ストラヴィンスキー(1882~1971)は、1882年6月17日、ペテルブルグ(現在のレニング
ラード)に生まれ、1971年4月6日ニューヨークで没したロシアを代表する作曲家。
初期の3作品『火の鳥』、『ペトルーシュカ』、『春の祭典』で特に知られている。
井上さんが、ストラヴィンスキーの交響曲ハ調と、火の鳥を6月にサントリーホール
で日フィルと演奏されるので、早い時期にチケットをとっておいたら、
何と金沢でOEKと交響曲ハ調!ということがわかり楽しみにしていた。
ストラヴィンスキーは、24歳で最初の結婚をし、56歳で2度目の結婚をしているが、
交響曲ハ調は、この56歳の再婚の年に完成している。
上の絵はキュービズムの画家、アルベール・グレーズの作《ストラヴィンスキー》
これは「火の鳥」の衣装デザイン。
私はストラヴィンスキーは大好きだが、そんなに詳しくないし、スコアもまだ買っていない。
しっかりハ調のCDもきけぬまま、
本番にいった。
すごかった!井上さん、曲をどこも熟知していらして、ものすごく緻密な指揮。
解釈がすごく繊細で、でもどこも音楽がまっすぐで、すばらしかった。
いい音でした。バランスもすごく良かったと思うし、OEKのいいレパートリーになるのでは
ないでしょうか。隣りで友人もそう申しておりました。
私は、自分の弾いているソロや、伴奏の曲のCDは、すぐ影響をうけてしまうため、最初のころ
少しだけきいて、後は全然聴きません。
ホロヴィッツやリヒテルなど往年の大ピアニストの映像は大好きでよくみます。
コンクールにいったら、ほとんどの人が、自分の順番まで、
iPoneで曲をきいていました。私は前の人の演奏がすごいなあと感心して
いるだけで、そんなことはできません・・・
でもオケの曲や、別の楽器の曲は、フレージングなどすごく参考になるのでよく聴きます。
井上さんは、とても感情表現が豊かで繊細な音楽性の方で、たとえばモーツァルトやハイドン
を指揮なさってるときも、’ああここはこういう音楽なんだなあ’と新しく知ることがすごく多くて、
本当に勉強になります。
この日のストラヴィンスキーもそうでした。あまり演奏されることのない交響曲ハ調を、
すばらしく統一して、事細かに、音楽を作っていらっしゃいました。
今度の日フィルも楽しみです!
OEKでも再演も是非!お願いします(べリオのシンフォ二アもいつか・・・)
中央がストラヴィンスキー。
第1次大戦を予言させるような、大混乱を巻き起こし、その激しい破壊力と野蛮なエネルギー
を爆発させた音楽事件・・・それが「春の祭典」の初演だった。
1913年5月29日、パリのシャンゼリゼ劇場でのことだ。序奏の1小節目がなるやいなや、
たちまち起こる客席からの嘲笑、入り乱れる野次で賛成派と反対派が入り乱れ、
劇場は騒然となった。
でもこの状況は、プロコフィエフの伝記にも同じような記述があったし、新しいものが
出現したとき、ベートーヴェンの第9だって、みんなそうだ。初演に立ち会った人々は、
混乱し当惑する。
ストラヴィンスキーは相当準備をして、ハルサイを書いた。彼の前に突然現れた
幻影がもとになっていたので、彼はしばらくの間、どうやって楽譜に書き表したらいいか
わからなかった。
座っているのがマチス。
彼はピアノを使って作曲するのが習慣だったが、先生のリムスキー=コルサコフに
それが正しいかどうかきいている。「君の場合は使えばいいだろう」といわれたらしい。
天才の伝記をよんでいると、いつも面白い記述にぶつかるが、パガニーニは(ヴァイオリン
しか弾けない身体になってしまった)という文が強烈だったし、
この ストラヴィンスキーのには(気がつくとお金が全くなくなっていた)とある。
そう天才はいつもそうだ(笑)
私が、音楽家や画家の伝記を読むのが好きなのは、
そこに、1番いい音、いい色を捜し求めて苦悩する芸術家の姿に、
何度も出会えるからだ。
与えられた1つのことを、命を削って、求める姿に感動する。
ストラヴィンスキーはロシア革命を経た後、全ての財産を失って難民となり、
パリで亡命生活を送っていた。
その後彼は89歳まで生き、その才能を余すところなく発揮してこの世を去った。
《創作の才能は、決してそれだけが単独で私たちに与えられているものではない。
むしろこの才能は、ものごとを深く観察する能力と必ず緊密に結びついている。
真の創作家は、彼をとりまくごく簡単なつまらない事柄の中にも、常に何か注目に
値するものを見つけるのだ。》大好きなストラヴィンスキーの言葉。
ただ1つの、自分の中のいい音だけを捜し求めた真の芸術家の言葉だ。
今、全国で公開中の映画《シャネル&ストラヴィンスキー》
芸術を求める二人は、たちまち恋に落ち、互いを刺激し、高め合い、心を解放し、
悲しみさえも活力に変えていく。
その恋は、二人の中に眠っていた新たな創造力を次々と開花させていったのだ。
『女性そのものを感じる香りを創りたい』と、初めて香水創りに魂を注ぐシャネル。
シャネルNo.5にまつわるラヴストーリー。
《春の祭典》再演に命を賭けるストラヴィンスキー。秘められた恋の思わぬ行方は―?
絶対!観たい!と思っていたのに、自分なりにあまりに忙しかったので、金沢の公開は
いけなかった。悲しくて悲しくて・・・でも!
来週、豊橋で仕事なんです。シラベタラ何と静岡で観れるじゃないか!
こんなときは本当に空に向かって感謝したくなる
このあいだ、のだめちゃんも公開2日目に娘と観れたし、
映画づいててうれしい!
ということで、去年秋のマーラーに続き、今年はストラヴィンスキーです。
井上さん、また大きなギフトを金沢の皆さんにありがとうございます