コロッセオでグラディエーター同士の
真剣勝負が見られるとしたら
観戦したいと思う人が
世の中には想像以上にいるのかもしれません。
ローマ市の考古学監督局長である
Umberto Broccoli(ウンベルト・ブロッコリ)の構想の中に
2000年前の闘剣士復活も含まれているようです。
単なるお祭り騒ぎではなく、
スペクタクルとしての古典復活。
ローマには数多くの美術館があり、
それぞれのスタイルで古典紹介をしていますが
それだけではなく、
より古典を身近に感じてもらえるような
芸術的イベントとして捉えているのだそうです。
2000年前に人々が
どのような暮らしをしていたかを知るためには
立体映像などのバーチャル体験だけでは
不十分であるということで
実際にどのような音を聴きどのような臭いを嗅ぎ、
どのような興奮を共有していたかを
実際に体験する必要があるとした上で
もちろん道徳的にも物理的にも
2000年前とまったく同じものを
再現することができないことも認めています。
限られた時間で限られた場所で限られた人にだけ
公開されるエンターテイメント性の高い
ショーとしてのグラディエーター復活。
果たして本当に実現するかはまだまったくわかりません。
ローマには他の都市と同じように伝統文化を守るために
いくつもの団体が存在していますが
そのうちの一つにGruppo Storico Romano
(グルッポ・ストリコ・ロマーノ)というものがあり
この団体は定期的にグラディエーター養成コースを設けています。
1994年にひょんなことから発足したこのグループは
2008年現在200人のメンバーを数え、
闘剣士たちは日々鍛錬を行い、
時に組み手も行っているのだとか。
できるだけ古典に忠実に、しかし互いに怪我をしないように
典範を改正しスポーツとして楽しめるものになっているそうです。
使用する剣は2000年前に使われていたものと同じ重さ、同じ長さ。
しかし、研がれてもいないし、切っ先も切られていません。
また寸止め方式が取り入れられているので
敵顔面の5センチ前で刀を止めることが原則となっています。
この活動の延長線上に、より文化的な意味合いの
グラディエーター復活があるのだとすれば、
観光客誘致には有効かもしれません。
実際、アメリカ人と子供には非常に受けるだろうと
グループ代表はよんでいるようです。
果たして現代のグラディエーターが実現するのか。
暴力の溢れた社会で
間違った利用だけはされないように祈ります。
実現されたら一回くらいは観に行ってもいいかなぁ。
流血沙汰がないことが前提ですが。
しかし、アメリカ人と子供に受けるというのは笑えました。
両者は感受性が同レベルなんだろうか・・・。