価値観は人それぞれ。
なにに重きを置くかは環境が異なる以上
個人で異なって当然だと思う。
今の仕事を始めたばかりの頃、
その頃の上司に教えられたことのひとつ。
「値段が高いかどうかはお客様が決めること。
あなたが高いと思っても
お客様には適正価格かもしれない。
それを忘れずに。」
その通りだと思った。
そしてそれは価格に関してのひとことではなく、
サービス全般に関する大きな教えでもあった。
それからずっと、
自分の価値観だけを
押し付けることはやめようと思って仕事もしているし、
それから幅が広がって、
自分とは違う価値観も存在するのだと
いつも思いながら暮らしてきた。
しかし、悟ったわけではないので
自分と違う価値観を
全て受け入れているというわけではないよ。
そこまで仙人にはなりきれてない。
ただ、自分とは違う価値観がある
という認識ができるというだけ。
だから偉そうなことがいえるわけではない(笑)。
しかし、仕事ということに限っていえば、
私の中に最初からずっと
一本筋が通っていることがあって、
それだけは譲れない。
「お客様の立場に立ったサービスを」ということ。
それは仕事上はそういうことだけれど、
日々の暮らしの中では
「相手の立場に立って考える」ということに他ならない。
自分の価値観しか認めないうちは、
この「相手の立場に立つ」
ということができないものなんだよね。
自分たちはプロとして仕事をしているわけで
業界用語もわかるし、事情も熟知している。
(逆にそうでなくちゃ困る)
でもそれを一般のお客様が
理解してくれるわけじゃないんだから、
お客様の立場に立って
わかりやすく案内する、それが基本。
案内不足でお客様が困惑したり、
後で迷惑かけるようなことになったときに
自分の力で自分の尻拭いができるだけの
スキルと要領のよさを持ち合わせているなら
勝手にやってくれてかまわないけれど。
周りに迷惑かけるくらいなら、
最初から手を抜かずに
きちんと必要な情報を
案内してあげたほうがよいと私は思う。
何かを省いたところで、
たいした合理化にはなってないことが多いのだから。
価値観は様々なので、
最終的に決めるのはお客様。
そのためには必要な情報をできるだけたくさん提示して
選択肢を増やしてあげること。
それが本当の意味でのサービスだと思う。
自分の価値観を押し付けて
何かを販売してそれがサービスだと思っているようじゃ、
いつかお客様にそっぽ向かれるよ。
いっぱい選択肢を並べた上で
最終的にお客様が一押しの最初のひとつを選んだとしても
それはそれでよいこと。
私の価値観とお客様のそれが
似通っていたんだなと思えて嬉しいし、
他に並べた選択肢は自分の肥やしにもなる、
そう考えているから
私は無駄じゃないのと
周りには思われているかもしれないけれど、
できるだけたくさんの情報を投げ続けている。
私のやり方を良しとするかどうかも
価値観の違いだから、
それは無駄な仕事じゃんと思うなら
思ってくれてもかまわない。
別にそうして選択肢を増やして情報提供することで
時間を無駄に使っているわけじゃないし
他の誰かよりも対応に
時間がかかっているわけでもないんだから。
でも
これが伝わる人には伝わるんだけれど、
一向に伝わらない人もいるわけで。
そして伝わらない人には
私は伝えるのを諦めるんだよね、最近。
価値観の違う人に
私のやり方を押し付けても仕方ないからね。