あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

都合の良い存在を

2019-05-06 01:38:24 | 
都合の良い存在を、何故求めているんだ?
都合の良い存在だと、何故きみは想っているんだ。
都合の良い存在であると、何故きみはぼくを想っていたんだ。
都合の良い存在が、きみを食べ始める。
都合の良い存在に、きみは食べられる。
都合の良い存在をしか、きみは求めなかった。
都合の良い存在に、きみは殺される。
都合の良い存在が、きみを侵蝕し始めている。
都合の良い存在を、何故きみは求めたんだ。
都合の良い存在が、きみを見詰めている。
都合の良い存在に、きみは食べられている。
都合の良い存在を、きみはそれでも求める。
都合の良い存在が、きみを苦しめる。
都合の良い存在に、きみは支配されている。
都合の良い存在を、きみは支配しようとする。
都合の良い存在に、きみは縛り付けられる。
都合の良い存在は、きみを離さない。
都合の良い存在に、きみは締め付けられる。
都合の良い存在に、きみは引き裂かれる。
都合の良い存在に、きみは解体される。
都合の良い存在に、きみは生きたまま解体される。
都合の良い存在を、きみが食べたばかりに。
都合の良い存在を、きみが食べようとしたばかりに。
都合の良い存在を、きみが求めてしまったばかりに。







































その愛を待っている

2019-05-04 22:33:15 | 
ぼくとみちたは、彼の愛を待っている。
そこにある、たしかな愛を。
宇宙に降り注ぐ苦しみの荒野へ。
君は向かうことを、何より祈っている。
人類は生まれ生き死にゆく。
そこに何もなくても。
そこに愛がなくても。
人類は苦しみの果に死にゆく。
ぼくとみちたは、ただひたすら、愛を待っている。
ぼくらは彼らに、何もしなくとも。
ぼくとみちたは、ただ、確かなものを待っている。
たとえ彼らに、殺される日が来ようとも。
ぼくらは、いつも、恐れを抱き、恐れを夢に見る。
そして太陽が、黄緑に点滅して、理由を失い、途方に暮れる。
財宝の微々たる証明を証すために。
傷ついた勇者たちは大砲を打ち鳴らす。
君をシツメイさせる為なら、ぼくはなんでもしよう。
大福を大通りに投げ、延命を願おう。
死が待ち受けている庭で、バーベキューをしよう。
オリーブは枯れ果て、もう二度と実らない庭で。
死を待ち受けよう。
君の望む死を。
ぼくらは君を待っている。
君の求む死を。
その愛を。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

隔たりの愛のなかに

2019-05-04 01:13:36 | 
わたしの愛する彼には、今年5歳になるお子さんがいて。
別れた、元奥さんとの関係は良好だ。
ただ、その隔たりの間には、愛がないだけだ。
彼女は彼をひとりにして、愛する息子と、新しい夫と共に幸せに暮らしている。
その隔たりの愛のなかに、彼の入る隙間はない。
最初から。
そこには彼の入る隙間はない。
地球が生まれたときから。
彼の入ることのできる隔たりは、彼を喪い続けている。
 
一体だれが生まれてきたのだろうか。
個の存在しない、その子宮に。
顔のないDNAたちが、空気泡のなかを昇ってゆくように。
 
個のない支配者たちが、鉄の滑り台を滑り落ちてゆくように。
 
iは、ぼくらを残念に想う。
iは、その階段を上ってゆく。
iは、何度と、電気をつけようとする。
 
iは、階段を下ってゆく。
iは、何度と、灯りをつけようとする。
 
でも点かない。点けることができない。
iは、悲しい顔でぼくらを想う。
 
iは、雲のなかに。
iは、雲のなかに。
 
iは階段を上りゆく。
降りることのできない。
 
地に浮かび上がるX。
波が分かれるとき。
海の底に沈んでゆく家々。
 
iが終わり、彼が始まる場所で。
彼女は彼を一人で残した。
 
すべてが終わり、降りることのできない場所へ。
 
iは彼のすべてを生きたまま食べる。
iは彼のすべてを食べて生きる。
 
もう嘘はない。
これ以上嘘は。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 Radiohead - Where I End and You Begin. (The Sky is Falling in.)