました。もう緑色になっていました。
撫でるとオレンジ色の角をニョキッと出してくさいにおいで威嚇されましたが、毎日撫でている内に居なくなりました。すずめに捕られたのか、それとも蛹になって蝶になったのか未だに心残りです。
この小さい幼虫君、大きく育ってくれると良いですね。
ちなみに、それまで毛虫芋虫類は触ったことありませんでした。
 
 
 
ばーばさん、こんにちは (チナツ)
2007-06-01 13:44:58
絵を褒めてくださって、どうもありがとうございます!
アゲハの幼虫、気になってしょっちゅう見ているのですが、なんだかじーっとしています。はやく緑にならないかなぁ。
臭いにおいって、どんなにおいなのか気になります。
わたしも、子供の頃、実家の山椒の木にいた幼虫を触った記憶がありますが、それ以来、イモムシ系には触っていません…でも今度のアゲハは、もしかしたら触れるかもしれませんね。
スズメに取られないよう、気をつけなくっちゃ。
 
 
 
眼球から体液をッ! (弟子)
2007-06-01 21:33:31
赤くて臭い角ってたしか体液とか聞いたような気がしやすぜ。そういうところも子供心に恐怖だったんスよ~
 
 
 
知らんかった (師匠)
2007-06-01 23:13:30
へ~~~、まあ、それで別に虫君としては、いたって正常な生理状態なんだろうけれど、聞いてる側の子供人間にしたら、なかなかホラーっぽい話よね~。
 
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