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不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Riso con castagne

2004-11-04 23:52:43 | Squisito!
秋になるとどうしても食べたい栗。
焼き栗は街角で買って食べたりするけれど、
栗ご飯はやっぱり家で自分で炊くしかない。
ということで炊いてみました。

栗ご飯を炊くという目的で買ってきた栗は
有機栽培もので一キロ3,75ユーロ。
一キロも買い込んでどうするとは思ったけど、
安かったのでつい買ってしまった。
栗の次はお米。
これは普段から買い慣れたモノで
一キロ1,05ユーロ。こちらも安い。

家に帰ってから食料庫をチェックして
うるち米を切らしていたことに気づいたけれど、
もう買いに行く時間もないので、
今回はお米だけで炊いてみることに。

castagna
うるち米がやっぱりほしかったかな。
ポサパサ感がどうも気になったりして。
それでも栗のホクホク加減は最高で
うれしくって何杯も食べてしまいそうになる。

日本にいるころはこんなに栗が好きだったろうかと思うほど
イタリアに来てから妙に栗に執着している。
もちろん日本にいるころだって栗は大好きだったけれど、
それよりもむしろ
かぼちゃやサツマイモの
あのホクホク感のほうを楽しんでいた気がする。
イタリアではかぼちゃは水っぽいし
サツマイモは滅多に手に入らない。
だからそのぶん栗に依存しているのかもしれない。
ホクホク依存症。

一キロも一気に茹で上げてしまった栗は
父の教えに従って
小分けにして冷凍保存することに。
約3分の一を栗ご飯に使ったので
残りは2回分に分けて冷凍庫へ。
これで次はうるち米を使った栗おこわを作ろう。

そしてもうひとつ栗の野望。
モンブランが食べたい!
これまで一度もうまくいった試しのないモンブラン。
今回はリベンジなるか?!



la Habitacion liquida

2004-11-03 15:03:35 | Squisito!
我が家の近くには実にさまざまな料理屋がある。
そして、そんなところを全制覇するわけにもいかず、
なんだかおいしそうなのに
一回も行ったことがないお店というのが何件も存在する。

そんなお店のうちのひとつに
「La Habitacion liquida」がある。
その名詞には
「Tapas Bar」
「 Cucina Spagnola」と堂々と書いてある。
スペイン料理のお店なのだ。

フラメンコを躍る私の友人に誘われていったときには
なんだか大混雑で入る隙間もなく、
その後何度かチャレンジするも、
混んでいるか、お休みかで
どうもタイミングが合わずにオアズケとなっていたのだ。

昨夜とうとうこのお店に足を踏み入れることに成功!

もともとは小さな寂れたバールだったところ。
内装もかわいらしくスペイン風にペイントなどされて
なんとも居心地のいい雰囲気になっているけれど
とにかく座席数は少ない。
入り口を入ると右手に小さなカウンターがあって、
ここがスペイン風パブとしての機能を
十分に果たしているよう。
いっぱい引っ掛けておつまみを食べるには手ごろな感じ。
(私自身は飲まないから用はないのだけど…)
そして同じフロアに座席が20席弱。
奥の一段高くなった部分に15席程度。

私自身は飲みもしないのに
お勧めというスペイン生ビール
(サン・ミゲール)を友人に飲ませ
あれやこれやと料理を注文。
バールの脇に並べられていた
数々のおつまみ風前菜に気を惹かれて
それをそろって注文。
お店の人が気ままに取り分けて給仕してくれるので
お皿の中身はまちまち。でもどれもおいしい。
habitacion02
とにかく一皿モリモリ。

そしてスペイン料理といったら外してはいけないパエリア。
これはカタラーナ風の鶏肉とお豆のパエリア。
habitacion01
これだけで十分お腹いっぱいになりそうな勢いなのに
実はこれ以外にも
もう一品魚介類もりもりのパエリア頼んであって苦しかった。

4人で出かけていって食事をしたのだけれど、
調子に乗って
全部で11皿も注文してしまっていたので
どうにも最後には食べ切れなくて大変なことに…。

煮込んだお豆と一緒に出てきたサルシッチャは
マジでおいしかったのだけど、完食できませんでした。
無念。
habitacion03
写真では豆しか見えない状態…。
この下においしいサルシッチャ(荒挽きソーセージ)が
こっそり身を潜めているのです。

お店の人もすごくフレンドリーな人ばっかりで
ここは楽しい場所だわなぁと大満足。
またの機会に訪れるときには
もうちょっと料理の配分して
無駄なくおいしく食べるようにしようっと。


Popolo di pigri

2004-11-02 05:19:55 | 日記・エッセイ・コラム
イタリアは車社会、確かにそのとおり。
みんながみんなレーサーのように
その運転技術が高いのも確か。
長引く不景気とか出口のない不景気とか
20年来言いながらも
「車は単なる足だ」とか豪語しながら
新車の買い替え率は結構高いイタリア人。
車好きなんでしょうね、根っから。

イタリア人が街の中を移動するのに
車を使う比率が高くなっているそう。
仕事に行く、学校に子供を送り迎えする、
大学に通う、買い物に行く。
とにかく車。
平均すると80%のイタリア人が
移動手段に車を使うそう。

1993年から2002年の間に
如実にその数字は上向き傾向。
徒歩で移動していたいた人が
1993年の30%から2002年には26,5%に減少。
特に仕事に向かうときの徒歩利用率(?)は
14%から11,1%へ。
仕事へ向かうときの車利用率は
84,1%から86,5%に増加。
また学校へ行く、
もしくはその送り迎えの際の車利用率は
67%から71%に増加。

イタリアの人の通勤といっても
日本人サラリーマンのような
満員電車にゆらゆら揺られて何時間なんていうのとは
まったく違っている。
住と職が非常に近いので、
実は自家用車で通う必要は
そんなにないと思うのですが…。
ただし公共輸送機関の信用度が非常に低いので
(ストライキは頻繁、バスの遅刻は日常茶飯事)
仕方なく自家用車でという人も多いとは思いますが。

そんななか、北イタリアのクレモナ市では
公害問題を考慮して
学校への子供の送り迎え時の
アイドリングを徹底的に廃止することにしたそうです。

そもそも車で子供送り迎えというのが納得できない!
のですが、まぁ、仕方ない。
フィレンツェをはじめ大都市では
街中への車の進入が規制されることが多いので
実質的には自家用車での移動って
不便なこともあると思うのですけどねぇ。

10月から導入されたはずの
カーシェアリングのシステム。
フィレンツェ市内
どこでも噂を聞かないのはなぜなのでしょう…。



Festa di Ognissanti

2004-11-01 15:46:50 | うんちく・小ネタ
10月31日はハロウィン。
アメリカをはじめ、
このお祭りのほうが賑やかで楽しげで
イタリアでもここ数年は
なんとなく市民権を得ている気がしますが、
基本的にイタリアでは11月1日が
Giorno dei Morti(死者の日)でお休みです。

キリスト教以前の異教徒のお祭りが
ベースになっているといわれますが、
その起源はあまりはっきりしたものではないようです。

古代ケルト人にとって一年は二つに分けられるもので
ひとつは「生者の季節」もうひとつは「死者の季節」。
この「死者の季節」の始まりを祝ったのが
どうやら秋口だったようです。
(一方「生者の季節」は5月にお祝い)

古代ローマ人もこれに似たお祭りの習慣があって
時期的に収穫祭と重なって盛大に祝っていたようです。
そして時代が流れ古代ローマ人によって
ガリア征服がなされると
この二つの文化が融合していきます。
徐々にお祭りの時期も定着して
10月末から11月はじめに。
当初は地方によって異なっていたようですが
やがて10月と11月を跨ぐ日に定められます。

教皇ボニファチオ4世によって
それまでの異教徒祭の感の強かったお祭りが
カトリック教会の望むお祭りとして
「死者を祀る」日となっていきます。
それでも民間に定着した土着のお祭りを
教会が一方的に変更することは難しく
苦難の策として生まれたのが
「どんな聖人でも祀ってしまおう」という考え。
というわけでこの日は「全聖人の日」という
なんだか仰々しい日になったのです。

それから200年経った、
教皇グレゴリオ3世の時代になって
異教徒的な色が薄れてきて
1500年代にはキリスト教的なお祭りとして
すっかり定着するようになります。

現代のイタリアでは
この日に先祖のお墓参りをする人も多いようですが
昔ほど宗教的な意味合いは濃くないのかも。
(特にフィレンツェ…)

イタリア語では「Ognissanti」
英語では「All saints」ではなく 「All Hallows」になるのですね。
その前夜祭だから
10月31日は「hallows eve」でハロウィン。


Lecca l'uovo

2004-11-01 03:32:10 | Billy,Layla e Ciccino
タマゴという単語。
イタリア語では男性名詞なのです。
でも不規則変化なのです。
l'uovoで単数形、le uovaで複数形。
あぁ、ややこしい。

ところで
ビリーさんは
目玉焼きとかスクランブルエッグ、
ゆで卵とかなら食べます。
火がとおっている卵だったら
喜んでもぐもぐ食べます。

でも生卵食べている姿なんて
見たことなかったし。

そんなわけで油断しました。

カルボナーラを食べようと思って
卵を割って溶いて
作業台の上にちょっと置いてあった、
その隙に!

ベーコンを炒めているその背後から
「ぺりょぺりょぺりょ」という音。

そんな高い所にビリーさんは上りません。
チッチーノ…。

猫って卵食べるんですか?ナマで?
知りませんでした。
とてもおいしそうに舐めているので
ついつい見とれているうちに
カルボナーラになるはずだった卵は
見る見るうちに減っていき…。

「あぁ、ご馳走様でした」という
ご満悦なチッチーノの笑顔が残ったのでした。

ひとつのタマゴ(un uovo)ですむところを
今日のカルボナーラには
実質二つ(due uova)使ってしまいましたね。