「阪神・淡路」災害援護資金
3769人返済不能判定
神戸市
「阪神・淡路」災害援護資金 3769人返済不能判定 神戸市
https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201509/0008383007.shtml
神戸市による少額返済者の資力調査
阪神・淡路大震災の被災者に国や自治体が貸し付けた「災害援護資金」の少額返済者を対象とした神戸市の資力調査で、借り主の判定期間が9日、終了した。約85%に当たる3769人の結果がまとまり、全員を「返済の見込みなし」とした。市は今後、保証人の判定を進め、返済不可能と判断した場合は免除を決定する。
災害援護資金の返済免除対象は、借り主が死亡または重度障害で、保証人も返済できない場合に限られていたが、内閣府が4月、要件の拡大を決定。月額千円ずつなどの返済を続ける少額返済者も自治体の判断で対象に加えられるとした。
神戸市は、少額返済者4413人の返済を5月分から停止し、県の判定式などによる借り主の資力調査を2グループに分けて始めた。前半のグループは、7月末までに1075人を、後半のグループは今月9日までに2661人を判定。前半の区切り以降に結果が出た33人を合わせ、全員が「返済の見込みなし」となった。
市は、地震から20年がたって少額返済者の高齢化が進み、所得が低水準にとどまっている現状が判定結果に表れているとみる。
今後の保証人の資力調査で返済可能と判断された場合でも、所得の急増などを除いて支払いの全額猶予が続くため、実質的な免除となる可能性が高い。
一方、書類の未提出などで判定できていない約15%の借り主については、市が調査を継続する。
(小川 晶)
〈災害援護資金〉
災害弔慰金法に基づき、全半壊世帯などに上限350万円を貸す制度。原資は国が3分の2、都道府県か政令市が残りを負担し、市町村が貸し付ける。返済期限は10年。阪神・淡路大震災では未返済が多額に上り、政府は支払期限の延長を続けている。兵庫県内11市に残る災害援護資金の未返済額(3月末時点)は約149億7千万円。神戸市は約96億9千万円で、少額返済者が約65億8千万円を占める。