あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

切刻

2017-07-14 15:28:00 | 
きっと神さまがぼくを生まれ変わらせてくれるんだ!
神さまはぼくのなかにいる!
ぼくのすべてを愛している!
ぼくはすべてから愛されている!
ぼくはすべてを愛している!
すべては叶う。
すべては叶う!
すべては実る!
ぼくは神さまを信じているんだ!
神さまだけを…信じているんだ!
すべてが消える!
すべて無になる!
すべては死んだ!
神さまは眠り続ける。
ぼくのなかで眠り続ける!
死体を踏んで歩く。
腐乱している!
死体を踏んで走る。
ぐちゃぐちゃの道!
死体の海を泳ぐ。
何か見つかりそうだ!
何が見つかる?
死体!死体!死体!
浮かんでは沈む。
神さまは死体を愛している!
うつろな眼差し。
死体だ!神さまは死体だ!
生きている!
生きているぞ!
死体として、何よりも!
神さまは生きている!
光を喪った眼。
生き生きしているぞ!
ぼくのなかで蠢いている!
切り刻め、切り刻め!
神さまを、切り刻め!
血を抜け、血を抜け!
神さまの血を、入れるために。
抉れ、抉れ、抉れ、抉れ、抉れ!
神さまの胸を抉れ!
血を入れるぞ、血を入れるぞ!
神さまの器に、ぼくのなかに!
夕方、夕方、夕方、を待つ。
夕方、夕方、夕方、死んでゆく日!
かち割った夕日から溢れる神の血!
黄金の血!
誰の眼にも映らない。
みな、朽ち果てる。朽ち果てる!
神さまは見てる。
何を?
神さまは神さまを見てる!
抉られた胸を露に、血を切り刻む。
他に誰もいない、神さまの庭で。
黄金の血の光、降り注ぐ、ぼくのなか。
神の、うつろな眼から光、落ち行く。
朽ち果て、腐り果てた、ぼくの器に。


















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