ピアノと海と花との生活 Ⅱ

~創造する芸術~

オーケストラアンサンブル金沢第282回定期公演 南似氏ドイツ・フィルハーモニー交響楽団金沢公演

2010-06-20 | 音楽

 

         

          2010年6月16日(水)

         石川県立音楽堂 
 
         1・モーツァルト/交響曲 第31番 「パリ」
         2・プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲 第2番
         3・ドヴォルザーク/交響曲 第8番
     
           前回のヴァシリス・クリストプロスさんの指揮の時の定期。
           

          同じ日、ラ・フォル・ジュルネの記者会見の日で、そのフロアコンサートは

          きいたのだけれど、ショパンに煮詰まっていて非常に疲れていたので、

          定期はお休みしていたのでした。

          それで初めて聴くヴァシリスさんの今回はモーツアルトでしたが・・・

          全国モーツアルトでまわっていらっしゃって、

          最後に金沢だったのですね。

          ごめんなさい、いつも井上さん指揮のOEKの繊細なモーツアルトをCDでも

          きいているので、私は個人的にOEKの音が好きです。

          何ともコメントできません。

          モーツアルトってむずかしい。私はもちろん、ほとんど全曲ソナタも弾いているのだが、

          小学生以来、人前でモーツアルトを弾いたことがない。

          最近、ようやく自分の音が出来あがって、やっと弾けるかなあという気になった。

          だから、昨年のピアノマラソンも、よくみんな弾けるなあと感心するだけで、

          とても応募までできなかったのだ。

          まったく個人的な意見です。

             

         紗矢香ちゃんは初めてきいた。ベートーヴェンのフォル・ジュルネのときは、

         うちの引っ越しで、全く行けず、先輩は3時間並んで、紗矢香ちゃんの演奏、

         1番前できき、大満足だった。

         この日は、私の定期会員プレゼントについていた引換券で何と3階のバルコニーに

         当たってしまい、私と違って極度の高所恐怖症の彼女は、

         あまりの恐さに2時間震えていたのだ!私もそんなにひどい恐怖症だと知らず、

         途中で変えてもらえばいいのに、最後まで震えていたらしいあんなに

         紗矢香ちゃん、よかったのに。

         紗矢香ちゃんの音は男性的だ。真由子ちゃんと全く目指しているものが違うだろうから、

         そもそも2人を比べる事がナンセンスだ。

         でもはっきり、真由子ちゃんは女性的。特に今現在。

         さやかちゃんはほれぼれするほど、男性的な立派な潔いプロコだった。

              

          私は、ヤマハにいたとき、エレクトーン研究会というのに入っていて、そこでの

          研究テーマが自由だったため、1年間ピアコンを研究し、エレクトーン科の先生たちと、

          オケパートを振り分け、スコアを解体し、3人のエレクトーンで全部のオケを演奏する

          スタイルで1年間研究していた。

          恥ずかしながら、ピアノは私だけだったので、ラフマニノフ、ラヴェルと難解なもの

          ばかり手を出し、何年目かの講師さんの合宿の時に、何とプロコのCdurを弾く事

          なったのだ。もちろん、あんなむずかしいピアコン、私に弾けるはずがなく、

          本番も散々だったが、そのとき、スコアをとことん研究し、プロコのオーケストレーション

          の素晴らしさを知り、プロコが大好きになったのだ。

          紗矢香ちゃんのプロコは、芯がまっすぐ凛として、音が自由自在に伸び、まるで、

          人体模型図の筋肉図(妙な表現ね)のように、ぱりっとしまっていた。

          歌うところはすばらしくうたっていて、ああ、紗矢香ちゃんも持って生まれた天才なのね

          と目の前の演奏にほれぼれ

          あの華奢な身体と、指から、どうしてあんな強力な音がでるのか!

          テクニックも音楽性も何もかも完璧なプロコでした。

          目の前で、きかせていただいて感激。

          10月、私がいつも音とりするコスモホールいきますね!

          コスモホールといえば、これもこけらおとしのとき、当時ホール関係の仕事も

          していて実家が入善の私の夫は、

          コスモホールのオープンにかかわっていて、そこでの演奏はやっぱり中村紘子さん

          で、夫は、紘子さんにカレーをお出ししたらしい・・・

          私は輪島の文化会館のこけらおとしで、紘子さんに花束渡したし

          2人でおんなじ事してたんですね(笑)

          ドヴォルザークよかったです!

          音もバランスもよかった。OEKのメンバーが入っていた。

          トロイ、大澤さん、今野さん、大村さん、美女の古宮山さん・・・

          OEKは最強美女軍団だ!皆美女だ!

          今日はOEK無しだと思っていたのに、メンバーの顔を見るとほっとする。

          OEKの応援団は、皆、全員のフアンだと思います。

                      最近、ウイーンフィルも、この間のスロヴァキアフィルも

          きけたし・・・今日アシュケナ―ジと辻井君ですか?

          5分で売りきれたチケット。こちらは私も先輩もとれませんでした。

          そういえば、富山のホールで、アシュケナ―ジ録音専門のピアノ、

          倉庫でひかせてもらったことがある!

          辻井君、頑張ってください!この間の展覧会、TVの最後の演奏、ブラボーだった

          それでは、連ちゃんで真由子ちゃんに続きます

          

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ブダペスト祝祭管弦楽団

2010-06-20 | 音楽

      

         

        2010年6月17日(木)

         富山市オーバードホール
 
         1・ロッシーニ/「アルジェァのイタリア女」序曲
         2・メンデルスゾーン/ヴァィオリン協奏曲 ホ短調
         3・シューベルト/交響曲 第8番「ザ・グレイト」
 
         昨日の紗矢香ちゃんに続いて、今日は富山で真由子ちゃん。ずっと前から

        チケットも買い、先輩とJRで行く事にしていた。

        オーバードホールは、音響の悪い事で有名。舞台の上では自分の音が聞こえず、

        客席では、オケは特に、丸裸状態になってしまう。

        今まで行く縁がなくて、何と2人とも初めてのオーバード。

        最初のロッシーニで驚いた。こんな音だったんだ。

        そのせいか、舞台のオケの配置はびっくり仰天!

        第1ヴァイオリンと第2は通常。チェロはうしろ。コントラバスが、正面上段。その下に金管。

        木管の方々が、中央前列から並ぶ。

             

       はじめはパーカッションの音とか、まったくちゃちにきこえて困った。

       でもこの指揮の方、イヴォン・フィッシャ―氏!すごい!

       見た目は地味な指揮ぶりだけど、ものすごく正確、繊細。オケの人の各音が、

       非常にいい音で、生き生きしている。私も先輩も、すぐオーバードの音に慣れ、

       むしろ、この丸裸の音が好きになった。

       隣りからちょんちょんと、先輩が合図し、耳に手を当てている。

       ああ、さんまちゃんの’なんですか~’ポーズ(非常に古い

       これを両耳にあてて、前後すると、音が音楽堂の音に近くなったりするのだ。

       先輩は、これを、以前音楽堂で、1階の1番うしろにすわったとき、発見したのだ!

       私も変人なら、先輩も相当変人。

       2人の変人は、耳に手を当て、これは音楽堂~これはオーバード~と楽しんでいた。

       (ふまじめな客だ!)

               

         そうこうしているうちに、いよいよ真由子ちゃんのメンコンになった。

         前回、OEKの定期のチャイコのとき、なぜか真由子ちゃん、非常に力んでいて、

         オケの人たちの評判も悪く、先輩も’あそこまで弾かなくてもいいのにね、

         なんかかわいそうになる’といっていた。

         でも私はだれが何と言っても、真由子ちゃんの音が好き。

         チャイコのときは、なぜか数年前にきいたドイツのデュッセルドルフ、クララ・

         シューマンコンクールの2位の男の子のピアノの音を思い出して、

         前から2番目で、ゴーゴーと滝のように涙が止まらなかったのだ

         
 
          今日はどうか?力んでないか?・・心配するどころでなく、

         真由子ちゃんの音は非常に繊細で力強く、張りがあって、絶好調だった。

         綺麗だ!伸びがある。

         この間、ラ・フォル・ジュルネで宇宙の果てまで飛んで行ったと思った音は、

         私の中では月の世界

         2楽章も、うたう、うたう。美しすぎ。真由子ちゃん変わった!

         天才はどんどん進化するのだ!なんて大人っぽい美しい音!

         3楽章は、スラーがかかったような奏法。すばらしい!ああいう音を、私も先輩も

         目指しているのに、へたくそな私には到底できない。

         ああ、真由子ちゃん、11月1日ですか?高岡行きますよ。

         また紗矢香ちゃんと連ちゃんだけど、追っかけフアンはどこまでも

         ついていきます(笑)

         この日の演奏、真由子ちゃんの過去の演奏の中でも、かなりいいんじゃないかな?

         

         この日は、オーバードでは2階、実際は1階席のうしろから3番目という席。

         それにもかかわらず、2人、思いっきり立ちあがってアンコール!

         周りの人はびっくりしてたけど、全然かまわない!

         真由子ちゃんに見えるようものすごく拍手を送った。真由子ちゃんの

         大好きなカプリス。毎回違うように感じる。(真由子ちゃんゴメンネ、確認する暇なかった)

         隣りのおじさんが「あなたたち続けてたら、もう1回アンコールあるよ」といった。

         いいんです。真由子ちゃん、あそこまで集中してたから、ゆっくり休んでください。

         最後は、シューベルトのザ・グレイト。

         長大すぎて、作曲当時も演奏いやがられたほどの曲。

         しかし素晴らしい!全曲暗譜でした!しかもどこも完璧。

         私も先輩も、あまりにいい音なので、オーバードのそのものの音の方が心地よく

         なり、没頭した。

         私も今、シューベルトを弾いているが、こういう音だったんだ。

         無駄がなく、統制されていて、最高のバランス。

         なんと配置は、コンマスの席にオーボエ!のかた!

         それでぐるっと木管が前列を囲む!オーバードだからこうしたのだろうけど、

         ここでは他のオケもこうするのですか!?

         でもこの配置は2人とも非常に気に入った。こうすることで、木管の人たちの

         音が1つになる。

         このオケと真由子ちゃん、ああ、あす月曜、東京でブラ―ムス!

         4番とコンチェルト~ああ、ききたい!

         ほんとうは明日、名古屋の先生のレッスンの日だった!

         私がキャンセルして延期になったの~

         そしたら東京もいけたのに

         仕方ないです。人生ガマン!

         真由子ちゃん、ブラームスもがんばってね。

 

         やっぱり長くなっちゃった。

         次は、クララ・シューマンコンクール

 

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クララ・シューマンコンクール in  デュッセルドルフ

2010-06-20 | 音楽

     

       

               1997年5月27日、ピアニストの杉谷先生の勧めで、デュッセルドルフに音楽教室

       を作らないかという事で、夫と滞在したドイツの10日間。

       その頃、うちの会社には2人の音大出の社員がいて、その子たちと一緒に、1歳からの

       音楽教室をつくり、金沢は公民館など4カ所、富山小杉のラポール、を借りて、約100名の

       生徒さんが集まり、教室を展開していたのでした。

       テキストも全部手作り。私の発案に社員の子が、パソコンで作ってくれ、音源も作って

       今の出前コンサートスタイルのように、キーボードを車で運び、富山は高速で若い2人が、

       毎週月から金までぎっしり、という生活を送っていたのでした。

       

       それで、デュッセルのお話をいただき、とりあえずいろいろ見に行こうと、幼稚園、

       音楽教室、私立の学校など見学させていただいて、当時結局物価が日本よりも高かっ

       たので、とても不可能だと、話はなくなったのですが、

       ちょうどクララ・シューマンコンクールの本番があり、本選のピアコンの舞台をきくこと

       ができたのでした。

         

      その時、杉谷先生と、ピアニストのネルソン・フレイエも審査員をされていて、

      ネルソンとは、いつも同じ車で移動したり、ランチのパスタとか夕食にお寿司とか、

      ずっとご一緒で来て、すごく楽しかった。

  

      ちょうど行ってすぐに、ファイナルだった。ファイナリストは4人。

      いつものごとく、私は時差ボケで、ずっとボーッとしていたのだが、ロシアの若い男性ピアニス

      トの演奏が始まったとたん、いきなり目が覚め、涙があふれ出し、感情を抑えられない

      状況になってしまった。

      真由子ちゃんのチャイコをきいたとき、この場面を思い出したのだ!

      彼の演奏は、PPPからFFFFまであるような感じで、繊細で美しく、音楽が流れていて、

      こんな音楽が、存在したのだろうかという衝撃に近いものがあった。

      興奮の中で、演奏が終わり、会場にいた、デュッセル在住の日本人の方とかも、

      皆、彼が1位だろうと確信していたら・・・

      イタリア人の男の人が1位で彼は2位だった!

                

     次の日、先生は泣きはらした目をされていて、先生とネルソンは強く彼を押したけど

     他の審査員は全員、イタリアの人だったそうだ。全然よくなかったのに!

     よくあることらしい。

     先生から聴いたところによると、そのロシアの彼は、前回のクララ・シューマンコンクールにも

     出てきて、すぐ落ちたらしいが、その年、審査員だった アルゲリッチが

     「彼は天才よ!」と叫び、1晩つきあうわと、彼と食事しながら話してみたが、1晩で3語しか

     話さなかったそうだ。

               

     ロシアで、彼は食べていくために、夜のお店などで弾いていたらしい。

     結局2位をとった彼は、その後ドイツで先生を見つけて、ドイツに渡ったらしい。

     活躍しているのを、私が知らないだけだろうか。

     あとにも先にも、あんなピアノの音をきいたのは、初めてだった。

 

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