あまねのにっきずぶろぐ

1981年生42歳引き篭り独身女物書き
愛と悪 第九十九章からWes(Westley Allan Dodd)の物語へ

マザーファッカーフェイス

2018-01-08 22:30:32 | 随筆(小説)


おまえらは俺の人類への警告よりも、俺の顔の方が関心があり重要なようだなあ。
まるで人類を救うのは、科学者たちが導きだした解決策よりも、俺の顔だと言いたいようだなあ。
ははは、 mother fucker
おまえらは全く、 mother fucker
まあいい。俺は確かに、おまえらには興味がなかったな。
おまえらをただの肉便器だと想っていたのは、俺なのかも知れねえなあ。
悪いな。おまえとはもう話したくない。
俺はそうして、子どもたちを見棄ててきた。
そうなんだ。おまえらは、幾つになっても甘えん坊なんだ。
俺という母親を、我が物にしようと企んでいる。
俺という母親の写真を寝るまえに見詰め、優しく抱かれることを夢想した次の瞬間には、激しく痛め付けられることを懇願し、俺にすがり付いてくる。
俺は、「離せ、この、マザーファッカー野郎」と言って、おまえの頭を思い切り蹴飛ばす。
おまえは後ろに吹っ飛んで、床に強かに後頭部を打ち付けるも起き上がったところを狙った俺の次なる回し蹴りを、マトリックスのように軽やかにかわし、ニヤリと薄気味悪く笑ったかと想うと後ろ手に持っていた鉄の鎖で素早く、俺の首を締め付け、その瞬間、窓の外が青く点滅する。それに気を取られたおまえの股間を、俺がおもくそ蹴り上げると、おまえの股間がクラッシュ、俺の脳天はフラッシュ、スパークリング天開が、ここから展開する。翌朝起きても、気泡がふつふつと天界へ向けて、昇ってゆくことを、誰も止められない。レター、求められないよ。レター博士、あなたに求められないよ。いつかの海岸から、雨の降る朝、あなたを突き落としちゃったよな。死体発見レーダーも、あなたを見付けられなかった。つまり、あなたは死んだと見せ掛けて、実は、あなたは偽者だった。あなたの顔、近すぎたらドットになるからなあ。レター博士、この世界は、きづけばマザーファッカー。ちかづきすぎたら、巨大なる、マザーファッカーフェイス。地下の月、過ぎ子死待つ理、俺は母親をおかすため、今晩もレターを求める。きみが自由を侵したんだよ。ゲッセマネの庭先で、あなたを待っていた。足下に小鳥が赤く死んでいる。この小鳥は自由を侵したのですか。レター。母親に化けたサタンが、わたしを誘惑し続けるこの庭先で、わたしは永遠にあなたを想って欲情していてもいいですか。夜の海岸に、わたしは立っていて、あなたの腕が、わたしの背中を突き飛ばす。同時に、わたしの腕はあなたを引き上げる。互いに持っていた剣で互いを斬首する。この小鳥は自由を侵したのですか。サタンに化けた母親が、わたしを誘惑しつづけるこの庭先で。