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ピアノと海と花との生活 Ⅱ

~創造する芸術~

オーケストラアンサンブル金沢第232回定期公演

2007-12-11 | 音楽

                    

           2007年11月30日 (金)  

      1)ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲op.56a
        2)ブラームス/交響曲第3番ヘ長調op.90
           3)ブラームス/ピアノ協奏曲第2番変ロ長調op.83
             4)(アンコール)ブラームス/間奏曲イ長調op.118-2

      ’秋はブラームス’ということで、金聖響さん指揮のオール・ブラームス。実は

        25日(日)に、富山県の入善コスモホールで、ツィンマーマンのヴァイオリンリ

        サイタルの予定が、本人の病気入院ということで、全国ツアーが突然キャンセル

        になり、ブラームスのヴァイオリンソナタを楽しみにしていた私は、なおさらこの日

        の聖響さんのブラームス、心待ちにしていたのでした。

        1曲目「ハイドンの主題による変奏曲」この日は、よくある第1ヴァイオリンと第2

        ヴァイオリンが対向位置で左右に分かれていましたが、おもしろかったのは、

        コントラバスの4人の方が正面の1番うしろ。

        ブラームスの時代の配置だそうです。

        すっきりして、すごく美しい演奏。この日も、前列2番目できいていたのですが、

        聖響さんのブレスの音までしっかりきこえて、これは聖響フアンにはたまらない

        だろうなあと感激。

        大好きな「交響曲3番」は、あの’のだめちゃん’から、最近演奏されること多いで

        すよね。この日の注目は!ホルンの音!

        突然破裂したような音がきこえる!客演の方の演奏でしたが、これはゲシュトップ

        といって、当時の演奏スタイルらしいのですが、現代ではこの奏法はあまり使う人

        がいないらしい・・・しかし、聖響さんの出された本「ベートーヴェンの交響曲」も読み

        ましたが、そこにも「私が指揮するときはそれに近いことをやって頂きます」と書いて

        あった!さすが聖響さん!4楽章は、すばらしい盛り上がりで、各楽器がすごくよく

        なっていて、’現代楽器によるビブラート抑えめのピリオド奏法によるブラームス’ 

        ということですが、私はすごく好きな演奏でした。

        トリの清水さんのピアコン。がっちりとした硬質な音で、すばらしい演奏でした。

        2楽章のオクターブの連続、3楽章のチェロとの掛け合いも美しい音で、大曲を

        見事にまとめた演奏。全曲を通して弦がすごくよく響いててよかった。

        アンコールの間奏曲もこの時期にぴったりで、深いいい演奏でした。

        この日は、録音もやっていて、いずれCDが出るでしょうが、この間発売になった

        〈金聖響ブラームス1番 OEK〉のCD,最近いつもきいています。聖響&OEKの

        音、大好きです!この日の録音もどうなるのか楽しみ

 

    ’ブラームスのお墓’は2006年10月31日にUPしてありますよ。そちらも

    ご覧下さい。

    さて次回は!お待ちかねの(笑)國松竜次さんの神戸のコンサートです

    よ!12月25日(火)のUPです

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音楽家のお墓  Vol.14  バルトーク

2007-11-27 | 音楽

     

          

           べラ・バルトーク(1881~1945)は、ハンガリー領のトランシルヴァ二ア

     に生まれ、ニューヨークで没した作曲家、ピアニスト、そして民族音楽

     研究家です。

     ピアノ教師だった母親の教えで、ピアノを始め、後に作曲も才能を開花

     させ、活躍します。

     バルトークは、特に民俗音楽の収集に努め、東ヨーヨッパだけでなく、

     遠くアフリカのアルジェリアまで足を伸ばし、精力的な活動を行いまし

     た。

       

        写真は、録音した民謡をききながら記譜するバルトーク。

     バルトークの作曲技法の特記すべきことは、自然界に見られる「黄金

     比(1:0.618・・・)を実際に音楽に利用し、黄金比を生み出す「フィボ

     ナッチ数列(1、2、3、5、8、13・・・)」で、これを主に音程に適用しまし

     た。 バルトークの音楽は、この厳しくも、透明な感性があふれています。

     時折ジャズのような音楽にもきこえ、快感です。

             

                   写真は2番目の妻ディッタと

        以前にⅠのブログで書いたことがありましたが、バルトークの研究

        をしている作曲家の神津善行氏によると、 この黄金分割率は

       、地球に住んでいるすべての生物が、何らかの形でもっているらしく、

        植物がこの黄金分割を使って、音を発している!  

        植物どおしお互いに連絡を取ったりしている!

        バルトークは、この植物と黄金分割の謎の鍵を、誰にも言わずに

        亡くなったそうです。

        不本意ながら、アメリカに亡命し、ニューヨークで白血病で亡くなった

        バルトーク。彼の音楽は、今でも斬新な響きで、後世の私たちに

        喜びを与えてくれます。

     

      お気軽に聴くバルトーク

           以前、’ビフォー アフター’という家の改築の番組で、古い家を取り壊すとき

           に流れていたテンポの速い曲、あれが、バルトークの「ルーマニア民族舞曲」の

           最終曲。速いテンポが、妙に画像にマッチしてましたよね(笑)

           ずいぶん前に、「管弦楽のための協奏曲」をスコアからアレンジしてエレクトーン

           の大会で弾いたことありましたけど、これもお勧め!

           4月の発表会でも、小学4年生が、バルトークのソナチネ、演奏しますよ。

           こんなところからお気軽にバルトーク、お楽しみ下さいね!

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オーケストラアンサンブル金沢第231回定期公演

2007-11-20 | 音楽

 

             

        2007年11月5日(月)  

     1)ロッシーニ/歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲
       2)ロドリーゴ/アランフェス協奏曲
         3)(アンコール)タレガ/アルハンブラ宮殿の思い出
          4)(アンコール)ディアンス/タンゴ・アン・スカイ(ギターと弦楽合奏版)
             5)バルトーク/ルーマニア民族舞曲Sz.56
              6)バルトーク/ディヴェルティメントSz.113

         この日も前列2番目できけた!

           1曲目ロッシー二「セヴィリアの理髪師」序曲。軽快な曲、きいていると

           いつもオペラの場面が浮かんでくるのですが、ピヒラーさんの指揮だと、

           すごく緊張感があって引き締まっている感じ。

           次に村治佳織さん、登場。前髪を切って、完全にイメチェン!赤いスペイン風

           のドレスで、まるでお人形さんのよう!

           村治さんは、繊細な細い手で、タッチも繊細。アランフェスの2楽章は、深く

           力強いタッチもあり、フワッと音が拡がる感じが絶妙。ただ、マイクロフォンも

           やはり使っていて、あとからちらほろきいた話では、もう少しダイナミクスがつい

           ていてもよかったという意見も。本当に綺麗にまとめている。目をつぶって曲

           に入り込んでいる様子がすごく印象的。

           アンコール、特にタンゴがよかった!オケの弦楽といっしょの珍しいケース。

           休憩後のバルトークは興奮ものでした!

           「ルーマニア民族舞曲」は、よく生徒さんのコンクールにも使っていて、原曲の

           ピアノ版も大好きですが、ピヒラーさんとOEKの息もぴったり!

           この日のメイン「ディヴェルティメントSz.113」は難しい曲で練習も相当時間かけ

           ていたようですが、ピヒラーさんが第1ヴァイオリンを勤めるアルバン・ベルク四重

           奏団の中心的レパートリーのバルトークは、ものすごい迫力がありました。

           先日、ブーニンのベートーヴェンのピアコン3番は、ピヒラーさんとOEKの録音

           があったようですが、バルトーク、大変でも録音してほしい!

           この日のプログラムはこの間のナッセンさんのときと同様、大満足でした。

            

            
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音楽家のお墓  Vol.13   シューベルト

2007-11-13 | 音楽

 

           

       シューベルト(1797~1828)は、ウィーンで生まれ、ウィーンで教育

       を受け、ウィーンで没した数少ない生粋のウィーンの大作曲家です。

       早くから音楽の楽才を示したシューベルトは、11歳の時、皇帝の宮

       廷礼拝堂の合唱団に入り、ソプラノ歌手として主要な任務を任され、

       コンヴィクトと呼ばれた国立中学校で、高い水準の教養を身につけ

       ました。

       多くの天才作曲家は、早熟ですが、シューベルトは特に早く、彼の

       傑作として名高い歌曲〈糸を紡ぐグレートヒェン〉は17歳、〈魔王〉、

       〈野ばら〉は18歳の作品です。

       身長わずか153センチぐらいで、ぶ厚いめがねをかけた彼の個性

       は、不思議と人を惹きつける力があり、彼の周りには、常にいろい

       ろな友人が集まり、そのグループは、「シューベルティアーナ」(シュ

       ベルトの仲間達)に成長していきます。

       シューベルトの歌曲は彼のグループで歌う目的で書かれ、弦楽四重

       奏曲は父や兄達と演奏するため、ピアノ連弾曲は友人達と楽しむた

       めに、交響曲ですら、最初は仲間達の小オーケストラで演奏する目

       的で書かれました。

       シューベルトの存命中に、彼の交響曲が演奏されたのは彼が21歳の

       とき、交響曲6番のみで、、それから彼の交響曲は1度も演奏されない

       まま、シューベルトは世を去っていったのです!

              

       先日OEKの演奏できいた交響曲第7番〈ザ・グレイト〉は、彼が不

       特定多数の聴衆を意識して書いた最初で最後といわれる大規模な曲、

       そして有名な第8番〈未完成〉は、音楽協会のために書かれ、3楽章の

       途中まで書かれたものを役員が預かり、机の引き出しに入れたまま、

       43年も眠ったままだった!という音楽史上の謎になっています。

       演奏名技のために書かず、その要素を、意識的にさけていたシュー

       ベルトの作品は、その深い旋律の美しさが、心から生まれ、心に帰って

       いくすばらしい芸術作品となっています。

       生前、同じ街に住みながら、そのシャイな性格ゆえに、店で会っても

       話しかけることができなかった憧れのベートーヴェン。(彼には2回ほど

       楽譜を見せに行った記録がありますが)

       ベートーヴェンの亡くなった次の年に、わずか31歳でこの世を去った

       シューベルトは、ウィーンの中央墓地に、その遺言どおりのベートー

       ヴェンの隣で、のちのブラームス、ヨハン・シュトラウス、スッペらとも共

       に、美しい彫刻の墓石の中に眠っています。   

       (肖像画はごく最近発見されたもので、画家の名前はわかりません)

 

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オーケストラアンサンブル金沢第229回定期公演

2007-11-06 | 音楽

 

           

   2007年10月3日(水)      

        1)シューベルト/歌劇「アルフォンゾとエストレルラ」序曲
           2)シューベルト/交響曲第7番ロ短調D.759「未完成」
              3)シューベルト/交響曲第8番ハ長調D.944「ザ・グレイト」


大山平一郎指揮オーケストラ・アンサンブル金沢

           娘の強い希望で、1番前の席で並んでシューベルトをきく!

           最初の曲はあまり演奏されない曲。華やかな感じで、一気に流れます。

           「未完成」はあまりにも有名なシューベルトの名曲。

           なぜ、2楽章だけで終っているのか?ベートーヴェンの不滅の恋人が誰か?

           という謎と、2大音楽史上の謎・・・

           ヴィオラ出身で、今でも演奏もしているという指揮の大山さんは、

           渋く、落ち着いたシューベルトをきかせてくれました!

           この日のメインは、「ザ・グレイト」!

           何しろ長い!1曲が1時間近くある!

           シューマンが、’天国的な長さ’と評し、初演は長すぎる、といって拒否された曲

           でも、この日の演奏は、長さを感じさせないいい演奏でした。

           大山さんの気迫がこもった、繊細な構成。アンコールもなかったけれど、

           逆に、このシューベルトのシリーズにかける気合が感じられました。

           あの長い曲を、1番前で、娘もキンキンになってきけてよかった

 

       ベートーヴェンにあこがれ、死の床で天国に着いた幻覚をみて「ここは天国じゃない!

       ベートーヴェンがいないじゃないか!」と叫んだシューベルト。

       31歳という若さで、この世を去りますが、その強い願いで、お墓はベートーヴェンの

       横にあります。

     と、いうことで次回は久しぶりに音楽家のお墓シリーズ「シューべルト」

    です!          

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オーケストラアンサンブル金沢第230回定期公演

2007-11-04 | 音楽

 

            

  10月24日(水)

            1)ナッセン/2つのオルガナ
               2)コープランド/バレエ組曲「アパラチアの春」
                 3)ブリテン/チェロと管弦楽のための交響曲op.68
                  4)(アンコール)カルツネンによる即興演奏


オリヴァー・ナッセン指揮オーケストラ・アンサンブル金沢 アンシ・カルツネン(チェロ)  

      

           今日は大好きな現代曲ばかりのプログラム。

            身長が2メートルはあるんじゃないかという大きなナッセンさん、     

            でも指揮はすごく繊細で、

                           「おもちゃのノートルダム大聖堂:オルゴールの中身」という副題にぴったりの

                           素敵な1曲目、

            「機関:シェーンベルク・アンサンブル20周年を称えて」という副題の2曲目も

            おもしろかった。

            美しいコープランドのあとは・・・

            やっぱりすごかった!ブリテンの「チェロと管弦楽のための交響曲」

                           今年の4月、80歳で亡くなった、

            あのロストロ・ポーヴィチに捧げられた曲で、この日が日本初演。

            ソロのカンツネンさん、すばらしいテクニックで、

            前から4列目できいていた私は、もう釘付け!

            圧巻は、アンコール!

            指が弦を飛び跳ねているような、天才的超絶技巧!

            即興演奏だったそうです。

            目の前で、きけて見れた私は、もう幸せいっぱいの夜でした

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オペラ  『トスカ』  プッチーニ

2007-05-22 | 音楽

  

        

    『トスカ』は、1900年にローマのコスタンツィ劇場で初演されたのですが、

    劇場構成と舞台効果に優れたこの作品も、当時のイタリアの政治不安

    がからんで、最初は成功しませんでした。

    でも前作『ボエーム』同様、まもなく評判となり、各地で盛んに上演され、

    今はイタリアオペラの中でも指折りの人気作になっています。

    写真はその2幕、トスカに横恋慕する警視総督スカルピアは、自分の意

    に従うなら、恋人カヴァラドッシを赦免しようとトスカに迫る。

    せっぱつまった彼女は〈歌に生き 恋に生き〉をうたったのち、意を決して

    従うふりをし、スカルピアがカヴァラドッシの国外の旅券を書き終えたとき、

    隠し持っていたナイフで彼を刺し殺す・・・

    クライマックスの場面です。

    下の写真は、『トスカ』をかいた頃、トレ・デル・ラーゴにあるプッチーニの

    自宅の近くを散歩する銅像。

    リアルなその姿は、実際に歩いているように見えます。

        

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オペラ 『蝶々夫人』 プッチーニ

2007-03-05 | 音楽

 

  

   舞台は長崎。主人公は純粋可憐な日本女性。

   その彼女の悲しい恋の結末を哀麗な音楽で描いた『蝶々夫人~マダム・バタ

   フライ』は、随所に日本の旋律も聞かれて、私達には、最も馴染み深いオペラ

   ともいえます。

   「ある晴れた日、海のはるかかなたに、煙が一筋見え、真白い船の姿が現れ

   る・・・」

   アメリカの海軍士官の夫、ピンカートンが、きっと帰ると信じて疑わず、その日

   を夢見ながら蝶々さんがうたうこのアリアは、全幕を通じて最大の聴きどころ。

   彼女の願いはかない、やがてピンカートンは帰ってきたが、その後ろには、妻

   ケートの姿があった。絶望した蝶々さんは自害して果て、オペラは幕を閉じま

   す。

   1904年2月にミラノのスカラ座で華々しく初演されましたが、予想に反して、

   スカラ座の歴史に残る大失敗を喫します。

   しかし、プッチーニは、傑作であると信じて疑わず、その日のうちに上演料を

   返却して、3ヶ月後に、あまりに長すぎる第2幕を2つに分け、大成功を博しま

   した。

   この成功により、一時、東洋的題材は作曲家の求めるところとなりました。

 

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番外編  オペラについて

2007-01-31 | 音楽

 

          

        ここで、ちょっとブレイクして・・・オペラのお話。

        昨年、冬季オリンピックのフィギアスケートで、荒川静香選手が、

        金メダルを取ってすごく話題になった曲。

        プッチーニの『トゥーランドット』の中の「誰も寝てはならぬ」

        先日、メトロポリタン歌劇場の『トゥーランドット』のDVDを購入して、

        毎日観ていましたが、王子カラフ役のドミンゴ、すばらしいです!

        しびれます!

        ストーリーはプッチーニにUPしましたが、リューの死ぬ場面での

        逸話は、強烈ですね。

 

        オペラは、もちろん、生でその劇場の息使いを感じる魅力は、それは

        もうすばらしいのですが、その前に原語の意味もわかると、なお  

        いっそう楽しめますよ。   

        映像に残ったものは、キャストの細かい表情もよくわかるし、演出

        のすみずみまで堪能できます。

        自宅に、ちょっと年代が前のものになりますが、すばらしいキャスト

        と演出のシリーズがありますので、ビデオのものは順にDVDに移して

        貸し出ししたいと思います。

        教室の生徒さん達、またお近くの方でご希望がありましたら、是非

        このオペラシリーズ、お楽しみ下さい!

        解説も全部ついています。

   それに加えて、自宅にある何百枚(?)のCD、数えたことがないのでわか

   りませんが、近々リストをつくって、レッスン室に置く予定ですので、ご希望 

   のものを、貸出票で1週間お貸しします。

   音楽関係の本も、ものすごい数ですけど、保護者の皆様が読めるように、

   リスト作成しますね!  

        

  上は、ヴェルディ『アイーダ』のポスター、下はプッチーニ『トゥーランドット』

  のヴォーカル・スコアの表紙

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音楽家のお墓  Vol.12  プッチーニ

2007-01-28 | 音楽

          

   

    長崎を舞台に、純情可憐な日本女性の悲哀を描いたオペラ『蝶々夫人』の作曲

  家、また去年、オリンピックのフィギアスケートの曲で、話題になった『トゥーラン

  ドット』、ほかにも『マノン・レスコー』、『ラ・ボエーム』、『トスカ』など華々しい成功

  でその名声を不動のものにしたプッチーニは、1858年、イタリア、トスカーナの

  ルッカで生まれました。

            

    プッチーニの家系は、代々音楽家で、幼少の頃はあまり才能を発揮す

    ることがなかったのですが、18歳のときに、ピサでヴェルディの『アイーダ』

    を観て、尊敬するヴェルディのようにオペラ作曲家になろうと決心します。

    25歳のときに書いた『マノン・レスコー』で成功してから、3部作『ラ・ボエー

    ム』(1896)、『トスカ』(1900)、『蝶々夫人』(1904)の成功で、イタリアオペ

    ラ界での地位を確立しました。

    『蝶々夫人』では、異国的な雰囲気を描くのに、日本の旋律も使って、日

    本を舞台にした魅力の舞台をみごとに表現しました。

    ニューヨークに妻とともにわたった彼は、活気に満ちた都市の生活に驚嘆

    し、新奇な新しいものが大好きで、モーターボートや自動車を購入して、自

    動車狂の一面も見せています。

    (『蝶々夫人』の作曲中にも、大事故をおこしましたが、車椅子で作曲を続

    け、完成させました!)

          

          自動車に乗るプッチーニ

             失敗と成功を重ね、第1次世界大戦を経て神経症におちいりながらも

      『トゥーランドット』に着手したのは、62歳の時。

      オペラ作曲家として、作品数はヴェルディの26曲、ロッシーニ36曲に

      比べて、プッチーニはわずか10曲。それは、彼が題材にきわめて慎重

      で、台本作家の選定にも極めて力をそそいだからです。

      大昔の中国を舞台に、残忍な王女トゥーランドットの冷たい心が、真の

      愛を知ってとける、という伝説は、かなり古くからヨーロッパに伝えられ

      ていたのですが、この作品にプッチーニは命を捧げました。

      しかし咽頭ガンにおかされていた彼は、そこに心臓麻痺も加わり、

      1924年、ブリュッセルの病院で,66歳静かに息をひきとります。

      『トゥーランドット』の第3幕のリューの死の場面の前で、プッチーニが筆を

      おいたことから、後に未完の部分はアルファーノの手で完成をみて、そ

      の初演の夜、指揮をした友人だったトスカニーニは、指揮棒を置き

      「ここで、この部分で彼は最後の仕事を終えました」と客席に向かって、

      述べたそうです。トスカニーニの栄光ある生涯を通じて、公衆の前で発言

      した最初で最後の言葉だったそうです。

      

      写真は、プッチーニの住み慣れたトレ・デル・ラーゴの家の1室にある

      プッチーニ夫妻と息子の霊廟。

 

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