あみたろう徒然小箱

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痛い生活その後〔26〕 ふぅ~、なんて大変なの

2019-03-05 | 痛い生活 脊柱管狭窄症&変形性股関節症


 
平凡だけど一番好きな椿は「やぶ椿」。すべての園芸椿の元となっている古い品種。これはいま大学通りに咲いているやぶ椿

変形性関節症の人工関節置換術を、ちょっと甘く見ていたのかもしれません。
こんなに大変で痛い手術だとは夢にも思いませんでした。
もう2度とこりごり。(と、いまは思っています)
痛いといっても手術が痛いというわけではありません。
私が甘く見ていた原因は、調査不足と事前に知ったある情報から。
(あとで判ったことですが、これはMIS手術後の情報でした)
手術をした後に判ったのですが人工股関節置換術には3種類あったのです。
手術の後に判ったって遅い!!
まず、太ももの付け根を7㎝ほど切開するタイプと、
お尻を三日月型に切開するタイプがあります。
が、もう一つ、脊柱管狭窄症の手術で言えば低侵襲手術に当たるタイプがあったのです。
股関節の場合は最小侵襲手術(MIS:Minimally invasive surgery)と言います。
私がお世話になった総合病院の整形外科の廊下には、「MISはやっておりません」
という張り紙があったそうですが、
痛みに耐え、ようやく念願の手術を迎えて無我夢中だった私はそれに気づかず、
のちのち相方から聞いて知りました。
しかしMIS同様、私の手術も筋肉を切っていないといいますから、
普通にバッサリ切開する(お尻を切るケースがそれ)よりずっと楽だったのでしょう。
また、同じ病院でも執刀する医師によって太もも付け根切る派とお尻切る派がいて、
人工関節(インプラント)も日本製を使う医師、アメリカ製を使う医師などいろいろ。
でもそんなこと、中に入ってみなければ判りません。
元の職業柄か、なにかというと情報収集に励むタイプの私ですから、
病室のベッドの上で集まった情報に目からウロコのこともありました。
まな板に乗った後では遅いわい。

人工股関節置換術は術後に何かとケアが必要になることがあるから、
有名で上手だけどあまりに遠すぎる湘南鎌倉人工関節センターより、
自宅から車で10分の都立多摩総合医療センターにと決断したのです。
そこは多摩地方の人たちが頼る総合大病院で、股関節の名医もおられるからです。

術後は、心電図、尿の導入管、点滴などを挿入された状態ですから、
寝返りも打ちにくく不自由で、それはどの手術も同様です。
自己血の採血はとても速いのに、それを体に戻すのはとても時間がかかります。
朦朧とした頭で天井を見上げると、
赤い血液の袋はいつまでも点滴スタンドにぶら下がっていて、
数時間してやっと一袋(400cc)が終わったと思うと、またもう一袋。
この長さには辟易しました。

翌日初めて立ち上がったとき、人工関節を入れた右足の痛みは例えようもなく強烈でした。
思わず口をしかめ、なんでこんなに痛いんだろう、MISじゃないから?
というのは、湘南鎌倉人工関節センターでMISで手術した友人から、
「術後初めて立ったとき、まったく痛みがなくて驚いたのよ」と聞いていたからです。

さて入院して16日間後(術後15日め)に退院し、
やっと家に帰ることができると喜んだのもつかの間、
それからが思いもかけない不自由で痛い日々の始まりでした。
入院中の動きは至って単純です。
[ベッドから降りてトイレに行く][戻ってきてベッドに横になる]
[リハビリ室に行く][練習のために廊下を歩行器や杖で歩く]
しかし自宅での動作は思いのほか複雑です。
いたって慎重に動いていたのですが、
突然予期しなかった強烈な痛みが右足付け根を襲うことがしばしば。
手術で足の付け根を切った場合は前に脱臼しやすく、
お尻の場合は後ろに脱臼しやすいということです。
医師からは脱臼しないようくれぐれも注意するよう言われました。
私は足の付け根タイプなので、後屈動作は前に外れやすく、
背伸びして上の物を取る(体を後ろに反らす)、横座りをする、
体を無理にひねるなども要注意。
「脱臼したときはあまりに痛いのですぐに判るから、
そうなったら救急車を呼んで急いで救急外来に来てください」とは医師のことば。
そういうわけで脱臼しないよう、
また右足付け根に痛みが来ないようにと細心の注意を払っていたのに、
突然に「ギャーッ」と悲鳴を上げるほどの痛みが襲ってくるのです。
こうなると翌日はもうダメで、翌々日にようやく痛みが収まるという状態です。
手術をしたのに、術前より数段痛くて動きも不自由です。

退院3日目の夜のことでした。
いつも横向きに寝るときは手術した右側が上になるよう左向きに寝ていたのですが、
そろそろ右向きに寝てもいいかなと思い、右を下にして横向きになりました。
“全然痛くない。これでいいんじゃないの?”
右下、左下、仰向けと、ふつうに寝返りを打って寝た翌朝のことでした。
右足を床に着けたときの飛び上がらんばかりの強烈な痛みに呆然としました。
杖で支えても右足を床に着くことができません。
なぜこんなことに? これじゃ手術前より格段に酷い痛みじゃないの!
これが回復するのに2日かかりました。
またあるときは、台所のキャスター付きの椅子に座ったまま、
右手前にあるレードルを取ろうとしたら、
ギクッと右足付け根に痛みが走り、「ギャ~ッ」。
あぁ、手術前より4、5倍も痛いのは何故?
ふとした動作の他に、しばらく横になって体を休めたり、
腰掛けていた後は右足が痛くて着けないことがしょっちゅう。
つまり、動かさないでいると右足の付け根が痛くなって足を着けなくなるのです。
それでも動いていれば楽になってくるけれど、
マグロじゃあるまいし、常に動くことなんてできない。

ちょうどこの頃、友人たちからメールが次々届きました。
「退院後の調子はいかが? 楽になったでしょう?」 
実はこれこれしかじかと現状を書くと、
その返信の端々にはどう慰めや励ましを書いたらいいんだろうの戸惑いが漂っています。
そりゃ、無理もありませんよね。

この恐ろしい嘆きの痛い生活は一週間以上続きました。      つづく

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