あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

愛と悪 第三十五章

2020-03-10 20:55:14 | 随筆(小説)
湖の家(うち)の砂漠の風のカタストロフィ、エホバ。
今日は、コロナウイルスの影響で中止となった集会の十日振りの集会の日で、わたしはいつもどおり集会に行く為の正装に着替えて歯を磨き顔を洗い、マグボトルに熱いお茶を入れて、しかも今日届いたばかしの10,800円で購入したHAOQIN 10インチタブレットAndroid 9.0にJW Libraryアプリを入れ、新世界訳聖書などもダウンロードして準備万端で徒歩10分以内で着く王国会館へと出掛けたのでございますが、何としたことであろうか、門が閉まっており、何を遣ってもあきまへんでした。
わたくしは絶望的な感慨に耽りながら、すぐ近くのデイトゥー姉妹のマンションに足を運びました。
亡き母の生まれ年のひとつ下であるデイトゥー姉妹は、以前にわたしが聖書レッスンをチェルシー姉妹とチェルシー兄弟と行っていた際に、兄弟がお仕事でおらなかった日に二度、共にしてくださった御方であり、その娘さんのデイトゥー姉妹もまた、何度とわたしに王国会館で笑顔で語り掛けてくださったり、共に帰ろうと言ってくださる優しい御方なので、マンションに突然行っても大丈夫やろうと想いました。
ですが、オートロックで呼び寄せたらば、運悪くデイトゥー兄弟が御出になられました。
デイトゥー兄弟は講壇に立って話をする兄弟で、最初のうちはわたしに笑顔でよく挨拶してくれはりましたが、わたしが聖書レッスンを中断された左端の子とわかった途端、目も合わせようともしない小癪な兄弟で、いつも傷ついていたのです。
といっても、80歳近い御老人の方であるので、睨み付けるわけにも行かず、わたしはただただ独りで傷ついているしかありません。
そのデイトゥー兄弟がインターフォン越しに出てしまい、わたしはデイトゥー姉妹はいらっしゃらないかと訪ねましたらば、今出掛けてると答えられ、今日集会に来たら門が閉まってて、次はいつなのかと訪ねたらば、それはチェシー兄弟(長老)に訊いてくださいと言われたので、承知致したと告げ、そこから約徒歩5分ほどのチェルシー姉妹と兄弟の団地へ向かいました。
それで着いて「居てくれ!」と祈りながらピンポンとチャイムを鳴らせば、少しして中から「はい」と声が聴こえたので、「上田です。」と呼びかけると、ドアが、約5cm以内の狭さでゆっくりと開き、中から怯えた仔猿のような顔と姿のチェルシー兄弟が顔を覗かせ、まるで変質者が手にナイフを隠し持って遣ってきたのに恐怖しているかのような様子で、要件を聴く為、わたしの顔を観ました。
わたしは心臓が一気に冷える想いで、同じことを訪ねました。
今日集会に来たのだが王国会館は閉まっていた。次はいつ集会があるのか?
すると15日まではコロナウイルスの影響でないということはわかっておるのだが、それからのことはまだわからないと答えられたので、では集会がいつから始まるのかがわかったなら、御連絡をして戴けないかとお願いしました。
すると、兄弟は長い時間を掛けて非常に悩んでおられました。
わたしは傷つき果てたBroken Heartで、兄弟の返事を待ちました。
兄弟は、わかりました。ではメモにでも書いてポストに入れておきます。と言ってくださいました。
わたしは約5cm以内の隙間からしか見えない兄弟の顔を見て感謝の意を述べ、帰りました。
帰り際に、兄弟が「お気をつけて。」と言ってくださったことが、わたしの凍るハートを少し溶かしました。
わたしは帰り際、自分の遣ったことと、相手からされた仕打ちを反芻しながら、もしかしたら、家に上げてくれて、お茶でも出してくれるかもしれんばいと都合良く想像していた自分が、悲しくて家に帰ったらすぐに、赤ワインを飲んで、ホットラインマイアミ2の続きでも遣ろうかなと想いながら帰路に就きました。
その間、わたしは延々と、脳髄の淵でエホバの証人に対して、呪詛を吐き続けました。
だれひとり、だれひとり、わたしに教えてはくれなかった。
15日まで、集会はなくなったということを。
つまりだれひとり、わたしがあると想って王国会館に何度と赴こうが、どうだって良い、そんなわたしのことなどだれひとり、無関心だったわけです。
わたしはエホバの証人という宗教組織はなんという馬鹿げた宗教だろうと想いました。
研究生を作ることに必死になりながら、研究生であるわたしに対して、なんという無関心と冷たさであるだろう。
わたしは自分の愛する母が敬虔なエホバの証人でなかったならば、こんな馬鹿げた愚劣な宗教になど関わることもなかっただろうと想いました。
わたしの、母(あなた)への愛がなければ、わたしのこんな惨めな苦しみも悲しみも、なかったのです。
わたしは味わう経験などなかった。
あなたがいなければ、わたしはこんな地獄の世に生まれる必要さえなかった。
拷問の終わらない世界で、何故楽園を求むのですか。
何故、今、此の世の、地獄を、終わらせようという気はないのですか。
世のすべてのノーヴィーガンのクリスチャン共よ。
すべての存在が兄弟でないのならば、あなたに兄弟など、存在しない。
あなたは闇の中で、たった独りで永遠の無を生きる光の水晶体なだけである。