新・日記どす(DOS)

写真は「ビートルズ」のヘルプごっこ(笑)~音楽からB級スポット訪問記まで、幅広くいろんなことを…笑いをこめて…綴ります~

松坂屋美術館で開催…「追悼水木しげる ゲゲゲの人生展」に行く…

2018-05-21 06:18:41 | 博物館・美術館
松坂屋美術館で開催されている


「追悼水木しげる ゲゲゲの人生展」
に行く…







水木しげるさんと言えば
「ゲゲゲの鬼太郎」



私のような…オジサンにとって…
妖怪漫画と言えば…
「妖怪ウォッチ」よりも…「ゲゲゲの鬼太郎」なのでね…笑



さてさて…
この展示…



水木しげるさんお得意の「妖怪物」に限らず…


少年時代の…
新聞で「天才少年」と紹介された頃の絵から始まって



太平洋戦争に召集され
片腕を爆破で失った従軍時代






さらには
貸本漫画家として生計を立てていた
貧乏時代…




この写真は
その居間を再現…












なんでも
こんな感じの腐りかけのバナナを買ってきて
食べるのが…楽しみだったとか









この後…昭和40年に
「テレビくん」という漫画が講談社児童漫画賞を受賞し
それからは
人気漫画家となり

「ゲゲゲの鬼太郎」や「悪魔くん」
「河童の三平」
など
売れっ子漫画家になっていた多忙時代

そして
妖怪研究家となり

人生を終えるまで




波乱万丈な
水木しげるさんの人生を
描いた作品とともに…
振り返ることのできる



ゲゲゲの鬼太郎をみて
育った私にとって
実に興味注がれる展覧会でした…





当然知らなかった水木しげるさんのエピソードにびっくり!!




例えば



「見合いしてから5日で結婚」



したんだって…


これも妖怪の仕業だったんでしょうか…



「結婚しようかい…(し妖怪…)…」汗



なんて


貧乏時代から一転
人気漫画家になった頃は…




妖怪いそがしに取り憑かれたかのように忙しい日々が続く…」




そっか…
時々…この私にも「妖怪いそがし」が憑りつくことあります…



こなしても
こなしても
憑りつく「仕事のヤマ」に化けてでてくる
「妖怪いそがし」






こんな
水木しげるさんの名言が書かれた
絵葉書をショップで買ったんだけど…




「のん気にくらしなさい」
「なまけ者になりなさい」








そんなふうに描かれているけど



水木しげるさんの人生を
今回の個展…振り返ってみても




「妖怪いそがし」に憑りつかれてて



「のん気にくらしなさい」
「なまけ者になりなさい」




…といった人生は…まったく送ってなくて




私からすれば
戦場で片腕を失っても
希望を捨てず
どんなに貧乏であっても
努力をして…絵を描き続ける


ホントに
凄い人だなー!!
素晴らしい…簡単にはマネすることのできないほど
常に前向きに生きてきた
凄い人だなー



…というのが正直な感想…




私は当然
子供の頃…


「ゲゲゲの鬼太郎」から水木しげるさんのことを知ったのでして

例えば

「ゲゲゲの鬼太郎 おばけナイター」


という作品に出てくる


墓場で拾った思いどおりに球が打てるバット



これが
あれば「僕も将来、4番バッターになれるな」
と将来野球選手になろうと憧れたり…

(野球選手になりたいとは、実は一度も思ってないけど…)



この日は
阪神タイガースが惨敗した帰りに寄ったので


阪神タイガースの選手が
この墓場で拾ったバットで打てばよかったのに


…と得意の妄想癖を働かせながら
展示作品を眺めていたんですけど…




やっぱ
心を打たれるのが




太平洋戦争に召集され
片腕を爆破で失った従軍時代の頃のスケッチや
そのことをモチーフに描いた



壮絶な戦争体験に基づいて描かれた


「総員玉砕せよ!」

…等の戦争漫画…





「鳥取連隊に入営。ラッパ卒として練習に励むもうまく音は鳴らない。上官からビンタを食らう。」



そんな光景を描いた絵








「 何より恐ろしいのは上官の暴力だった…」



怖かったのは…アメリカ軍ではなかった…
この一言が突き刺さる



水木しげるさんのこのコメント



「ぼくは戦記物をかくとわけのわからない怒りがこみ上げてきて仕方がない。多分戦死者の霊がそうさせるのではないかと思う。」





「総員玉砕せよ!」

飾られてある…水木しげるさんの戦争の画が実に生々しく…
迫真の画で



戦争の…悲惨さ…無意味さを…
否が応でも
痛感させられます…


当時の日本軍は…
捕虜になることは許されない…
劣勢であれば…
玉砕あるのみで…他の選択肢はない…



上司の命令は絶対で…


下級兵士は…
玉砕の美学などまったく描いていないのに…
生への執着の葛藤と闘いながらも
…玉砕していく…



画に描かれているのは…
何のために死んだのかわからないような…重なり合った兵士の屍…



この作品…


水木しげるさんの自身の体験がもとであるために…
本当に…心揺さぶられます…






このコーナーには



水木サンの手記や持ち歩いていた英和辞典
さらには…ゲーテの本などがあって


「ゲーテの鬼太郎」
ひょっとしたら訛って

後々「ゲゲゲの鬼太郎」になったのでは…
と身勝手な何の根拠もない推測を楽しんだりしながら…苦笑







最後に…
一番心に残った展示作品を掲げると


震災の32年前に、朝日グラフに原発で働いていたフリーライターの記録を、水木しげるさんの絵を入れて掲載した


「福島原発の闇 原発下請け労働者の現実」という作品の絵の展示



1979年10月にアサヒグラフに掲載されたものらしい…

放射能汚染除去の作業員は「原発ジプシー」と呼ばれる日雇い労働者である現実…

原発内での出来事は一切外部に漏らしてはならないという目に見えないような圧力…




原発下請け労働者は
太平洋戦争の二等兵として水木さんが経験した
地獄と表現される戦地と
被って感じられたのは
私の思い過ごしでしょうか…



除染や安全性が確実に保証されない中、あちこちで原発再稼働…



1979年に
水木さんによって描かれている悲劇は
再度繰り返すのでしょうね…




誰か…妖怪を呼んできてよ



その妖怪の名は


原発やめ妖怪(ようかい)」!!!